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「愛し君へ」は
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「愛し君へ」とは?
2004年に放送されていたテレビドラマ「愛し君へ」。
このドラマは菅野美穂と藤木直人が主演を務めており、だんだん視力を失っていく病に侵されてしまうカメラマンと、そんな彼を支える小児科医の愛の姿が描かれています。
さだまさしの小説「解夏」が原作となっており、平均視聴率17.1%の高視聴率となった人気ドラマです。
愛とは、そそぎつづけるもの…
最愛の恋人は、3ヵ月後、視力を失ってしまう運命にある。
最後に見せてあげたいものは何ですか?
最後に見たいものは、何ですか?
愛とは、そそぎつづけるもの…
新米小児科医として元気いっぱいに生きる主人公・友川四季。
しかし四季が恋に落ちた男・俊介は、自らの視力をやがて失う運命にあった。
そんな俊介の運命を知ってしまった四季。
その苦悩、その愛、そして勇気。
喧騒の東京と美しく静かな長崎の町。
愛に不器用な恋人たちと、二人を囲む仲間たち、そして家族。
それぞれの苦悩や葛藤、人生。
生きることの喜びと哀しさを洗練と叙情に満ちて描き出す、新しい「月9」の愛のかたちで
夏の長崎。観光客で賑わう街に、場違いな喪服姿の友川四季(菅野美穂)、浅倉亜衣(伊東美咲)、折原新吾(玉木宏)がいた。石畳の長い坂道を登りながら、新吾はかつて安曇利也(岡田義徳)が実家から送って来たと言っていたカステラを買って帰ろうと四季たちに投げかける。3人が向かっているのは、その利也の実家。ほかならぬ利也の葬式に向かう途中だった。家族にカステラの販売店を聞こうと言う新吾に、葬式の最中で聞けないとたしなめる四季。高台に出た3人が海を見ていると、カメラを提げた男がすれ違っていった。四季だけが気づいて、去っていく男を怪訝に見送る。
四季たちが訪ねた安曇家では、葬式が営まれていた。3人は祭壇に手を合わせる。利也の母、良枝(八千草薫)が四季らに礼を述べる。四季、亜衣、新吾、そして利也は大学時代からの友人だった。お清めの席で、親戚たちは利也の兄、俊介(藤木直人)の噂をしている。弁護士を目指していた利也に比べ、ファッションカメラマンという派手な職業についている俊介の評判はすこぶる悪い。そんな中、中庭に出た亜衣と新吾は、亡き利也に改めて思いをはせる。亜衣は、四季が、死の直前に利也の姿を見たと言っていたことを話す。急いでいた四季は、彼に声をかけられなかったと…。
その頃、四季は1人で海岸にいた。利也ら仲間4人が一緒に写った写真を持ち、最後に見かけた時の利也の姿を思い出している。と、突然間近でシャッター音が。驚く四季の傍らには、カメラを構えた男、俊介がいた。写真を送るから住所を教えて欲しいと、ナンパ口調で迫る俊介に嫌悪感を覚える四季。四季が安曇家に帰ろうと俊介に背を向けた。すると、俊介は海に向かってある言葉をつぶやいた。
その日の夜。川辺に人々が集い、灯籠流しが行われている。利也の家族や親戚、四季たちの姿もあった。四季は、その中に俊介の姿がないことに気づく。周囲を見回すと、俊介は離れた場所で携帯電話をかけていた。四季が近づくと携帯を切る俊介。利也の灯籠がもうすぐ流されると四季が促すと、俊介はカツ丼を食べに行こうと言う。四季が俊介の非常識を責めようとすると、花火が上がった。花火を見ている四季に、俊介が、ある問いかけをした。恋人から自分の携帯に電話がかかってきた。恋人は飛行機に乗っていて、間もなく墜落すると言う。そんな状況になったら、四季は恋人に何を言うか? と。答えを見つけられなかった四季は、そのかけるべき言葉を俊介に問うが、答えは得られなかった。安曇家に戻ると、利也の親戚が形見分けの品物を持ってきた。利也が子供の頃に遊び親しんだがらくたの中に、四季はおもちゃのホイッスルを見つけ、手に取った。
四季や親戚たち弔問客が去ると、安曇家には俊介と良枝が残された。1人で死んでしまった利也を嘆く良枝に、東京へ出てくるようにと俊介は勧める。
それから8ヶ月後。春を迎えた東京の文京中央病院小児科では、四季が慌ただしく働いている。四季は、研修医としてこの病院にいた。休診時間に、疲れ果てた四季がへたり込んでいると、強面の医師、降谷圭輔(時任三郎)が現れた。ハッとして居住まいを正す四季を圭輔は小児病棟の大部屋へと誘った。圭輔は、この病棟の担当になるように告げ、その中で最も重い症状の患者は誰だと思うかを四季に問う。四季は、ふさぎ込んだ様子の少年だと思うが、圭輔の答えは違っていた。
四季、亜衣、新吾が居酒屋に集まった。問わず語りに、話題になるのは利也のこと。四季は、未だに最後に見かけた時の利也の表情を忘れられずにいる。店を出た3人は四季の家へ。その時、四季の父、鉄雄(泉谷しげる)と弟の満雄(森山未來)は、取っ組み合いの真っ最中。四季が止めに入って、友人が来たと告げるとようやく治まる。鉄雄は、新吾がお気に入りの様子。亜衣と新吾が帰って満雄が寝てしまうと、鉄雄は、あまり頑張りすぎないようにと四季に忠告する。死んだ母親の保険金で医者になったからといって、無理は禁物と言う鉄雄。そんな父親に向かって、四季は…。
小児科医としての四季は、目まぐるしい毎日を送っていた。担当の病棟では、どうしても四季に心を開かない少年もいる。うまくいかない仕事に、暗い顔で四季が帰宅しようとすると見覚えのある人物が病院にいるのを目にした。俊介だ。四季が小児科の研修医と知った俊介は、頼みがあると誘う。四季が無視しようと行きかけたとき、ちょうどそこに彼女を手こずらせている少年が看護師から逃げてきた。注射が嫌だと駄々をこねる少年だったが、四季がクイズに答えられたら受けても良いという。四季が適当に答えをやりすごして少年に注射を受けさせようとしていると、俊介が少年になにやら耳打ち。嬉しそうに「正解」と答えた少年は、俊介に、クイズの王様のしるしだといってシールを渡した。
子供と接する俊介の様子を見て、とりあえず話を聞いてみる気になった四季は、俊介とともに、とあるバーに行く。四季の警戒心が少し和らぎかけた時、業界人風の男が俊介に声をかけてきた。2人の会話から俊介が軽い男だという印象を強くした四季は、再び嫌悪感を抱いた。男が去ると、俊介は自分が撮った写真を見て欲しいとファイルケースを出し、気に入ったら撮らせて欲しいと告げるのだが、四季はファイルを開こうともせずにつき返してしまった。四季は、俊介を見ていると兄を好きだと言っていた利也が可愛そうになる、と言い残し店を出て行く…。
友川四季(菅野美穂)が出会った、亡き友人の兄、安曇俊介(藤木直人)は警戒すべき人物と思われた。しかし、俊介の子供を見る優しい眼差しや弟への後悔の念を知り、四季の心は徐々にほぐれていった。その俊介は、実は四季が勤務する病院の眼科医師、小笠原行彦(矢島健一)から非情とも言える宣告を受けていた。ベーチェット病という難病に侵されているというのだ。その病が発病した患者は、病自体が完治する時、視力を失うのだという。カメラマンの俊介にとって致命的な病。俊介は、婚約者の高泉諒子(黒谷友香)や会社の人間には何も語らず、いつにも増して仕事に熱中する。
そんなある日、出勤途中の四季は階段を上ってくる俊介と出会う。だが、俊介の様子がおかしい。行き交う人に何度もぶつかっている。よく見ると、俊介は目を閉じているのだった。あげく、ついに階段を踏み外した俊介を四季が支えた。何をしているのかと問う四季に、俊介は予習だと答える。四季は俊介の行動に疑問を抱きつつも話を続けた。以前言っていた、小児病棟での撮影の件で自分に会いに来たのだろうと四季が尋ねると、俊介はうなずく。病院事務所の許可は出ているが、小児病棟で四季を指導する医局長、降谷圭輔(時任三郎)が反対しているのだ。自分が言っても無理だと四季が断ると、俊介が軽口をたたいた。怒った四季は、席を立ってしまった。
その夜、四季の家に浅倉亜衣(伊東美咲)、折原新吾(玉木宏)がやってきて、鉄雄(泉谷しげる)、満雄(森山未來)も交えての夕食となった。食後の歓談中、亜衣は新吾が作った料理を褒め、すぐにでも独立シェフになれると持ち上げる。金持ちの中年女性のスポンサーを見つければ良いと続ける亜衣の言葉に、四季が割り込んだ。四季は、仕事のために女性と交際できるかと友人たちに問う。俊介の、仕事半分、恋愛半分で彼女と交際しているという発言に思い当たったのだ。四季と新吾はありえないと思うのだが、亜衣は別。男の人ならありえるのではないかと、亜衣は自分の経験談から答えるのだった。
その頃、俊介はバーで諒子と飲んでいた。俊介は、もし自分が仕事を続けられなくなったらどうするかと諒子に尋ねた。すると諒子は、カメラマンでなくなったら俊介ではなくなる、と答えた。俊介の妙な問いかけに、諒子が仕事で何かあったのかと尋ねるが、順調だと答える俊介。病気のことは言えなかった。だが、病魔は着実に俊介を蝕んでいた。仕事をしていても徐々に、ものが見えなくなる。そのことを誰にも言えない俊介は焦燥感を感じ始めていた。
四季は、小児病棟での仕事に、相変わらず忙殺される毎日。ついに睡魔に勝てなくなった四季に、あきれた圭輔は、帰宅するよう命じた。四季が帰ろうとすると、俊介が現れる。俊介は小児病棟の撮影を再度頼みに来たのだ。他の病院を当たって欲しいと四季が断ると、俊介は時間がないので圭輔に直接頼むと言い出す。その強引さに、四季は仕事のために子供たちを利用しようとしているのではないか、と思わずきつい言葉をぶつけてしまった…。
四季が私服に着替えて病院を出ようとすると、まだ俊介がいた。無視して通り過ぎようとする四季に、俊介は亡き弟にかつて撮った子供たちの写真を褒められ、またあんな写真を撮って欲しいと言われのだと語った。
四季と連れ立って川辺に向かいながら、俊介は、子供たちの写真に懸ける情熱を告げる。だが四季は、仕事半分で恋人と付き合っていると発言した俊介を信じ切ることができない。なぜ、そうまでして写真を撮りたいのかが分からないのだ。そんな四季の疑問に、俊介は写真を辞めたら自分ではなくなるからだと答える。その言葉を否定し、何をしていても、いなくても俊介は俊介だと言う四季。意外な答えに、俊介は小さな礼を述べた。さらに四季は、圭輔にもう一度相談してみると言い出す。そして自分もかつて、ある人と約束したから、俊介の話が分かる気がするのだと語った。
翌日、四季は写真ファイルを見せながら、俊介が小児病棟の子供たちを撮影することを許可して欲しいと懇願する。だが、圭輔は厳しく撥ね除ける。それでも四季が食い下がっていると、圭輔は写真に添えられた俊介の名前に目を留めた。ふと思い当たることがあって、四季を残して立ち去った圭輔は、眼科医の小笠原のもとに行き、俊介がベーチェット病の患者であることを知る。さらに、圭輔は鉄雄と会って…。
友川四季(菅野美穂)の骨折りにも関わらず、安曇俊介(藤木直人)は小児病棟の子供たちの撮影に姿を見せなかった。俊介は、四季との約束の時間の前に眼科を訪れ、なんとか目を治したいと小笠原行彦(矢島健一)に懇願するのだが、返ってきたのは、なすすべがないという言葉。病院から去ろうとする姿を見つけて追いかけてきた四季に、俊介は写真の撮影などには意味がない、と言い放った。いったい俊介はなぜ…。俊介の病を知らない四季は、また俊介という人間が分からなくなる。
そんな四季は、父の鉄雄(泉谷しげる)から見合いを持ちかけられる。相手は、写真を見た弟の満雄(森山未來)が岩みたいと評する無骨な男だが、公務員。鉄雄は四季の安定と幸せを望んでいるのだ。だが四季は、見合いはしないと断り仕事に出かける。
病院に着いた四季は、降谷圭輔(時任三郎)に俊介の件を謝る。小言を覚悟していた四季だが、圭輔はその人が撮る気になるまで待つしかないと意外な返事。だが四季は、俊介が自分の思っていた人間とは違う、ただの淋しい人だったと言って圭輔の元を辞す。
四季が働いていると、エレベーターから俊介が降りてきた。なぜここにいるのか? と、問いかけた四季に向かって、俊介は先日の件を素直に謝る。その言葉に、四季はふと思い当たり、俊介にどこか悪いのかと重ねて尋ねた。一瞬、言葉に詰まった俊介だが、知り合いの見舞いに来ただけだと言う。
オフィスにやってきた俊介に、社長の真壁敦生(入江雅人)がファックスを見せる。それは、大手ブランドから、広告用カメラマンとして俊介にオファーすると言う主旨のものだった。5人のカメラマンが競作するということだが、もし選ばれれば世界の一線級カメラマンに名を連ねることになる。真壁は、ここのところ様子がおかしい俊介に、来週のプレゼン用写真の撮影までは集中して欲しいと促した。
四季の小児病棟では、心臓の手術を控えた中川健太(宮田雄史)が母の美里(小松みゆき)に、もう病院に来るなと怒鳴り散らしている。四季は健太をたしなめるが、美里も息子の変化に戸惑っている。四季と同じ研修医の立原善治(竹井洋介)は、手術間近なので神経が昂ぶっているのだろうと推測する。と、その時、美里が倒れてしまった。診察室に連れて行った四季は、美里たち家族が健太の入院のために無理をしていることを知る。ふらつく体で健太の兄弟を託児所に迎えに行こうとする美里を制して、四季は代わりに行くことを申し出た。四季は、託児所から健太の妹、里奈(志田未来)と弟の大介(小瀬里久真)を中川家に連れ帰る。幼い大介は母の姿を求めて泣き始める。里奈も相当我慢している様子。病院に戻った四季は、病棟の前で話している圭輔と立原に出会った。消灯時間を過ぎても起きている子供たちがいたらしい。四季が中川家の様子を圭輔に報告すると、立原が、健太にわがままを言うなと忠告しておこうともらす。すると圭輔は、そんなことを健太に言ってはいけないと厳しく立原を叱った。
その頃、俊介は高泉諒子(黒谷友香)と彼女の父、晴臣(西岡徳馬)に会っていた。俊介のプレゼン参加を喜んでいる晴臣の様子を見た俊介は、諒子と2人きりになると、そろそろ結婚も考えた方がいいのでは、と切り出した。だが、諒子にはまだその気がない。1人で部屋に帰った俊介は、目を閉じて日常をたどろうとするが、ことごとく失敗。諒子にも頼ることが出来そうにない俊介に、言いようのない焦燥が襲い掛かる。
翌日、浅倉亜衣(伊東美咲)は折原新吾(玉木宏)と昼食。亜衣は、なぜ今頃になって娘の存在を知らないはずの三柴智彦(東根作寿英)が現れたのかに疑問を抱いている。新吾は、三柴に佳奈(松尾瑠璃)を認知させて養育費をもらえば良いと言うが、亜衣は今さら娘に父の存在を報せる事は出来ないと答える。だが亜衣は実際、金に窮していた。
俊介は、小笠原の診察室を訪れていた。治療を続けるよう説明する小笠原に、俊介は失明するなら意味がないと言い、診察に来るのは今日を最後にすると告げて小笠原の元を辞す。病院のロビーを通りかかった俊介が声をかけられて振り向くと、そこには佐藤正巳(長島弘宣)と健太の姿が。健太のふさぎこんだ様子が気になる俊介だったが、健太は俊介がカメラマンだと知ると元気を取り戻す。と、そこに四季がやって来た。健太たちを部屋に戻し、四季が健太の病状を説明していると、看護師の阿川万里(相武紗季)が駆けて来た。健太が病室から飛び出してしまったのだ。四季たちを手伝って、俊介も健太を探す。病院の中庭に健太はいた。俊介が近寄ると、健太は泣いていて…。
友川四季(菅野美穂)は、降谷圭輔(時任三郎)から、安曇俊介(藤木直人)がベーチェット病にかかっており、いずれ視力を失う運命にあるということを教えられる。担当の眼科医、小笠原行彦(矢島健一)に俊介の病状を聞きに行った四季は、セカンドオピニオンの提案をして、圭輔にたしなめられる。医者として俊介と関わるなら仕事に支障のない程度の助言を、単なる知り合いなら余計な口出しはしない方が良いかもしれない、と圭輔。気持ちの定まらない四季は、最近、病院に姿を見せなくなった俊介と連絡を取りたいのだが、躊躇してしまう。病棟の子供たちも、俊介の来院を楽しみにしているのだが…。
そんな時、友川家には浅倉亜衣(伊東美咲)が娘の佳奈(松尾瑠璃)とともに引っ越してきた。佳奈の引取りを望む三柴智彦(東根作寿英)から身を隠すための行為だったが、実は金銭的事情も含まれていた。俊介のことを語る四季に、亜衣は、他人が口出ししてもお節介と思われるだけだ、と告げる。
俊介の広告の写真プレゼンはうまく行かなかった。高泉諒子(黒谷友香)とデートに出かけた俊介は、諒子に、そんな時もあると励まされる。さらに、そろそろ結婚の準備も始めようと話す諒子に、俊介は曖昧にうなずくことしか出来なかった。と、デート中の俊介の携帯が鳴った。四季からだった。俊介からもらったカメラの使い方を聞きたいと中川健太(宮田雄史)に請われたことを告げる四季に、俊介は病院まで教えに行くと答える。
夕方、病院に諒子を伴った俊介が現れた。俊介は、四季と諒子を互いに紹介する。そして、俊介は健太にカメラの使い方を教えるのだが、時々おかしな仕草を見せる。病気のためでは…と、心配する四季だが、どうやら諒子は気づいていないらしい。健太への説明を終えた俊介は、四季と2人きりになると、諒子という女性の魅力を語り始めた。結婚するのか? と、問う四季に、俊介はわからないと答える。俊介は諒子に隠していることがあると言うのだ。病気のことだ…と、悟る四季は、俊介に向かって、隠し事はいけない、きっと諒子もわかってくれる、と明るく励ますことしか出来なかった。
その夜、家に帰った四季は、俊介と諒子の様子を亜衣に報告。亜衣は、四季が俊介に恋愛感情を抱き始めていたのではないかと言うのだが、四季は否定する。その頃、俊介はある決意のもとに諒子と会っていた。ついに自分の目が見えなくなることを告げた俊介に諒子は返す言葉を失う。マンションに戻って、詳しく病状を説明する俊介。自分たちの今後を落ち着いて考えたいと帰ろうとする諒子の目には涙があふれていた。去り際に諒子に抱きしめられた俊介は、悪い予感を覚える。
四季が寝ようとすると携帯が鳴った。俊介からだ。誰かと話がしたくなったと言う俊介と、四季はとりとめのない会話を続ける。四季が、長くなった電話を切ろうとすると俊介は少し淋しげな様子を見せる。そんな俊介の気持ちを思いやった四季は、次の日曜日に諒子と一緒に家に来ないかと俊介を誘った。自分ひとりでも良いだろうかと返事をする俊介に、四季は諒子と喧嘩でもしたのかと尋ねる。すると俊介は、隠し事を諒子に話したのだと告げ、諒子は分かってくれたと続ける俊介の言葉に、四季は安心するが…。
日曜日、約束どおり俊介は友川家にやって来た。娘が男を連れてきたと慌てる鉄雄(泉谷しげる)だが、俊介が利也(岡田義徳)の兄だと知って一安心。亜衣や折原新吾(玉木宏)も交え、つれづれに利也の思い出を語る鉄雄は、俊介の母親、良枝(八千草薫)に思いを馳せる。俊介も母親に心配をかけさせないよう体に気をつけなくてはいけないと言いだす鉄雄を四季が遮る。そこに、満雄(森山未來)が飛び込んできた。三柴が来たのだ。四季たちが佳奈を2階に連れて行くと、亜衣は三柴と対峙する。佳奈を渡すことを拒み続ける亜衣。すると三柴は、こんな環境で亜衣のもとにいては佳奈が幸せになれないと言い放った。それを隣室で聞いていた鉄雄が怒鳴り込んだ。環境や財力で子供は守れないと怒る鉄雄は、三柴を追い返してしまう。そんな鉄雄の優しさに涙ぐむ亜衣。そんな様子を見ていた俊介は、友川家に集う人々の気持ちに触れ、四季に感謝の言葉をかけて帰って行った。
次の日、四季が仕事をしていると諒子に会う。諒子は俊介の病状を聞きに来たのだが、眼科では教えてくれなかったと四季に投げかける。そして、俊介にもらった指輪が自分にはもう似合わなくなったと言う諒子に四季は…。
「好きなのかもしれません」。…思い切って自分の気持ちを口にした友川四季(菅野美穂)。だが、安曇俊介(藤木直人)から返ってきた言葉は「そんなこと言われても、迷惑なだけだ」。傷心の四季。だが、家に帰ると浅倉亜衣(伊東美咲)、折原新吾(玉木宏)、鉄雄(泉谷しげる)、満雄(森山未來)と明るく夕食をとる。亜衣と2人きりになると、俊介との出来事を語る四季。すると亜衣は、四季がふられて良かったと言う。同情と恋愛は別。人生には、好きという気持ちだけでは乗り越えられないものもある、と亜衣。
翌朝、四季は降谷圭輔(時任三郎)から、ベーチェット病の症状について聞かされる。目よりも先に心を失うこともあると語る圭輔は、俊介には誰かの助けが必要なのかもしれないと言う。それを聞いた四季は、俊介にとっての“誰か”は自分ではなかったと答えた。その時、四季は病院の中庭で入院中の定井翔子(菅野莉央)が何かをしているのを目撃する。
ちょうどその頃、目を覚ました俊介は、母の良枝(八千草薫)に電話し、次の月曜日に帰ると告げた。すぐに東京に戻るのかと尋ねた良枝に、今回はゆっくりするつもりだと語った俊介の部屋は、荷物がまとめられようとしていた。
四季は、翔子がいた花壇に彼女の名前が書かれた板切れを見つける。土に刺さった板切れに驚き、板の下を掘るとトーシューズが出てきた。直後、背後から翔子が声をかける。「私のお墓にさわらないで!」と。四季と圭輔は、翔子の様子を両親に話す。父親の正和(大石継太)は見当もつかないが、母親の恵美(谷川清美)はあることに気づく。翔子は、一生懸命練習してやっとできるようになったバレエのピルエットターンが、入院しているうちに出来なくなってしまったことを悲しんでいるのだろうと。翔子の病は骨肉腫だった。圭輔の診察にも、翔子は、こんな足はいらないから切ってしまっていい、と投げやりだ。
ついに真壁敦生(入江雅人)や西谷陽平(はなわ)にも病気を告白した俊介。突然のことに、事実を受け止めかねている2人を後に、俊介は病院へ向かった。病院に着いた俊介は、眼科医の小笠原行彦(矢島健一)のもとを訪ねたが、すぐに去って行く。様子を見ていた圭輔が小笠原に尋ねると、俊介は治療続行を希望しに来たのではなく、ただ礼を言いに来たらしい。そして、俊介は四季のもとへ。治療を再開しに来たのかと喜ぶ四季に、俊介は、治療をしに来たのではなく四季に礼を言いにきたのだと告げる。それでも、治療の成果を期待した方が良いと説得する四季に、俊介は、治っても見えなくては意味がないと答えた。四季は、俊介と同じことを言う患者がいる、と言って、俊介を翔子のもとに案内する。中庭では、翔子がバレエのターンに何度もチャレンジするが上手くできないでいた。四季から翔子の病気のことを聞いた俊介は、翔子に近づく。一緒に行こうとする四季を圭輔が制した。俊介は翔子の許可を得て、彼女が作った墓の隣に自分の墓を作る。そして、翔子に聞く。墓を作ったらバレエを諦められたか? と。しかし、翔子の気持ちは“踊りたい”だった。すると、俊介はきっと新しくて楽しいこと、新しい自分が見つかると励ます。自分もそれが見つかった、と。そこに、四季と圭輔が来た。圭輔は、みんなと新しい自分に踊りを見せてあげよう、と翔子に声をかけ、その踊る様子を写真にとってほしいと俊介に頼んだ。翔子は、笑顔に戻ってトーシューズを墓から掘り返す。俊介を送りながら四季は、さっき翔子に何を話したのかと尋ねた。すると俊介は、嘘をついた、と一言告げて帰って行った。
家に帰った四季は、食事を終えて亜衣、新吾と団欒。四季は俊介が婚約を解消されたらしいと報告。それを聞いた亜衣は、つい、四季もふられて正解だったと言ってしまい、その言葉に思わず新吾が反応する。新吾は、四季が俊介に思いを寄せていたことを初めて知ったのだ。もういいじゃないかと取り繕う亜衣だが、新吾は納得できていない様子。
翔子の撮影日。小児病棟は、ちょっとした発表会の雰囲気。見守る子供たちの前で、翔子はターンを決め、俊介がその模様を写真に収めた。終了の拍手の中、そっと病室を出る俊介に圭輔が気づき、声をかけた。すると俊介は、自分の目は治らないのにどうして病院に来いというのか、と尋ねた。もうあきらめた、と続ける俊介に圭輔は答える術を見つけられないが、逆に、こう問いかけた。俊介が本当に恐れているのは、失明することではないのではないかと。そこに、四季が来た。翔子に思い出をプレゼントしてくれたと礼を述べる四季。と、俊介が自分との思い出作りに海に行かないかと言い出す。四季が困惑していると、過日の事を持ち出す俊介。四季は、忘れてください、と俊介に告げ…
友川四季(菅野美穂)は、父の鉄雄(泉谷しげる)と弟の満雄(森山未來)には出張と偽り、長崎に帰った安曇俊介(藤木直人)を追いかけた。安曇家に着いた四季は、今にも枯れそうな庭の花に水をやっている、俊介の母、良枝(八千草薫)に会う。良枝は、四季が俊介の亡き弟、利也(岡田義徳)に会いに来てくれたのだと思って居間の仏壇に案内した。焼香を終えた四季は、改めて良枝に、実は俊介に会いに来たのだと告げる。
四季が海岸に出かけると俊介が佇んでいた。四季の出現に戸惑う俊介。そんな俊介に、四季は、まだ病気のことを良枝に話していないのかと尋ねる。俊介は、自分の病気を良枝がなんとなく察しているような気もするが、弟を亡くして間もないうちに新たな不幸を突きつけることを逡巡している、と答えた。安曇家に戻っての食事中、良枝は四季をグラバー園に案内するようにと俊介に勧める。また、市内のホテルに泊まると言う四季に、良枝はこの家に泊まればいいと誘った。若い2人にさりげない態度で接する良枝だが、内心は俊介を心配していた。
四季は、俊介の案内でグラバー園へ。俊介は四季が家に来たことで、良枝に期待させすぎたかもと軽口をたたく。嫁に来てくれたら…と思わせたのではないかと言うのだ。実際は、四季が、失明する自分を心配してきた医者だなどとは思ってもいないだろうと言う俊介に、四季は返す言葉がない。そんな2人が土産物屋を見ていると、店員に声をかけられた。俊介の知り合いらしいその店員は、彼が連れている四季を見て、ガラス細工の天使を薦める。持っていると恋人たちの願いが叶うと言うのだが、四季は恋人なんかいないと断った。別の土産を見繕った俊介は、四季が天使の置物を見つめているのに気づいた。
俊介は、利也とよく釣りに来たという埠頭に四季を誘うが、その時、俊介の目に違和感が。心配する四季に俊介は、見えなくなることが怖い、と告げた。まだやりたいことがあると本心を吐露する俊介に、時間は残されていると励ます四季。だが、俊介はあと2か月ほどで何ができるのかと四季の言葉を打ち消した。
その夜、四季は安曇家から携帯電話で降谷圭輔(時任三郎)に連絡。自分にできることは何もないかもしれないと言う四季に、圭輔は諦めて帰るかと尋ねる。いいえ、と答えた四季に圭輔は、何もしないことと何も出来ないことは違うと話し、勇気付けた。圭輔への電話の後、家にも連絡をいれた四季が居間に戻ると、良枝が布団を敷いてくれていた。礼を述べた四季は、良枝と次の日利也の墓参りに行く約束をする。部屋を出ようとする良枝は、利也も俊介も自分に何も話してくれないとつぶやく。2人とも優しいからだと四季。すると良枝は、四季も優しいと告げて、何を思ったかバスケットボールのテレビを一緒に見ないかと誘った。その誘いを断った四季が、洗面所に行くと俊介がいた。就寝の挨拶をする四季に、俊介は病気のことを明日、良枝に話そうと思うと告げる。
翌日、四季は俊介、良枝とともに利也の墓参り。と、良枝が利也の墓前で昨夜のバスケットボールの試合結果を報告し始めた。驚く俊介に、良枝は利也を健康に産めなかった罪滅ぼしだと言う。利也の病気は良枝のせいではないとかばう俊介。その俊介に向かって、良枝が突然、どこかが悪いのか、と聞いてきた。教会に入った俊介は、四季を外に残して良枝に自分の病気を告白。呆然とする良枝だが、自分の下に帰ってきてくれたことに礼を言う。
その頃、東京では浅倉亜衣(伊東美咲)と折原新吾(玉木宏)が話していた。四季を心配する新吾に少し腹を立てる亜衣。亜衣の気持ちが分からない新吾。すると、亜衣はさらっと新吾が好きだからだと言ってのける。だが、新吾は亜衣の言葉が素直に飲み込めない。また新吾は、四季が俊介と結婚すると言い出したらどうするかとの亜衣の問いに、幸せになれないから反対だと答えた。一方、友川家には圭輔が訪れていた。四季に何かあったのでは、と心配する鉄雄を安心させる圭輔。だが鉄雄は、妻を守れなかった分、四季には幸せをつかんで欲しいのだと圭輔に語る。圭輔は、四季を見守って欲しいと鉄雄に頼んだ。
安曇家に戻ると、良枝は俊介の病気を治せないかと必死に四季に聞く。四季に首をふられて落ち込む良枝は、枯れそうな花に水をやろうとして倒れてしまう。良枝の手当てをする四季は鉄雄に電話。長崎にもう一泊すると言う四季に、鉄雄はすぐに帰れと怒るが電話は切れてしまった。動揺する鉄雄に、満雄は四季が男と長崎にいるのではと茶々を入れる。満雄を本気で怒鳴った鉄雄は、亜衣に何か知っているかと尋ねる。亜衣は、四季は何も悪いことはしていないと答えた。
安曇家にもう一泊することにした四季は、俊介と夕食をとる。食後、良枝の部屋を訪ねた四季は、一緒に寝て欲しいと良枝に頼まれる。四季が隣に布団を敷いて寝ようとすると、良枝は安曇家の不幸を語りだした。夫、利也、そして俊介…。息子たちを見守ってもらおうと良枝が庭に植えた樹木まで次々に枯れてしまうと。自分だけ、なぜ…。良枝の嘆きに四季は黙考する。
翌朝、良枝が起きると四季の姿がない。続いて起きた俊介に、良枝は自分たちが迷惑ばかりかけるから四季が帰ってしまったと語る。しばらくして、良枝が庭で枯れた花を見つめていると…
その頃、友川家ではいつものように朝食を終える。鉄雄が開店準備をしている時、四季からの電話が入る。新吾が出て、鉄雄に心配かけないようにと話しているところに満雄が忘れ物を取りに戻ってきた。満雄は、新吾が電話で話す様子から、四季の長崎行きの本当の目的を知ってしまった。
友川四季(菅野美穂)は、安曇俊介(藤木直人)から東京に戻るという約束を取り付けて長崎から帰って来た。しかも、四季は俊介に自分の傍にいて力を貸して欲しいとまで言われ、空港での別れ際に抱きしめられて…。家に帰った四季は、俊介との様子を浅倉亜衣(伊東美咲)に話してからかわれる。だが四季は、俊介が東京に戻ってきてくれただけで充分だった。心配なのは父の鉄雄(泉谷しげる)。四季が長崎行きを出張だと偽ったことを怒っている。弟の満雄(森山未來)も四季に対する態度がおかしい。満雄は、折原新吾(玉木宏)と四季の電話から、俊介が失明してしまうことを知り、姉を心配していた。
俊介は、四季の病院を訪ねて降谷圭輔(時任三郎)に礼を述べる。圭輔は、俊介に自分が知っている、ベーチェット病の眼科治療に強い病院への同行を薦める。俊介が了承すると、圭輔は居合わせた四季にも一緒に行くようにと促した。連れ立って小児病棟を訪れた3人は、子供たちの歓迎を受ける。彼らは俊介が来てくれるのを待ち望んでいたのだ。その様子を見つめる四季に、圭輔が、俊介のことをいつまでも鉄雄に隠しておくわけにはいかない、と釘を刺した。
その夜、俊介は真壁敦生(入江雅人)に電話。出来る限り仕事を続けたいと言う俊介に、真壁は応じる。一方、四季が家に帰ると折原も来ていた。鉄雄同様、四季に対する新吾の機嫌も悪い。亜衣のとりなしで、とりあえず食事となるが満雄がいなかった。
満雄は、俊介のマンションを訪ねていた。俊介と会った満雄は、鉄雄に知られる前に四季と別れて欲しいと俊介に頼む。とりあえず、満雄を部屋に招き入れた俊介に、満雄は四季と鉄雄の父娘関係を語り始めた。喧嘩ばかりだが、四季は鉄雄が大好きなのだと。それでも鉄雄は、四季と俊介のことを知ったら反対するに違いない。そうなれば、一番悲しむのは四季だと言うのだ。俊介は、満雄の家族を思う気持ちに言葉を返そうとする。しかし、満雄はすぐにマンションを辞してしまった。
四季と俊介は、圭輔が薦める病院に向かう。そこで、俊介は視力を失った患者、国光武郎(モロ師岡)と出会う。国光は、視力を失って困ったことはひとつしかなく、要は人を信じられるかどうかだと俊介に語る。診察後、圭輔は、やはり同じく国光から、視力を無くすことは、失うことばかりではなく人生を見つめ直すひとつのチャンスだったと言われたことを話す。圭輔は、俊介には別の国…新しい世界が広がっていると考えて欲しい、と。そして、圭輔は改めて自分の病院の子供たちを撮影して欲しいと俊介に頼む。
帰り道、俊介は圭輔の言う新しい世界を試したいと四季に言い出した。東京まで目を閉じて帰ろうと言うのだ。応じた四季は、俊介の手を取り周囲を説明しながら都内へと帰る。公園で目を開けた俊介は、本当にやっていけるのかと不安そう。その様子を見守りながら、俊介のために出来ることを発見したと語る四季。それは、俊介の手を握ること…。そんな四季に、俊介は満雄がマンションに訪ねてきたことを話す。
そんなある日、買出し中の新吾は、目を押さえて立ちつくす俊介に出くわす。一度は声をかけずに通り過ぎようとした新吾だが、困っている様子の俊介に、戻ってきて手を差し伸べた。少し落ち着いてきた様子の俊介に、新吾は、四季のことが好きなのかと尋ねる。うなずく俊介だが、将来のことを問われると、分からないと答えるしかない。すると新吾は、将来のことも分からない人が他人を幸せに出来るのか、と疑問を投げかけ、四季とのことは応援できないと言い切って去って行く。その夜の友川家。鉄雄が出かけると、四季は満雄に俊介のもとに行ったのか、と切り出す。満雄は、言葉を遮ると四季が幸せにならなければ亡き母が報われないと言う。その頃、鉄雄は圭輔と飲んでいた。圭輔は、四季と一緒になって鉄雄に嘘をついたことを詫びる。と、鉄雄は四季の相手、俊介のことを尋ねた。鉄雄は、妻が死んで以来涙を流したことはないが“その時”が来たら…と、圭輔に語った。
翌日、病棟に子供たちの撮影に来た俊介は、四季に子供たちの写真集を作りたいと話す。そして、俊介は鉄雄に会って全てを話したいと言い出した。家に帰った四季は、鉄雄に明晩、俊介に会って欲しいと頼む。動揺する鉄雄。だが、了承した。
そして、ついに俊介が友川家に正式に挨拶に来た。鉄雄は緊張の極致にいたが、俊介が釣りをするという話につられて、ようやくほぐれてくる。話が進むうち、亜衣や満雄はさりげなく席を立った。残ったのは3人。鉄雄と四季、そして俊介。鉄雄は亡き妻との出来事を語り、四季が信じた人なら自分も信じると俊介を見やる。そして、ともかく飲もう、酒を勧めようとする鉄雄を俊介が遮った。俊介は、自分の病気のことを話そうとするのだが…。
安曇俊介(藤木直人)は、友川四季(菅野美穂)の父、鉄雄(泉谷しげる)に自分の病気の全てを伝え損なってしまった。しかし、鉄雄は書店で医学書を立ち読みし、俊介が口にした病名を手がかりに、ベーチェット病について調べる。
浅倉亜衣(伊東美咲)の娘、佳奈(松尾瑠璃)が、四季の勤める病院に入院した。佳奈は、ふと耳にした四季と亜衣の会話から、俊介が視力を失う運命にあることを知る。その頃、鉄雄も病院に来ていた。降谷圭輔(時任三郎)に、ベーチェット病について詳しい話を聞くためだった。俊介の目を心配する鉄雄だが、圭輔は答えることができない。答える代わりに圭輔は、病棟に子供たちの写真を撮りに来ている俊介の仕事ぶりを見て欲しい、と病棟に案内する。
病棟で、俊介が子供たちの写真を撮っていると、鉄雄が現れた。佳奈の見舞いに訪ねたふうを装いながらも、俊介が気になる様子の鉄雄は、俊介を飲みに誘う。
飲み屋で鉄雄は、俊介が巡ってきた世界中の話を聞く。だが、鉄雄が飲みに誘った真意を感づいていた俊介は、自分から、もうすぐ視力を失うかもしれないと語り出す。そして、絶望していた自分を励ましてくれたのが四季であること、彼女のためにも“その時”が来るまで頑張りたい、と語った俊介は、これまで鉄雄に話せずにいたことを詫びた。さらに四季を誰よりも大切に思っていると言う俊介だったが、鉄雄は、配達があると言って店を出てしまった。鉄雄が店を出ると、そこには圭輔が佇んでいた。圭輔に怒りをぶつける鉄雄。圭輔は、四季は真剣だと諫めるのだが、鉄雄は、だからこそ自分が止めなくてはいけないと言い残して、去って行った。
父の日でもある日曜日の友川家の昼食に、折原新吾(玉木宏)が来ていた。しかし鉄雄は留守。満雄(森山未來)は、鉄雄が何か企んでいるのでは、と睨む。と、そこに鉄雄が山ほどの食材を抱えて帰ってきた。四季は鉄雄に父の日のプレゼントを渡そうとするが、鉄雄は受け取ろうとせずに押し入れから古びたノートを取り出し、料理を作ると言い出した。ノートは、鉄雄の亡き妻が生前に残した、料理のレシピを記したものだった。鉄雄は、四季と満雄に有無を言わせず手伝いを要求。3人でたくさんの料理を完成させるが、味はどれもいまいち。がっかりした様子の鉄雄は、四季と満雄に母親がいなくて淋しい思いをさせたと詫びた。さらに鉄雄は、四季に、俊介から結婚を申し込まれたらどうするのかと尋ねる。結婚する、とキッパリ答える四季に、鉄雄は即座に反対。とりなそうとする満雄。しかし、鉄雄は反対の一点張りで譲ろうとしない。そんなことになったら、亡き妻に顔向けできない…と。それでも鉄雄に父の日のプレゼントを渡そうとする四季だったが、鉄雄は受け取らずに出て行ってしまった。
そんな時、四季の病棟には悲しい異変が起きていた。いつも元気に振る舞っている川根史也(桑原成吾)に残された時間が極めて少なくなってきたことが判明したのだ。四季は圭輔から、持ってひと月、と伝えられるが、史也の担当は外されてしまう。圭輔は、四季が病院での仕事以外に、俊介のフォローもしなくてはならないことを気遣っていた。四季が病棟に戻ると、子供たちがなにやら相談している。四季が尋ねても子供たちは何も話してくれない。病院からの帰り道、俊介は仕事が回ってきたと四季に報告した。
四季と別れた俊介が、仕事の打ち合わせのために事務所へ行くと高泉諒子(黒谷友香)が来ていた。カフェに場所を移すと、諒子は俊介に、結婚の報告に来た、と告げた。それも、俊介との…。別れてしまったことを後悔していると言う諒子に、俊介は好きな子がいると答える。だが、諒子は父の財力をバックに、俊介を支えられるのは自分だけだと説得しようとする。諒子を残して事務所に戻った俊介は、ようやく回ってきた仕事も、実は諒子の父親が手を回したものだったことを知る。
四季と鉄雄の関係は、まだぎこちない。さらに、病院でも史也の担当を外されたことで子供たちとの間に距離ができてしまった、と淋しさを感じる四季。だがある日、そんな四季を患者の1人、早田秋穂(山田夏海)がレクリエーション室へと誘った。四季が部屋に入ると、勢ぞろいした病棟の子供たちが合唱を始める。自らも病に苦しむ史也が、俊介のために、みんなで合唱をプレゼントしようと発案したのだ。史也は、四季にオルガンで伴奏して欲しいと頼む。その様子を見ていた圭輔は、自分が研修医の頃に起きた、ある出来事を四季に告白する。
友川四季(菅野美穂)の小児科研修も終わりが近づいた。四季は、事務局からどの科の医者になるかを決める選択研修の希望書の提出を求められたが、四季の気持ちはまだ揺れていた。娘の佳奈(松尾瑠璃)の検査のために病院を訪ねた浅倉亜衣(伊東美咲)は、小児科医になるなら安曇俊介(藤木直人)のサポートが出来なくなるのではと指摘する。一方、四季の患者の子供たちは、四季が病棟を離れてしまうことを心配していた。
そんな時、四季は病院の廊下で俊介の母、良枝(八千草薫)の姿を見つける。呼びかける四季に、振り向いた良枝の表情は淋しげだった。良枝は東京に着いたその足で俊介が通う眼科を訪れ、医師から俊介の病状を聞いた。浮かぬ顔をしているのはそのせいだった。それでも、努めて明るい顔で、四季の白衣姿を褒める良枝は、四季に向かって無理をしないで欲しい、と言う。俊介のことで、四季が我慢することはない、と。四季は良枝の言葉には答えず、小児科医になりたい気持ちを告げる。そんな四季に、良枝は俊介を長崎に連れて帰ろうと思うと語った。
その頃、俊介のマンションには高泉諒子(黒谷友香)がいた。訪ねて来た諒子の前で、俊介は視力を失っていた。と、インターフォンが鳴る。玄関にいたのは諒子の父、晴臣(西岡徳馬)。部屋に入った晴臣は、諒子の気持ちが本物であることを話し、自分も俊介を家族として迎え入れたいと告げる。たとえ俊介に仕事がなくても、金銭面の面倒まで見ると言う晴臣。だが、俊介は気持ちだけ頂くと言って、申し出を断った。
その夜、夕食を囲む友川家では、四季が鉄雄(泉谷しげる)に何かと気を使う。四季は、先日、鉄雄が倒れたこと、そして自分と俊介のことで心配させていることを申し分けなく思っていた。満雄(森山未來)から、四季と俊介が別れることになったら親父のせいだ、と言われた鉄雄は、飲みに行くと言って出て行ってしまう。そんな中、四季は、亜衣と新吾(玉木宏)に選択研修の件を相談。すると新吾は、自分にしか出来ない仕事を選んだと言い、四季にはそんな人生の選択が求められているのだと話す。
一方、良枝は俊介のマンションを訪れていた。突然の上京に驚く俊介に向かって良枝は、病院で医師から聞いたことを言いかけて、思い直したように四季のことに話を変えた。良枝は、俊介が自分たち家族を頼りにしても良いが、四季には面倒をかけてはいけないと言う。その時、電話が鳴った。俊介の長崎に住む叔母からだった。叔母は、良枝がいかに俊介のことを心配しているかを説き、長崎に帰れないのかと俊介に問うた。
家を出た鉄雄は、飲みに行くと言いながら、実は四季の病院に降谷圭輔(時任三郎)を訪ねていた。圭輔は、鉄雄を四季が担当する小児病棟に案内。圭輔は、四季が入院している子供たちを不幸だと捉えるのではなく、ひとりひとりの人間として接しており、その接し方は、俊介に対しても同じではないかと鉄雄に語った。さらに、四季が俊介を思う時は、一番に来るのが病気のことではなく、何か別の何でもないことではないかと続けた。さらに圭輔は、そんな四季を尊敬しているとも…。
翌日、四季の病院に諒子が来た。諒子は、四季にこれまで俊介の面倒を見てくれた礼を言い、これからは自分が支えていくと宣言。さらに諒子は、俊介は四季に気を使っているようだが、どちらの道を選べば幸せになれるかは分かっているみたいだと言う。どんな嫌な女になっても俊介のためには何でもすると語る諒子に、四季は返す言葉が出なかった。
四季が病棟に戻ると、子供たちの撮影をしている俊介がいた。俊介は、見せたいものがあると言って、就業後の四季を、とある倉庫へと誘った。倉庫の四方の壁には、俊介が撮影した小児病棟の子供たちの写真が飾られている。入院しながらも活き活きとした表情を見せている子供たちの姿に四季が感動していると、俊介はもう少しで形になるのでアルバムを作ると言う。病院の近くで写真展も開きたいと続ける俊介に、四季は長崎での写真展も薦める。帰り道、俊介は最近、最後に見たいものは何かを考えていると四季に話す。四季は、自分も俊介に何を見せてあげたいかを考えてみると答えた。
その頃、良枝が1人で俊介のマンションにいると、鉄雄がやって来た。初対面でぎこちない鉄雄に、良枝は俊介が迷惑をかけたと詫びる。さらに、良枝は俊介を長崎に連れて帰り、四季にも会うことのないように説得すると鉄雄に話した。すると鉄雄は、逆に良枝に頭を下げる。結婚には反対したが、もし、四季が俊介を放り出したら殴っていたと。そこに、四季と俊介が帰って来た。四季とマンションを辞そうとする鉄雄は、俊介に握手を求めて帰った。ふたりを見送る良枝は、あの人たちを悲しませてはいけないと俊介に語りかけた。
帰り道、鉄雄は焼き芋を食べながら、俊介とのことをどうするかは、四季自身が既に決めているだろう、と尋ねた。すると四季は、鉄雄の思うような幸せはつかめないかもしれないが、嘘をつかずに生きていきたいと語る。それはたとえ医者を辞めることになってもなのか…という鉄雄の問いにも頷く四季。すると、鉄雄は…。
友川四季(菅野美穂)は、安曇俊介(藤木直人)から別れを告げられてしまう。俊介は、高泉諒子(黒谷友香)と結婚するというのだ。父の鉄雄(泉谷しげる)や弟の満雄(森山未來)、浅倉亜衣(伊東美咲)に折原新吾(玉木宏)と友川家に集う面々が、四季と俊介を応援しようとまとまった矢先だった。
良枝(八千草薫)から、俊介の結婚を聞かされた鉄雄は釈然としない。容態が悪化した川根史也(桑原成吾)を病院に泊まり込みで診ることになった四季が、着替えを取りに帰ると、鉄雄は四季に真実を問うた。だが、四季は俊介の結婚を肯定。穏やかに話していた鉄雄だが、この答えに思わず怒鳴ってしまう。四季が自室に行くと亜衣が来た。四季と鉄雄の話を聞いてしまった亜衣も、四季の態度に異を唱える。しかし、俊介のことを諦めてはいけないと言う亜衣に向かって、四季は、自分が俊介の重荷になっていたかもしれないと、語った。
史也は、重症個室に移されていた。息子の余命が少ないことを受け入れた両親は、降谷圭輔(時任三郎)と四季に、祖父が住む田舎に連れて行くと申し出る。史也に、そこで最後の時間を過ごさせたいと申し出る両親に、圭輔も静かに同意した。四季が史也の病室にいると、吉江彩菜(夏帆)から漫画の差し入れ。四季が漫画を渡すと、史也は内緒にすることを条件に、彩菜に恋していると告げた。告白はしていないと続ける史也に、何故かと問う四季。だが、史也はハッキリと答えず、逆に四季に、俊介への気持ちを尋ねた。
圭輔から、最近俊介が病院に来なくなったことを問われた四季は、正直に俊介の結婚話を圭輔に伝える。すると圭輔は、四季から預かった休職願は自分が持っているので、今なら取り下げることも可能だと言う。四季は、決断にもう少し猶予が欲しいと願い出た。
一方、俊介は諒子のウエディングドレス選びに付き合っていた。すると、俊介の携帯電話が鳴る。亜衣からだ。四季の考えに納得出来ない亜衣は、新吾に同行してもらい、俊介に会おうというのだ。呼び出しに応じた俊介は、諒子と別れて待ち合わせ場所へ。待っていた亜衣と新吾の表情は険しい。亜衣は、俊介が他の人と結婚するというのは四季の勝手な思い込みだろうと切り出した。だが、俊介は結婚する相手は四季ではないと答える。と、新吾は四季の思いを訴えながら俊介に詰め寄った。俊介は言葉を返せず、真剣な表情の新吾を見つめるだけ。そんな俊介に、思わず殴りかかろうとする新吾だが、病に気づき踏みとどまる。殴ってくれと訴える俊介に、踵を返す新吾。亜衣は、自分が一番悔しいのは、四季が俊介のすることを許してしまうだろうということだと俊介に告げた。その言葉にも返す言葉を持たない俊介は、何も言わずに去って行った。
その夜、亜衣と新吾は俊介との出来事を四季に話す。二人が、俊介を見損なったと言うと、満雄が話に参加して来て亜衣と新吾の意見に同意。しかし、鉄雄は…。鉄雄は、相手を信じたら何を言われようと最後まで信じぬくことが大事だと、四季の気持ちを問いただす。黙って聞いていた四季だったが、鉄雄の言葉に、俊介へ電話する決心をした。
四季は自室から、もう一度だけ会って欲しいと俊介に電話。俊介は、自宅で電話を受けて出て行こうとする。良枝は止めようとするが、俊介は会うだけだと言う。当の良枝は、四季に手紙を書こうとしていたが、結局、書けないでいた。俊介がふと見ると、手紙には『あなたのことを本当の娘のように思っていました』の文があった。一方、四季は俊介と会いに行くのだろうと察した鉄雄から、お守りを渡されていた。
四季は、俊介との待ち合わせ場所に着く。だが、俊介はなかなか現れない。実は、自宅マンションを出た俊介は、偶然、諒子と会ってしまった。そして、俊介は諒子の気持ちには添えないと告げていたのだ。良枝と一緒に長崎に帰ると言う俊介に、四季と付き合うつもりだろうと食い下がる諒子。四季を好きなのだろうと諒子に問い詰められるが、俊介は好きになってはいけないのだ、と自分に言い聞かせるように答えていた。
約束の時間はとっくに過ぎてしまった。諦めて帰ろうとする四季は、俊介の携帯に電話。その時、走って待ち合わせ場所に着こうとしていた俊介の携帯が鳴る。俊介の居場所からは、電話する四季が見えた。しかし…好きになってはいけない…先ほど諒子に言った言葉が、俊介を立ち止まらせる。携帯にも出られない俊介。四季は、留守電にメッセージを入れると、寂しそうに去って行った。会わずに四季を見送った俊介は、留守電を確認。と、入院患者の子供たちが俊介に見てもらいたいものがあるので、病院に来て欲しいとの四季のメッセージが吹き込まれていた。
俊介は四季のメッセージ通りに病院へ行く。俊介と会った四季は、どこかよそよそしく事務的だった。そんな中、俊介は、史也がいないことに気づく。四季が子供たちを連れて、先にレクリエーション室へと向かうと、圭輔が史也のいない理由を話す。史也が俊介に会いたがっていたこと、そして子供たちが俊介の病気を知っていたこと。さらに、圭輔は、史也の提案で、子供たちがみんなで俊介を励ましたいと考えたことを告げる。子供たちからのエールを受け取って欲しい、と俊介をレクリエーション室へ誘う圭輔。そこには子供たちが整列し、四季がオルガンの前に座っている。病気と闘う子供たちは、俊介のために合唱を始めた。その姿、歌声に俊介の目は潤んでいく。合唱が終わると、俊介は話がしたいと四季を誘った。先日の待ち合わせを謝ろうとする俊介を、四季はもう大丈夫だとさえぎる。そして、四季は今でも俊介が好きで、それは俊介がどこにいても、何をしていても変わらないと語る。何のためらいもなく、感情を押し殺したように自然に言ってのける四季。俊介は、自分の本当の思いを伝えきれずに…。
数日後、俊介と良枝が長崎に帰る日が来た。二人が荷物の確認などをしていると、インターフォンが鳴る。現れたのは、鉄雄で…。
好きだから別れる…。相手の幸せのため…。友川四季(菅野美穂)と安曇俊介(藤木直人)は、そんな別れ方をした。四季は、俊介が高泉諒子(黒谷友香)と結婚すると思っていた。しかし、それは俊介の嘘。俊介は、母の良枝(八千草薫)と長崎に帰っていた。
そうとは知らない四季は、病院での勤務中に倒れてしまう。すぐさま河村医師(円城寺あや)の治療を受けた四季は、子供を宿していることが判明。付き添っていた四季の指導医、降谷圭輔(時任三郎)の顔が曇る。俊介には副作用のある薬が投与されていたため、無事に子供が産まれたとしても健康かどうかが分からないというのだ。圭輔は、駆けつけた鉄雄(泉谷しげる)と満雄(森山未來)に、そのことを説明する。鉄雄は、2人の命を助けて欲しいと懇願するのだが…。
母体は持ち直したものの、子供は残念な結果となった。目を覚まして事実を知った四季は、俊介と自分の家族全員で写真を撮った夢を見たと鉄雄に語る。夢では四季は子供を抱いていて、俊介の目は治り、全員が幸せそうな顔をしていた、と。そして、四季は鉄雄に、自分の身に起きたことを俊介には伝えないで欲しいと頼んだ。その頃、長崎では良枝が俊介の心配をしていた。四季と別れて帰ってきてから、俊介はまた投げやりな感じになっていた。
数週間後、退院した四季は仕事に復帰。以前のように元気に振る舞う四季だが、浅倉亜衣(伊東美咲)と折原新吾(玉木宏)は、かえって心配。鉄雄も、亡き妻の遺影に四季を守って欲しいと頼むのだった。また、休職願を取り下げ、小児科に残りたいと申し出てきた四季を圭輔も心配する。その夜、心配ばかりかけて、と鉄雄に謝る四季。すると鉄雄は、心配はしていないが思い切り我慢していると告げる。鉄雄は四季の望む通り、俊介に連絡していなかった。だが四季は、自分のことで心配をかけることが俊介の負担になる、と心を押さえつけている。そのことが、我慢できないというのだ。そんな鉄雄に、四季は俊介との約束を守れなかったことを鉄雄に話す。俊介が最後に見たいもの、四季が最後に見せたいものをずっと考えたが答えが出なかったと言う。
その翌日、四季の病院に諒子がやって来た。以前、ひどいことを言ってしまったと詫びる諒子に、四季は祝いの言葉をかける。俊介と結婚したと思っている四季の言葉に、諒子は驚く。訂正せずに立ち去ろうとする諒子だが…思い直して四季に真実を告げる。結婚は俊介が四季についたウソだと言う事を。諒子には、好きだから四季と別れると俊介が言っていたと。
夕方の公園で、四季は思い切って安曇家に電話をかける。応対したのは良枝。良枝は、俊介が元気で病院にも通っていて就職も決まりそうだと言う。だが、その声に四季は不安を感じ取る。家に帰った四季は、亜衣や新吾に相談する。亜衣は、四季に、起こったことを全て俊介に話すよう促した。だが、四季は首を振り、自分が長崎に行って俊介を支えたいと言う。俊介と一緒にいられるだけで自分は幸せ。そう話す四季の決意に、亜衣も新吾も異論を挟む余地はない。その話を、鉄雄も聞いていた。
四季は長く急な坂を登っていた。安曇家で良枝が花に水をやっていると、四季が現れる。四季は、長崎にやって来た。驚く良枝は、なんとか四季を俊介に会わせまいとする。だが、四季の意志は固かった。海辺でひとり佇む俊介のもとへ向かう四季。しかし、俊介も四季を撥ね付けようとする。諒子と結婚すると頑なにウソをつき続ける俊介。一日だけでも傍にいたいという四季の懇願も通じない。やはり、諦めなければいけないのか…。四季は、わざと明るく振る舞って俊介から去って行った。俊介が家に帰ると、良枝は3人分の食事を用意して待っていた。そして、良枝は四季が俊介のウソに気づいているのではないかと疑問を投げかける。ホテルに戻った四季は家に電話。ダメだったと言う報告に、鉄雄、満雄、亜衣、新吾は交互に電話を代わって四季を励ます。家族や友人の温かさをありがたく感じる四季。しかし、俊介と一緒にいることが出来ない寂しさは消えない。
俊介と良枝が食事を始めようとした時、玄関の戸が叩かれる。俊介が出ると、そこには圭輔が立っていた。圭輔は、四季のことでどうしても俊介に話しておかなければいけないことがあると言う。居間に通されると、圭輔は病院の子供たちが四季に元気がないことを心配していると話し始める。少し逡巡しながらも、圭輔は四季の身に起きた悲しい出来事を俊介に告げる。あまりの事に、悔やむ俊介。圭輔はその俊介に、四季の思いを無駄にしないで欲しいと頼んで安曇家を辞す。四季を思い、涙があふれて止まらない俊介。俊介は、四季の姿を求めて家を飛び出した。視力の低下を感じながらも必死に四季を探す俊介。と、ようやく路面電車に乗ろうとする四季を見つけた。俊介は、大声で四季を呼ぶのだが聞こえない様子。四季を乗せた路面電車は、無情にも走り出してしまって…。
友川四季 … 菅野美穂
安曇俊介 … 藤木直人
浅倉亜衣 … 伊東美咲
折原新吾 … 玉木 宏
友川満雄 … 森山未來
高泉諒子 … 黒谷友香
安曇良枝 … 八千草薫
友川鉄雄 … 泉谷しげる
降谷圭輔 … 時任三郎
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感想
このドラマは、登場人物がみんないい人たちすぎて無理・・・涙なしでは観れなかった。
もう最後の演出には涙涙でした。
そしてこの作品に出ている八千草薫さん、姿を見るたびに亡くなられたのが本当に辛くて、八千草薫さんの優しく微笑んでいる姿を見るだけで涙が溢れる。
このドラマを何回見ても100%泣いている。
それくらいこの作品には特別な感情を抱いてしまう。
泉谷しげるの「信じるに賞味期限なんてねえだろうがよ」この言葉はいつも自分の心に刺さっている。
このドラマは言葉や映像、音楽などすべてが丁寧に描かれていて本当にいい作品。
地味だった主人公が最後にはすごく綺麗になって涙を流している姿には感動したし、このドラマの泉谷しげるのような父親もいいなあと思いながら見ていた。
ロケ地
・東海大学付属八王子病院
ドラマの中では文教中央病院という名称で病院が登場しますが、この病院は東京都八王子市にある東海大学付属八王子病院にて撮影されていたようです。
・駒沢オリンピック公園
バスケの練習をするシーンがありますが、バスケの練習をしていた公園は東京都世田谷区にある駒沢オリンピック公園でした。
・オランダ坂
海星中学横の階段や大浦天主堂横の階段、3人が歩いていたオランダ坂は、長崎県長崎市にある実際のオランダ坂で撮影されていました。
まとめ
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