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「マザー&ラヴァー」とは?
2004年放送ドラマ「マザー&ラヴァー」。
関西テレビと、メディアミックスジャパンによる企画・製作で、坂口憲二主演で放送されていました。
マザコン青年を坂口憲二、ヒロイン役に篠原涼子、母親役に松坂慶子が出演しています。
そんな三人の織り成す楽しくも切ないハートフルドラマ!
普遍的テーマである親子愛。
父親と息子の物語はよくあるが、なぜかないのが母親と息子・・・。
なぜならば昨今の日本では、母親を大切にし愛する男は「マザコン」と呼ばれ、優柔不断な男の代名詞となっているからなのです。
しかし、大げさではなくマザコン(=母を大切に思い愛している)ではない男性がどれほどいるでしょうか・・・。
『男はみんなマザコンだ!母親を大切に思う心を持っている人だからこそ、恋人・妻を大切に愛せるのでは・・・!』
母が子を愛し、子が母を愛する。
とてもシンプルであり、当たり前である事が当たり前に言えなくなってしまった今だからこそ、『親を大切にして何が悪い!!母親を大切にして何が悪い!』と堂々と言い切る主人公を通して、とびきり楽しくて切ない感動の物語をお届けします。
主人公・岡崎真吾は日本では珍しいマザコン青年。
「親を大切にして何が悪い!」と母親を大切に思い、敬う感心な若者であるが、周りから見ると少々度が過ぎるのが玉にキズ。
そんな青年と恋におちた一人の女性。母親を大切にするのはとっても素敵な事だけど、恋人である自分以上に母親を大切にする青年に、少々戸惑いぎみ。果たしてこの男と結婚を考えていいものやらと悩む毎日。
そしてこのマザコン息子を親離れさせたい母親。まるで恋人同士のように仲が良く息子の事を愛してやまないけれど、そろそろ男として一人立ちさせなければ…。
ちょっぴり寂しい事だけど…。
主人公の真吾を演じるのは文句なしに好感度NO.1男優・坂口憲二。女性ファンはもちろんの事、男性ファンも多い坂口憲二が、いい男とは裏腹にマザコンという今までのイメージとは一味違ったキャラクターにチャレンジ!
また、母と息子の間に立って右往左往する真吾の恋人役・瞳には、ナチュラルでありながら確かな演技力と、その飾らないキャラクターで絶大な支持を受けている篠原涼子。
そして、真吾の母親・マリア役には松坂慶子が出演。チャーミングな母親役に挑戦します。
そんな三人が織り成す、楽しくも切ない・ハートフルドラマ「マザー&ラヴァー」
「ビーチボーイズ」「アルジャーノンに花束を」といった数々の名作ドラマを世に送り出し、明るく切ない作品の名手・岡田惠和の脚本でお送りします。
どうぞご期待下さい。
秋の訪れが感じられる東京の街。恋人たちばかりのレストランに、ちょっと人目を引いているカップルがいた。「いま僕の前にいる女性が、僕が世界で一番愛する女性だ」。岡崎真吾(坂口憲二)は気取らない服装だが、清潔感のある青年。向かい側に座る美人は岡崎マリア(松坂慶子)。そう、真吾の母親なのだ。恋人以上の仲むつまじさ。だから人は真吾のことをこう呼ぶ。マザコンと。
真吾は小さな劇団で役者をしているが、生活費は人力車のアルバイトで稼いでいる。一緒に働いている中町恭介(金子貴俊)は同じ劇団の看板的役者。劇団は次回公演に向けて稽古に余念がない。「ちゃんと考えて動いてよ」と、真吾にダメ出しているのは座長の永野圭(水川あさみ)。稽古が終われば一同はなじみの居酒屋に自然と足が向く。今夜は真吾のテンションが高い。さっきまでの稽古の別れのシーンを自らの引っ越しにダブらせて、涙まで浮かべるものだから他のメンバーはしらけるばかり。しかも実家を出たといっても週1回は何かと理由をつけては帰っている。その時、外国人窃盗団の被害が続出しているというニュースに、感傷にふけっていた真吾の表情が変わった。そして実家と同じ区内と聞いて真吾は店を飛び出した。
音大卒のマリアは自宅でピアノを教えながら、女手ひとつで真吾を育ててきた。真吾は実家の前まで戻ってきたものの、理由が理由だけにマリアと直接顔を合わせるのは照れる。そこでマリアの無事を確認してからそっと帰ろうとしたら、運悪く近所のコンビニ店主の種田庄二(蛍原 徹)に見つかり「自分ちの前で何やってんの?」と言う庄二の大きな声が家の中のマリアにも聞こえてしまった。マリアは「バカねえ」と言いながらも、真吾の気持ちが嬉しく、いそいそと夜食の支度を始めた。「彼女はできた?」「できないよ」「彼女でもできれば親離れできるのにねえ」と、いつもと同じやりとりの挙げ句、二人は飲みにいくことに。そして真吾が酔いつぶれたマリアをおぶって帰ってきたのは、もう明け方近く。「なあ、1人で寂しい?」と真吾は声をかけるが、マリアは真吾の背中で幸せそうに寝息をたてていた。
ある日、真吾が人力車の客待ちをしていると、タクシーを降りたOL風の女性が書類を道に散らばせてしまった。急いでいる様子だったから真吾は一緒に拾ってやると、全力で人力車で運んであげた。「ありがとう」「いいから早く」。真吾はそのまま帰るつもりだったが、彼女が店長に頭ごなしに怒鳴りつけられているのを見ては黙ってられない。「この人は、必死で間に合うように走ろうとしていたんだよ。あやまれよ!」。その女性、杉浦瞳(篠原涼子)は真吾の気持ちが嬉しく礼を言おうとしたが、真吾の姿はすでに消えていた。
瞳は都内のレストランチェーンのスーパーバイザー。仕事はできるが、恋愛のほうは30歳を過ぎてもまるで縁がない。その日オフィスに戻るなり、瞳は部下の神野麻衣子(矢沢心)に思いきりノロけた。「いい男だったんですか?」「うん、(胸が)きゅんとした」。仕事が手につかない瞳を見かねて、「男っ気がないからのめりこんでしまいますよ」と麻衣子がクギを刺し、瞳はすっかり見透かされていた。
翌日早速、瞳は真吾に会いに行った。「昨日はありがとう」「いいっすよ、俺が無理やり乗せたんだから」。お礼を兼ねて、瞳は改めて貸し切りで人力車に乗せてもらった。真吾のさりげない優しさと屈託ない笑顔に、瞳はまたきゅんとなった。二人は互いに名前や仕事を打ち明けたが、瞳にはちょっとガッカリしたこともあった。真吾は28歳。片や瞳は3つ年上の31歳。瞳が自分の仕事の話をすると、真吾は瞳に「働く女の人好き」と言いながら次第に母親・マリアのことを熱っぽく語り初めた。「本当はもっとすごい仕事ができたかもしれないのに、俺を育てるために諦めたみたいなんです」。そして真吾は最後に「…だからかな、働いてる女の人好きですね」と付け加えた。
楽しい時間は瞬く間に過ぎた。何となく別れがたい二人。「また会える?」と、勇気を出して先に切り出したのは瞳だった。「マジで?いいんですか」。真吾もすっかり瞳のことが好きになっていた。「やったあ!デートしましょう」とガッツポーズをする真吾。瞳は胸を押さえた。「きゅんきゅん」。
真吾(坂口憲二)のマザコンぶりに本気で怒ってしまった瞳(篠原涼子)だったが、母親を大切にすることは悪いことではない。「言い過ぎた」と反省すると、真吾も「男の俺が先に謝るべきだった」と頭を下げた。これで瞳の心はきゅん。二人は仕事が終わったら飲みに行くことになった。瞳はオフィスに戻っても夢心地。後輩の麻衣子(矢沢心)が「大丈夫ですか?」と心配してくれたが、瞳は「ダメです」と甘いため息をもらした。
オシャレな店を期待していた瞳は、真吾に連れてこられた行きつけの居酒屋にショックを受けたが、真吾との会話ははずんだ。くしくも瞳とマリア(松坂慶子)の誕生日が10月12日で同じことが分かり、干支と血液型までも一緒とあって真吾は「マジですごいね。うまくいくね、俺たち絶対」と大興奮。「ハハハ、そうだね」と瞳は調子を合わせたが、当人同士ならともかく母親と同じでどうしてこれほど喜ぶのか。瞳がちょっと引き気味でいると、真吾の劇団仲間がゾロゾロと店に入ってきた。
真吾は瞳に劇団の主宰者の圭(水上あさみ)はじめ、看板役者の恭介(金子貴俊)や今日子(西丸優子)たちを紹介した。演劇論の話になると、瞳は居場所がなく期待していた初デートの甘いムードなどどこへやら。真吾と別れると、瞳はドッと疲れにおそわれた。
真吾は早速マリアに瞳のことを打ち明けた。「良かったじゃない」とマリアは言ってくれたが、その表情がかすかに曇ったのを真吾は見逃した。そして誕生日が同じだから「合同でお祝いしようよ」と持ちかけたが、さすがにマリアは「彼女と過ごしなさい。母さんは大丈夫だから」と息子をたしなめた。真吾は瞳の誕生日をちゃんと祝うことがマリアを喜ばせることになると考え、瞳に誕生日のデートをとりつけた。2人切りで祝う夜に瞳は胸をときめかせた。
誕生日当日、真吾はスーツ姿で花束を携えて現れた。しかもオシャレなフレンチレストランを予約してくれていたから瞳はますます感激。ところが瞳が何気なく「でも、大丈夫だったの?お母さん」とたずねるなり、真吾の顔色が一変した。昨年までは真吾が手料理で祝っていたのに、今年は寂しく1人きりで迎えている。そう思うと真吾は涙がこみ上げてきた。瞳は「あれ?なんか私、余計なこと」と首をひねったがもう遅い。真吾は「ごめん、すぐ戻ってくる」と言い残すなりレストランを飛び出していった──。
岡崎真吾(坂口憲二)は、今どき珍しいマザコン青年。
「母親を大切にして何が悪い!」と、母親を思い敬う感心な若者であるが少々度が過ぎるのが玉にキズ。そんな真吾と恋におちた杉浦瞳(篠原涼子)と、息子を親離れさせたい母親・マリア(松坂慶子)の3人が織り成す、楽しくも切ないハートフル・ドラマ!
真吾(坂口憲二)は瞳(篠原涼子)とうまくいっていたが、瞳はデートを重ねるにつれて明らかになってきた真吾のマザコンぶりに戸惑っていた。真吾はマリア(松坂慶子)のことをしゃべりだしたら止まらないため、瞳がお愛想で「お母さんに会ってみたい」と口にしたら、本気で「今度3人で会おう」と言い出す始末。瞳からグチをさんざん聞かされた麻衣子(矢沢心)は「息子の恋人っていうのはムカつく存在なんですよ」と言い、瞳はますます気が重くなっていた。
バイトと劇団の過労がたたって真吾は稽古場で倒れた。アパートの部屋で目覚めた真吾はつき添ってくれていた恭介(金子貴俊)に「呼んでくれ」と頼むなり、再び寝てしまったから恭介は弱った。母親か、それとも恋人か、どちらを呼べばいいのだろう。迷った恭介は両方に連絡したものだから、2人はアパートの前でバッタリ鉢合わせてしまった。緊張してガチガチの瞳に対して、マリアは余裕で応じた。鈍感な真吾は、2人が顔合わせできたことを素直に喜んでいる。ぎくしゃくした空気をなんとかしようと瞳は買ってきた果物カゴを差し出すと、マリアは気を利かせて早々に部屋を出ていった。瞳が「素敵なお母さんだね」と感想をもらすと、真吾は「ありがと」と心底うれしそうだった。
ところが瞳も帰ってしまうと、真吾は憤然とした面持ちで実家へ向かった。実はさっきマリアは手作りおじやを持って見舞いに来てくれたのだが、瞳に遠慮してこっそり持ち帰ったのを真吾は気づいていたのだ。真吾は「なんで出さなかったんだよ」とマリアにくってかかった。「俺に彼女ができたって、仮に結婚したって、母さんは母さんだろ。だから今日みたいなの、絶対にやめろよ」と言う真吾のものすごい剣幕に圧倒されたマリアはとっさに「ごめんなさい」とうなずいた。そして背を向けると、うれしくてちょっぴり涙ぐんだ。
瞳は仕事の帰りにも晩ご飯の用意をかかえて部屋をのぞいたが、もちろん真吾の姿はない。気乗りしなかったが、あの居酒屋をのぞくと劇団仲間たちが顔をそろえていた。「真吾なら実家に帰りましたよ」と聞いて瞳が憤然と出ていくと、圭(水上あさみ)がため息まじりで「短かったねえ」とつぶやいた。瞳はアパートに引き返すと、殴り書きした紙をドアに貼りつけた。そこには『さよなら お母さんと末永くお幸せに』と書かれていた。
真吾(坂口憲二)は思い込んだら一直線タイプ。だから瞳(篠原涼子)が軽い気持ちで欲しいと言った腕時計を必死になってUFOキャッチャーでゲットした。オモチャさながらの腕時計だったが「よっしゃ!」と子供のように大喜びする真吾の姿に、瞳も「すごくうれしい」と笑顔になった。初めてのプレゼントだ。瞳が心はずませて翌日早速着けて出社すると、目ざとい麻衣子(矢沢心)に見つかった。うれし恥ずかし気分だったが、部長から「男にもらったんだろ」とからかわれてうんざり。そこで瞳は「逢うときだけにしよう」とバッグにしまった。
真吾は幸せ気分いっぱいのはずだったが、稽古場では相変わらず圭(水上あさみ)から「ダメなのは芝居だけね」と皮肉られる始末。恭介(金子貴俊)相手に「むずかしいなあ」とボヤいていると、思春期の中学生らしき少年が母親に冷たく当たっている光景に出くわした。「どんな思いしてたんだろうな。母さん…あの頃」。身に覚えがある真吾はもうたまらない。気がつくと実家に駆けつけて、ピアノ教室の生徒を送りだしたばかりの母親のマリア(松坂慶子)と向かいあっていた。真吾は瞳とうまくいっていることを伝えると「ちゃんと3人で会おうよ」ともちかけた。マリアは「そうだね」とにっこりうなずいた。
翌日早々真吾は瞳を実家に連れてきた。「つまらないものですが」と手土産を差し出した瞳はかなり緊張気味。ふと真吾の目はマリアの胸に釘付けになった。真吾が小学1年生のときに図工の授業で作った紙粘土のブローチではないか。真吾は「まだあったんだ」と感激したが、瞳は母と息子の絆の強さにショックを受けた。おまけに想い出のいっぱい詰まった写真アルバムを見せられて、ますます瞳は意気消沈。もっとも真吾と瞳が帰ってしまうと、マリアも複雑な心境になった。じつは瞳を意識して、あんなブローチをわざわざ用意したのだ。マリアは「何やってんだろ、私」と自己嫌悪のため息をもらした。
実は瞳は真吾に隠しごとがあった。あの腕時計をなくしてしまったのだ。だから麻衣子にゲームセンターに付き合ってもらったが、大金費やした挙げ句に「同じ時計取れても、真吾にもらったモノじゃないね」と肩を落とした。
片やマリアは、庄二(蛍原徹)を引き連れてカラオケに繰り出した。庄二はいつものごとくマリアに言いたい放題に当たり散らされたものだから、真吾を呼んで任せることにした。「ごめんね。嫌な女だよね」。マリアは瞳にやきもちを焼いてブローチを付けたことを告白した。そしてブローチはどこかに落としてしまった。ひたすら謝り続けるマリアを前にして、真吾は言葉もなく唇をかみしめた——。
瞳(篠原涼子)は真吾(坂口憲二)とデートする時間がなかなか取れない。週末に開店するレストランのパーティーを麻衣子(矢沢心)と任されたからだ。片や真吾もドラマの仕事が決まった。といっても他の劇団員と一緒にエキストラだ。スタジオでは今日子(西丸優子)がちゃっかりスタッフに売り込みをかける一方で、恭介(金子貴俊)は年下の売れっ子俳優を見てため息をもらした。真吾は「すごいよなあ」とほとんどスタジオ見学のお客さん気分。挙げ句の果てに、自分の主演ドラマをマリア(松坂慶子)とぼんやり見ているシーンを夢想してボーっとしていたものだから、スタッフからこっぴどく叱られてしまった。
マリアのことを考えると、自然と足は実家へ向かう。マリアは音大の同級生からの電話で沈んでいた。受賞のお祝いパーティーに誘われたらしい。「こんなおばさんが1人で行ってもねえ」とマリアは諦め口調でつぶやいたが、真吾はカチンときた。「この前も友達のリサイタルに行かなかったし…俺のせい?」。もし自分が生まれなかったらマリアは音楽の道を断念することはなかったはずと真吾は考えたのだ。しかしマリアが「自分で選んだのよ」と否定すると、真吾は「じゃあ出かけよう」とマリアを急きたてた。真吾はブティックに連れていくと、マリアのパーティー用の服を真剣に選び始めた。「これはどう?」「似合うよ絶対」。嬉々として試着を繰り返す2人の姿は、まるで恋人のような仲むつまじさに見えた。ご機嫌で帰宅したマリアは、いつものごとく庄二(蛍原徹)相手に「あなたもお母さんの服を買ってあげなさい」とさりげなく、真吾の孝行ぶりをノロけた。
そのころ、瞳はパーティーの追い込みで多忙を極めていた。それでも心の中は真吾の事でいっぱいだから、つい物思いにふけっては麻衣子にからかわれていた。たまたま仕事が早く終わった瞳は、稽古場をこっそり覗いてみることにした。すると真吾は圭(水上あさみ)から頭ごなしにダメ出しをされていた。「格好悪いとこ見られちゃったね」「ごめんなさい」。久しぶりに会えたのに会話ははずまない。瞳は気まずい空気を変えようと「どうして役者になりたいの?」と話題をふった。すると真吾は「実は母さんがね」とまたまたマリアがピアニストを断念したいきさつを熱っぽく語りだした。いい話だったが、瞳は感動すると同時に「またか」とため息をつきたくなった。
瞳と麻衣子が手がけていた新しいレストランのパーティーの当日がやってきた。戦場のような忙しさの中、2人も右往左往しながら必死に手伝った。ホッと一息ついた瞳はドレスアップしたカップルの客をぼんやり見ながら呟いた。「あんな風にさ、彼に優しくエスコートされてみたいなあ」。もちろん真吾とのそんなシチュエーションを思い描いた。その時、ドアが開いてまた一組カップルの客がやって来た。麻衣子は軽い口調で「先輩の夢ってあんな感じですか」と訊ねた。何気なく目をやった瞳はあ然となった。ドレスアップしたカップルは、なんとマリアと真吾だったのだ─。
瞳(篠原涼子)は麻衣子(矢沢心)から合コンに誘われた。れっきとした真吾(坂口憲二)という恋人がいるのだから瞳は気乗りしなかったが、麻衣子に「やきもちをやかせた方がいいですよ」とそそのかされて参加することにした。しかし真吾に電話で伝えようとしたが通じない。料金未払いで止められていたのだ。
そんなこととは知らない真吾は劇団仲間といつもの居酒屋で盛り上がっていた。今夜の話題は圭(水川あさみ)が持って来た連続ドラマのオーディション。「いらないよね」と圭はあっさり言うが、恭介(金子貴俊)をはじめ役者たちは興味津々。無関心を装いながら、募集要項を食い入るように読んだ。むろん真吾も例外ではなく、自分の出演ドラマを母親のマリア(松坂慶子)と瞳に囲まれて見ているシーンを夢想していた。
瞳は合コンに参加したことを早くも後悔していた。やって来たのは見かけだけにこだわった男ばかり。それでも麻衣子はご機嫌だが、瞳は早く帰りたい。ため息を愛想笑いでごまかしていたが、ふと店を出て行こうとしている2人連れの女性客と目があって凍った。なんとマリアではないか。瞳は知るはずもなかったが、たまたま音大時代の紀子(上村香子)と会っていたのだ。マリアは瞳に気づくと、ナゾめいた微笑を浮かべてうなずいた。「最悪だ。なんでこうなるの」。瞳は死んでしまいそうなほど落ち込んだ。
マリアも複雑な心境だった。まさか真吾本人に言うわけにはいかないから、いつものごとく配達に来た庄二(蛍原徹)に探りをいれてみた。てっきり真吾のことだと勘違いした庄二は「合コンは遊びですよ。それに人数合わせに呼ばれたのかも」と軽く受け流した。それでもマリアは気持ちが晴れないでいると、庄二と入れ替わりで真吾が現れた。けれどうれしそうにオーディションのことを語る真吾を見ていると、とても打ち明けられない。結局は携帯電話代と手料理をせびられて、真吾はご機嫌で帰っていった。
一方、真吾は早速瞳に連絡を入れると、オーディションのことを伝えた。しかし先に知らせたのがマリアだと聞いて、瞳は「私が一番じゃないんだ」と思わず本音が口をついて出てしまった。マリアが合コンのことを内緒にしてくれているのがせめての慰め。そんな瞳の胸中に気づかない真吾は「俺、絶対に受かってみせるから」と元気いっぱいだった。
オーディション当日がきた。真吾と恭介だけでなく、高石(高山猛久)、忍(麻生幸佑)、今日子(西丸優子)の姿も会場にあった。みんな自己紹介から気合い入りまくり。真吾も負けじと懸命に与えられた課題を演じた。その甲斐あって恭介と共に見事選ばれた。「やったあ!」。この喜びを先に伝えるのは瞳かマリアか。真吾が迷っていると、偶然にもマリアから連絡が入ったので「受かっちゃった」と知らせた。瞳には直接言おうと公園に呼び出した。「おめでとう!」と瞳は喜んだが、マリアには既に合格を伝えていること、さらには瞳に寂しい思いをさせては駄目だとマリアが真吾に伝えていたことを聞いて、瞳ももう黙っているわけにいかない。合コンの一件を打ち明けると同時に、胸の内にたまっていたわだかまりをぶつけた。「お母さんを大切にするのはいいと思うよ。でも、私は真吾君のことが好きだから一番じゃなきゃ嫌なの!」。こんな本音をムキ出しにした瞳は初めてだった。瞳が走り去ると、真吾は「なんでこうなるんだよ」とその場に座りこんでしまった──。
瞳(篠原涼子)のマンションで真吾(坂口憲二)がパスタを作ることになった。瞳は手際いい真吾をうっとり見ていたが『甘い顔を見せるとヒモ同然に部屋に居座られてしまう』という麻衣子(矢沢心)からの忠告がふと脳裏によみがえった。そこで瞳はさりげなく同棲をちらつかせたが、真吾は「自分の力でもっといい部屋に住みたい」と答えてくれた。もっとも瞳は2人きりの生活を夢見ていたが、真吾はマリア(松坂慶子)を加えた3人の家庭を思い描いていた…。
そのマリアのもとに音大時代の友人、紀子(上村香子)から山盛りのカニが届いた。まず庄二(蛍原徹)におすそ分けしたが、まだ十分あるから真吾に劇団員を連れてくるよう連絡した。ところが真吾は「瞳さんもいいでしょ?」と勝手に決めてしまったから、マリアはちょっと面白くない。「これじゃ、まるで意地悪な姑。駄目ね」と自戒して鍋料理のしたくをしていると、チャイムが鳴り「ピアノを教えていただきたいんです」と、マリアと同世代くらいの男が訪ねて来た。重松啓一(篠田三郎)はまったくピアノに触れたことないが、どうしても一週間以内にマスターしたい曲があるという。真面目そうな感じだし、断る理由はない。「頑張ってみましょうか」とマリアがうなずくと、重松は嬉しそうに「お願いします」と頭を下げた。その頃、劇団の稽古場では圭(水川あさみ)の怒鳴り声が響いていた。ふだん貧しい食生活を送っている劇団員たちはカニのことが気になって、まったく稽古に身が入らない。やがて瞳も現れたので「じゃ、行くか」と圭も諦め顔になった。真吾は仲間を引き連れて元気よく実家に帰ってきたが、見知らぬ男・重松の姿がひっかかった。これまでピアノの生徒は子供ばかりだったし、マリアが「ちょっといい男でしょ」なんてふざけたものだから真吾はますます面白くない。せっかくのカニの味も分からないし、台所でマリアを手伝っている瞳の気苦労など気付くはずもない。「あの男は本当にもう、好きだけど、ムカつく」。ぐったりして帰宅した瞳は思わずボヤいてしまった。
真吾は重松のことで気持ちが晴れず、実家に戻ってこっそり様子をうかがっていたらマリアに見つかってしまった。重松に教えるマリアの姿はなにやら親密な雰囲気に見え、真吾は「何なんだよいったい」と腹を立てて帰っていった。一方、レッスンを終えた重松は「男の子は自分の母親を誰かに取られるのがイヤなんですよ」と、真吾の気持ちを代弁し、ようやくマリアは真吾のやきもちに気がついた。
真吾はさらなるショックにうちのめされた。マリアと重松が結婚式について話しているのを庄二が耳にしたのだ。「そんなバカな!」。最愛の母さんが再婚するなんて、真吾はもう何も手につかない。恭介(金子貴俊)との人力車のバイトでもボーっとし、いつもなら圭のダメ出しにビクつく稽古場でも心ここにあらず。ついには「ごめん、今日はダメだ」と勝手に稽古場を出て行った。真吾が向かったのは瞳のマンション。「どう思う?」。真吾が来てくれたのは嬉しいが、またマリアの話題を切り出されて瞳の気持ちは複雑だった。瞳は「ガッカリした。真吾君は良いマザコンだと思ってたのに」と自分の本音をぶつけた。本当に母親を愛しているのだったら好きな男性ができたら応援するべきではないか。「それが男でしょ?」と諭され真吾は激しく落ち込んだ。
一言も言い返せないままマンションを出た真吾は、一晩中考えに考えぬいた翌日、有無を言わせず瞳を連れて重松に会いに行った──。
瞳(篠原涼子)が真吾(坂口憲二)とじゃれつきながら下北沢の街を歩いていると、ふと鉢植えの花が目に留まった。「これを私だと思って部屋に置いてほしいんだよね」。たまたま通りかかった圭(水川あさみ)に見られたが、幸せ気分いっぱいの2人は気にならない。真吾が花に触れるたびに瞳は「あん」と身をよじるバカップルぶりだ。
瞳はもっと真吾とベストカップルになりたくて、服装も真吾に合わせてカジュアルでキメようと思いついた。麻衣子(矢沢心)も「彼きっと喜びますよ」と言ってくれたので、古着のネルシャツを買う事にした。ところが瞳が店に着くと、前方から真吾とマリア(松坂慶子)が来るではないか。とっさに物陰に隠れた瞳に2人の会話が聞こえてきた。なんと実家の水道が壊れたので、マリアは今夜真吾の部屋に泊まるらしい。しかも真吾が「これ似合うよ」と言うなり、瞳が目を付けていたネルシャツをマリアに買い与えてしまった。「何それ!」。仲むつまじく去っていく2人の背中を、瞳はぼう然と見送った。
真吾はマリアに留守を頼むと、劇団の稽古に出かけて行った。室内はかなり汚れている。マリアは「男臭いわ」なんてこぼしながらも早速ネルシャツに着替えると、嬉しそうに片付け始めた。ところがうっかりして、あの花の茎を折ってしまった。まさか瞳からのプレゼントとは知るはずもない。片や瞳はといえば、部屋に麻衣子を呼び出して「あの親子の関係は揺るぎないっていうか」とグチをこぼしていた。真吾のマザコンは正しいし、マリアだって瞳の立場を尊重してくれている。それだけに恋人としての瞳のジレンマはどこにぶつければいいのか分からない。瞳は「ちょっと自信なくなってきた」と弱音をもらすと、酔いつぶれて寝てしまった。
稽古が終わるなり部屋に戻った真吾は、きれいになった室内を一目見て「すっげぇ」と大喜び。しかしマリアから花の事を詫びられて、つい表情に出てしまった。「大切なものだった?」と聞くマリアを心配させたくなくて、真吾は「大丈夫」と笑ってごまかすと、いつもの居酒屋にマリアを連れて行った。マリアは劇団仲間と一緒になってさんざん盛り上がった挙げ句に寝てしまった。マリアの楽しそうな寝顔を見て、恭介(金子貴俊)は「お前のマザコンがやっと分かったよ。素敵なお母さんだよ」とつぶやいた。真吾は「俺はこの人しか知らないから」と返事をしたが、胸の内では嬉しさでいっぱいだった。
翌朝、実家の水道の修理を任せている庄二(蛍原徹)から電話がかかってきた。「もう1日かかるんだって」。すでに修理は終わったのに、マリアは真吾と一緒にいたいばかりに嘘をついた。真吾は瞳と会おうとしたが、マリアが部屋に泊まっている事を口にした途端、「今日は都合が悪い」と断られてしまった。
買い物に出かけたマリアは偶然圭に会った。そしてあの花が瞳からのプレゼントだと知り、嘘までついてもう一晩泊まろうとした自分が嫌になったが、本当の事を真吾に言えないまま実家へ戻った。そしてその夜、真吾の部屋に瞳が突然やって来た。
真吾(坂口憲二)は間もなくやってくる誕生日で29歳。しかし連日合宿さながらの稽古続きで浮かれていられない。そこでマリア(松坂慶子)は庄二(蛍原徹)に手伝わせて、ちらし寿司と豚汁を作ると陣中見舞いに駆けつけた。真吾はじめコンビニ弁当にうんざりしていた劇団員は、思わぬ差し入れに大喜び。ところが瞳(篠原涼子)も麻衣子(矢沢心)に手伝わせて、ちらし寿司と豚汁を持ってきた。いつもは能天気な真吾も、さすがにまずい展開になってきたと焦り、圭(水川あさみ)や恭介(金子貴俊)も黙ったまま。しかし高石(高山猛久)、忍(麻生幸佑)、今日子(西丸優子)は空気が読めず、おいしいマリアの料理ばかりに手を伸ばし、挙げ句の果てには瞳の料理を一口食べるなり「味がしない」と、地雷を踏んでしまった。
勝ったとはいえマリアは後味が悪い。そんな胸の内を旧友の紀子(上村香子)に打ち明けると「最後は息子は離れていくものよ」と諦め口調で嘆じた。息子に注いできた愛情はペットの犬に向けているという。そして紀子が旅行に出かけている間、その愛犬をマリアに預かって欲しいとお願いした。紀子は「お嫁さんに預けて、なつかれたら嫌なの」と、本音を洩らした。
片や瞳は悔しくて仕方がない。真吾からの電話には「全然気にしてない」と平静を装ったが、麻衣子には「絶対おいしいって言わせてやる」と誓っていた。けれど頼みの麻衣子も料理の腕前はイマイチ。失敗作の料理を目の前にして、2人はため息をついた。
マリアにも電話をかけた真吾は、紀子の犬を預かったことを知った。真吾は子供のころに子犬を飼っていた。死んだ時は悲しかったが、マリアがいれば寂しくなかった。そんなことを思い出していると、マリアの依頼で弁当を持ってきてくれた庄二から意外な話を聞いた。「老後が寂しくないように犬でも飼おうかなぁとか言っちゃってさ」。マリアがそんなことを考えていると思うと真吾は稽古場を飛び出して実家に向かった。マリアが犬の散歩から帰ってくると、真吾は一気にまくしたてた。「犬を飼うのはいい。でも寂しいからなんていうのはやめろよ。俺が母さんを寂しくなんて絶対にさせないから」。真吾は言いたいことを全部言うと呆気にとられるマリアを残して、再び稽古場に戻った。
瞳はやっと自信作のちらし寿司と豚汁を完成させた。瞳にリベンジを誓わせたあの3人も今度は「うまい!」とホメてくれた。ところが瞳がホッとしたのもつかの間、今日子から聞き捨てならないことを耳にした。圭が真吾の元カノだったと口をすべらせてしまったのだ。圭は「たった一週間だけだし、何もなかったし」と釈明してくれたが、瞳は元気がない。「なんでいちいち勝ち負けを考えちゃうんだろ」。瞳はことあるごとにマリアと張り合うことに疲れていた。圭は「勝つと思うな、思えば負けよ」と冗談めかして励ましてくれたが、瞳の心は晴れない。そして真吾の誕生日がやってきた。真吾が今年一緒に過ごすのは瞳か、それともマリアか──。
瞳(篠原涼子)は真吾(坂口憲二)と付き合っていて最近気になることがある。真吾は一人前の役者になったらプロポーズすると約束してくれたが、それがプレッシャーになっているのではないか。瞳は結婚を焦っているわけでも、真吾に役者を諦めてほしいわけでもない。とはいえ頑張ったからといって必ず成功するとも限らない。圭(水川あさみ)に真吾の将来性をたずねてみると「こればっかりは分かんないね」とどっちつかずの返事。いつもダメ出しされているけど、才能ゼロと言われるよりましか。瞳としては真吾を信じて応援するしかない。
マリア(松坂慶子)がお肉をもらったからと、真吾に瞳を一緒に連れてくるよう言ってくれた。2人がすき焼きの材料を買って行くつもりでいたら、ばったりマリアと出くわした。商店街の福引券をもらったので抽選会場に向かうと、庄二(蛍原徹)が係をしていた。真吾が回すと金色の玉が出て、なんと温泉一泊旅行が当たった。「すごい、すごい」と大喜びする3人だったが、庄二の一言で思わず顔を見合わせてしまった。「これペア招待なんだけど、真吾君、どっちと行くの?」。真吾は絶句してしまった。
せっかくのすき焼きも温泉旅行のことが気になって仕方ない。マリアが「2人で行ってらっしゃい」と勧めれば、瞳は「ダメです。真吾君とぜひ」と言わざるを得ない。互いに譲り合っていると真吾がさえぎった。「公演が近いから俺は休めないよ。母さんと瞳で行っておいでよ」。とっさに瞳とマリアは笑顔でその場を取り繕ったが、単純な真吾は「決まりだね」と嬉しそうにうなずいた。
瞳は麻衣子(矢沢心)に相談したが「想像を超えてますね」と呆れ顔。とにかくお酒の失敗だけは避けるようにクギを刺された。マリアも庄二を相手に「君が温泉なんか当てさせるからよ」と八つ当たりしていた。
瞳は一緒に温泉に入るかもしれないからとエステに出かけたら、受付にマリアがいるではないか。「あら」「ハハハ」。どうやら同じことを考えたらしくどちらも気まずい。
そしてついに旅行当日がきた。「楽しんできてね、2人とも」。真吾の笑顔に見送られて、瞳とマリアはブルーな気分で出かけた。
真吾は2人が喜んで出かけたものと思い込んでいたが、庄二から「女ってものが分かってないよ」とたしなめられた。恭介(金子貴俊)も「それはあまりにマズイんじゃないか」と眉をひそめた。おまけに劇団仲間から「今ごろ温泉が血に染まっているかも」なんてからかわれると、もう稽古どころじゃない。見かねた圭から「行きな」と許しをもらった真吾は、慌てて飛び出し温泉へ向かった──。
瞳(篠原涼子)は仕事中もつい、にやけてしまう。何しろ恋人のいるクリスマスは久しぶりなのだ。いくら真吾(坂口憲二)だってクリスマスまでマリア(松坂慶子)と過ごすとは言わないはず。だから麻衣子(矢沢心)から「まさか彼、母親と3人でとか」と念を押されても、瞳は「もしそんなことになったら暴れるかもしれない」と冗談混じりに受け流した。片や真吾も恭介(金子貴俊)から「どっちと過ごすの?」と同じことを聞かれて、圭(水川あさみ)からは「3人はダメよ」とクギを刺されていた。圭も予定があるらしく、クリスマスは稽古を早めに切り上げてくれるらしい。それでもイブの夜を1人きりで過ごすマリアのことを考えると、真吾はじっと考え込んでしまった。
そのマリアは浮かない表情の紀子(上村香子)のグチに付き合っていた。「子供が大きくなったらクリスマスなんて全然つまらないのよね」。真吾が幼かった頃、マリアはサンタの扮装をしたこともあった。楽しい思い出にふけるマリアを紀子の一言が現実に引き戻した。「息子と2人で過ごせるのは最後かもよ」。真吾が瞳と結婚したらもうクリスマスを一緒に迎えることはない。漠然と覚悟していたとはいえ、マリアは憂鬱になった。
一方、瞳の浮かれ気分は高まるばかり。仕事中にちゃっかりプレゼントを買っていると、マリアから呼び出された。瞳が不審げに待ち合わせ場所の喫茶店にやってくると、マリアはいきなり切り出した。「クリスマス、真吾と2人で過ごさせてほしいの。最後のわがままなの、お願いします」。いくら頼まれてもこれだけは譲れない。そう断るつもりだったのに、気がついたら瞳はうなずいていた。会社に戻った瞳は呆然自失。あんなに必死なマリアに嫌だとはとても言えない。とはいえクリスマスを1人で過ごすのはもっと嫌だ。あきれ返る麻衣子の前で瞳は「もう駄目」と力なく崩れた。
マリアからこの一件を伝えられた真吾は複雑だった。マリアから「ごめんね、勝手なことして。最高のクリスマスにするから」と謝られても、怒る気にも諭す気にもなれない。真吾の胸をよぎった思いはただ一つ、いつもの母さんらしくない。すぐに瞳のマンションに駆けつけた。「来年楽しみにしてるから。私なら全然大丈夫」。言葉とは裏腹に瞳がショックに打ちひしがれているのは真吾の目にも明らかだった。
マリアだって自分の身勝手さを分かっているから、1人でいると自己嫌悪に陥る。だからいつものごとく庄二(蛍原徹)を呼びつけて部屋のクリスマスの飾りつけを手伝わせた。すでに庄二は結婚している。クリスマスは奥さんと過ごすのが当然だ。「せめてお母さんにメリークリスマスって言ってあげて。それだけで幸せなのよ」。庄二は笑顔でうなずくと帰っていった。
そして当日がやってきた。サンタの扮装をした真吾は「メリークリスマス!」とクラッカーを鳴らしながら現れた。とにかく目いっぱい楽しもうと決めたのだ。真吾の気持ちをすぐに感じとったマリアも、陽気にシャンパンのグラスを合わせると七面鳥をほおばった。真吾はこの日のために練習したマジックを披露した。マリアは「すご~い」と拍手喝采。そしてセルフタイマーで2ショットの記念写真を撮影した。昨年までと変わらない、幸せな母と息子だけの岡崎家のクリスマスがそこにあった。
片や瞳はデパートでいくつものプレゼントを買い込むと、スキー客に混じって高速バスに乗った。たどり着いたのは実家、久しぶりの帰省だ。くよくよと1人きりでマンションにいても仕方ない。真吾に倣って今年のクリスマスは両親と迎えようと気持ちを切り替えたのだ。ところがチャイムを鳴らしても誰も出てこない。電話をかけてみるとなんと両親そろって沖縄のホテルにいるというではないか。こんなことならしつこく誘ってくれたアザラシ課長(田山涼成)と飲みに行ったほうがマシだった。「最悪だ」。瞳は真っ暗な実家の前でガックリと座り込んでしまった──。
真吾(坂口憲二)はマリア(松坂慶子)から「もう家に帰ってくるのはやめなさい」と言われてショックに打ちのめされた。マリアは息子からの自立を口実にしたが、同じ息子をもつ旧友の紀子(上村香子)には「寂しいくせに無理しちゃって」としっかりと本心を見透かされてしまった。いつか息子にすがってしまう日がくる。そんな自分が嫌で先手を打ったのだ。マリアだって真吾に会えないのは寂しいが、今こそ息子離れするチャンスだと自分に言い聞かせた。
片や何も知らない瞳(篠原涼子)は嬉々として劇団のポスター張りを手伝っていた。すっかり劇団員達とも打ち解けたが、真吾に目をやるといつになく元気がない。恭介(金子貴俊)の「最近お母さんの話しないよな」で瞳はピンときた。「女心を分かってないんだから」と瞳は真吾の素直さに呆れた。「お母さんの強がりなんだから、来ちゃったって言えばいいのよ」。瞳が一方的にまくしたてると、圭(水川あさみ)達は一斉に拍手した。
真吾が遠慮がちに実家に戻ると、マリアに「瞳さんに言われたんでしょ」と笑われた挙げ句に「早く結婚しなさい。女心が分かってないわね」と尻をたたかれた。「同じようなこと言いやがって」。真吾は母親と恋人にいいように振り回されていた。
その頃、瞳は真吾の子供を宿していることに気づいた。麻衣子(矢沢心)と盛り上がったのも束の間、真吾の反応を考えたら喜んでもらえるかどうか不安になってきた。勇気をふるって伝えるしかない。瞳が告白の決意をすると、真吾からも伝えたいことがあると連絡があった。深夜のグラウンド、向かい合った2人は気合をいれて同時に叫んだ。「結婚しよう!」「赤ちゃんできた!」。どちらも一瞬ポカンとしたが、次の瞬間喜びが爆発した。「やったあ! すげえ」。もちろん瞳は真吾のプロポーズを受け入れてくれた。真吾は瞳を抱きしめるとキスをした。そして「まだ動かないよね」と言いながら瞳のお腹をさすって、世界一のバカップルはいつまでもじゃれあっていた。
2人はまずマリアに報告した。マリアは「真吾をよろしくね」と瞳に頼むと「仲良くやろうね」と付け加えた。妊娠にも喜んでくれたが、一つだけ「真吾みたいな子に育てなさい」と注文をつけた。しかし笑顔で帰っていく2人を見送ったマリアは、真吾に結婚を勧めたことを後悔し始めていた…。
続いては瞳の実家だ。いきなりのできちゃった結婚の報告に父親の博(小野武彦)と母親の美代子(木内みどり)はびっくりした。しかも妹の宏美からマザコンだけは辞めたほうがいいと機先を制されたものだから、瞳がいくら真吾は良いマザコンだと説明しても家族の表情は晴れない。と、その時チャイムが鳴った。真吾が挨拶にやってきたのだ──。
岡崎 真吾 – 坂口憲二
杉浦 瞳 – 篠原涼子
永野 圭 – 水川あさみ
中町 恭介 – 金子貴俊
神野 麻衣子 – 矢沢心
種田 庄二 – 蛍原徹
五十嵐部長 – 田山涼成
瞳の父 – 小野武彦
瞳の母 – 木内みどり
瞳の妹 – 佐藤仁美
高石 宏一 – 高山猛久
藤永 忍 – 麻生幸佑
可愛 今日子 – 西丸優子
麻衣子の彼氏 – 要潤
紀子 – 上村香子
野本 公平 – 阿南健治
岡崎 マリア – 松坂慶子
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感想
実際に自分の彼氏がマザコンなったら嫌だけど、このドラマだったら坂口憲二も松坂慶子もとても優しくて好きだからマザコンでもいいかなと思った。
このドラマの篠原涼子が本当に可愛かった!
マザコンは普通だったら嫌だけど、このドラマではお母さんも坂口憲二も役柄はすごく性格がいい人だったので許すことができた!
実際に自分の彼がマザコンだと許せるかどうかはわからないけれど・・・(笑)
まとめ
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