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「ファイアーボーイズ~め組の大吾~」とは?
2004年1月6日から3月16日まで放送されていたドラマ「ファイアーボーイズ~め組の大吾~」。
原作は曽田正人による漫画作品「め組の大吾」。
主演は山田孝之。
原作とドラマでは舞台が異なっていたり、一部のキャラクターや性格なども変更点がありました。
またストーリーもドラマオリジナルの内容が多く含まれています。
幼い頃に火事にあって消防士に助けられた主人公は大人になって新人消防士となり、幼い頃に見たあの英雄を目指して、仲間と共に一人前の消防士を目指していく物語です。
幼い頃火事に遭い、消防士に助けられた一人の少年がいた。朝比奈大吾、18歳。
そして今、少年は大人になり、新米消防士となった。
炎の中に見た、あの英雄を目指して——。
だが、配属されたのは一見全くやる気がなさそうな、通称“め組”こと「めだかヶ丘出張所」。
しかし、実はそこは、伝説の消防士・五味消防司令率いる、消防のプロフェッショナルたちの居場所、まさに“生死を賭けた最前線”だった。
正義感、使命感に燃える天真爛漫な大吾が、仲間たちとともに闘い、悩み、笑い、泣き、一人前の消防士へと成長していく姿を描く挑戦物語。
大人気コミック「め組の大吾」を原作に、最新CG技術を駆使して制作する渾身の感動ヒューマンドラマ。
やんちゃなところもあるが、正義感だけは誰にも負けない18歳の青年・朝比奈大吾(山田孝之)は、難関の消防官試験を突破し、半年間のハードな訓練を経て、消防学校を卒業した。
大吾がポンプ隊員として配属されたのは、東京郊外にある千国消防署めだかヶ丘出張所—通称“め組”。大吾が生まれ育った町を守り続けてきた消防署だ。
めだかヶ丘出張所には、しっかりしていてちょっと強気な機関員・園田まひる(内山理名)と、救急救命士を目指す新人救急隊員の近藤純(ミムラ)というふたりの若い女性や、大吾の消防学校時代の先輩・甘粕士郎(塚本高史)がいた。甘粕は、大吾が消防学校時代、何かにつけぶつかってきたライバルでもあった。
さらに、消防の仕事をこよなく愛し、よき家庭人でもある隊長の平茂(石黒賢)、冷静沈着なエリート消防士・赤星みつる(葛山信吾)、釣りが趣味のベテラン消防士・植木彦助(モロ師岡)、研究熱心な消防オタク・万丈博士(温水洋一)と、個性的な隊員が揃っていた。そんな彼らを率いているのが、普段は競馬新聞ばかり読んでいる、一見昼行灯の所長・五味一(鹿賀丈史)だった。
幼い頃火事に遭遇し、奇跡的に消防士に救出された過去を持つ大吾にとって、消防士はまさに最高のヒーローだった。高校時代の恩師・落合静香(小西真奈美)に勧められて、必死に勉強して消防士を目指したのも、その消防士のようになりたい、という強い思いがあったからだった。それ故に、大吾は、のんびりと待機していてまったく緊迫感のない隊員たちの姿が信じられない。「め組の“め”は、めったに火事が起きないの“め”、めでたいヤツらの“め”なんだよ」。隊長・平のそんな言葉についカッとなった大吾は、五味や平たちに不満をぶつけてしまうありさまだ。
その時、め組に出場指令が下った。現場は一軒の住宅で、屋外にガスの臭気があり、ガス自殺の可能性があるという。到着しため組は、要救助者の検索を開始した。大吾は、平に直訴して甘粕や植木らとともに屋内に入った。が、ちょっとした静電気だけでも爆発する可能性がある緊迫した状況下で、室内の換気を命じられた大吾は、火花を出しそうになって植木に怒鳴られ、腰を抜かしてしまう。要救助者はめ組によって救出されたが、大吾にとっては散々な初出場だった。
激しく落ち込む大吾に声をかけたのはまひるだった。しかし大吾は、お前には俺の気持ちはわからない、と彼女にあたってしまう。するとまひるは、女性がポンプ隊員になれないことへの不満をぶちまけながらも、「私はあんたみたいにヤケになったりしない。いま出来ることを精一杯やるだけよ!」と言い放つ。
そんな折、再びめ組に出場命令が下った。火災現場は、めだかヶ丘高校—大吾が通っていた高校だった…。
レスキュー出場し、屋根に登って降りられなくなった猫を救出した大吾。その活躍? はテレビニュースでも報道された。が、今度こそ火災現場で活躍したい、という思いでいっぱいの大吾は、ニュース映像を見ため組の面々にからかわれたこともあって、火を消すことだけが消防の仕事じゃない、という隊長の平(石黒賢)や赤星(葛山信吾)の言葉にもついムキになってしまう。
その時、め組に出場命令が下った。ゴミ集積場のボヤだ。原因は放火とみられ、現場にはねじった新聞の燃えかすが残っていた。隣町でも連続放火事件が起こっている上に、先日のめだかヶ丘高校の火災原因も判明していないだけに、不気味な事件だった。
放火犯に対する怒りに燃えた大吾は、犯人を見つけようと非番の日も繁華街をうろつくが、何をすればいいのかわからない。その挙げ句、タバコを投げ捨てた不良たちとケンカ騒ぎを起こしてしまう始末だった。
その帰り、買い物途中のまひる(内山理名)に出会った大吾は、五味が商店街を回って防火指導をしている場面を目撃する。「あんたが知らないところでみんなこの町を守るために頑張ってるのよ」。まひるにそう言われた大吾は、管轄内で火事が起きないのは偶然ではなかったことを知り、言葉を失う。
あくる日、再びめ組に出場命令が下った。駐車してあったバイクのシートに火を付けられたのだ。ところが、その鎮火を終えるとすぐに、今度は商店街で出火、という知らせが入った。さらに別の場所でもボヤ騒ぎがあり、大吾たちは休む間もなく消火活動に奔走する。
家に帰ったが、怒りのあまりなかなか寝付けない大吾。すると今度は、愛犬もん太のガールフレンドがいる近所の家で、犬小屋に火が付けられるという事件が起きた。家を飛び出した大吾は家庭用消火器で何とか火を消したが、もはや犯人への怒りは爆発寸前だ。その現場で大吾は、ねじった古新聞の燃え残りを発見した。そして、わずかに残っていた記事には見覚えが…。その時、商店街でも見かけた不審な男の姿に気づいた大吾は、男に飛びついた。しかし、実はその男は私服捜査官だった。
大吾は、この一件で平から厳重注意を受けた。が、それにもめげずに、青いパーカー姿の男を見た、という目撃証言を元に防火の呼びかけをしようと、まひるや純(ミムラ)に提案する。
それ以来、大吾と、彼の提案にのったまひるは、非番を利用して「青いパーカーの男に注意」と書いたチラシを配り始める。その一方で、大吾はとある部品工場を訪ねていた。そこには、サッカー部時代の憧れの先輩で、青いパーカーがトレードマークだった矢沢(小栗旬)が働いていた。大吾が犬小屋の放火事件で発見した新聞には、矢沢の活躍を報じた記事が掲載されていたのだ。大吾は、矢沢に放火事件のことを切り出した。が、矢沢は、何度か野次馬根性で火事現場を見に行って大吾の姿も見かけた、といってその話を笑い飛ばす。
あくる日、大吾はチラシのことで再び平に叱責される。そこに、森田警部(松重豊)が現れ、いきなり大吾につかみかかった。森田たちがマークしていた矢沢に、大吾が会いに行ったからだ。しかし大吾は、「現行犯逮捕するために泳がせていた」という森田の言葉に反発し…。
め組の面々は、消防訓練のためにめだかヶ丘幼稚園を訪れていた。消防署では、防火・防災への意識向上のために、幼稚園や学校などに招かれて定期的に消防訓練を行っているのだ。大吾も東京消防庁のマスコットキャラクター「キュータ」の着ぐるみを着て奮闘するが、やけに消防のことに詳しい園児・耕太(當間廉生)に作業手順の間違いを指摘された挙げ句、「お前、ホントに消防士?」と言われてしまうありさまだった。
めだかヶ丘出張所に戻ってきた大吾は、病欠の救急隊員に代わって、救急の仕事をヘルプするよう命じられる。大吾は、火災現場で活躍して帰ってきた甘粕(塚本高史)たちの姿を横目に見ながら、純(ミムラ)とともに管轄内を飛び回った。公園に泥酔状態で倒れていた中年男性の介抱、産気づいた妊婦の搬送、サウナでの脳貧血…一時も休む間がない忙しさだった。
その中で大吾は、純が仕事に対してひたむきに取り組んでいる姿を目の当たりにする。純は、救急隊員になったばかりのころ、ひとりの女の子を助けられなかったことに悩み苦しみ、救急救命士の資格を取ろうと非番の日も一生懸命勉強していた。その話をまひる(内山理名)から聞かされた大吾は、改めて救急について勉強しようと、非番の日を利用して書店を訪れる。そこで偶然純に出会った大吾は、彼女に誘われてジェラートの店に行った。その帰り道、大吾と純は、消防訓練の時に会った耕太が、喘息の発作で苦しんでいるのを発見する。ふたりは耕太を介抱し、彼を家まで送り届ける。
あくる日、関東地方は暴風雨に見舞われる。五味(鹿賀丈史)は、平(石黒賢)に増水箇所のチェックと地盤の緩い場所の点検を命じていた。するとそこに救急出場の指令が下った。現場は、めだかヶ丘幼稚園。園児が喘息発作で呼吸困難を起こしているという。耕太のことだ—そう直感した大吾と純は、ただちに幼稚園に急行する。
幼稚園に到着した大吾たちは、耕太を病院に搬送した。が、診断の結果、耕太は肺性心を起こしており、その病院の設備では対処出来ないという。帰所しようとしていた大吾たちは、急遽、耕太を別の専門病院に転送することになったが…。
大吾(山田孝之)は、肌身離さず身につけていたドッグタグ(=認識票)を訓練中になくしてしまう。それは、9歳の時、火事に遭って取り残された大吾を救出してくれた消防士からもらった大切なものだった。そのドッグタグはかなり古いもので、「F531」という刻印がされていた。大吾は、必死に所内を探し回るが、どうしても見つけることが出来ない。大吾のドッグタグを拾ったのは甘粕(塚本高史)だった。甘粕は、大吾をからかうつもりで拾ったことを内緒にしていたのだ。大吾のところにやってきた甘粕は、大吾にはこのドッグタグを持つ資格がないから持ち主に返してやる、と告げた。その持ち主とは、13年前に起きたホテル火災で、重傷を負いながらひとりで逃げ遅れた13名を救出した伝説の消防士だという。しかし、実は甘粕も、その人物の名前までは知らなかった。
あくる日、大吾は図書館に行き、事件当時の記事を調べた。その記事のひとつに写っていたのは、めだかヶ丘出張所の所長・五味(鹿賀丈史)の姿だった。
そんなある日、結婚式場から出火通報があり、め組に出場命令が下った。が、め組の面々が現場に駆けつけると、その式場では何も起きていないという。どうやら通報はいたずらだったらしい。大吾たちが帰所すると、すぐさま出場命令が下った。今度は団地だった。しかし、そこでも火はおろか、煙すらも見えない。大吾たちは、平(石黒賢)の指示で、団地内を一軒一軒確認して回ったが、やはり火災は起きていなかった。
その夜、出張所で待機中のポンプ車のタイヤに穴を開けられるという事件が起きた。慌てて交換作業を始めるまひる(内山理名)たち。その時まひるは、こちらのようすをうかがっている不審な人影に気づく。博士(温水洋一)は、まひるに目をつけたストーカーの仕業では、と言うが…。
調査の結果、出火通報のいたずら電話はすべて公衆電話からだったことが判明する。大吾は、本庁の司令センターに向かい、録音された通報記録を調べるが…。
めだかヶ丘出張所に、千国署のレスキュー隊長・神田(的場浩司)が現れた。
神田は、甘粕(塚本高史)の憧れの人で、赤星(葛山信吾)とは同期でもあった。レスキュー部隊の増員に向けて、人材のスカウトをしていた神田は、新人ながら何かと目立っていた大吾(山田孝之)に興味を持っていた。しかし、神田の目に映った大吾は、体力も標準以下、精神的にも技術的にも未熟なところばかりだった。
そんな中、本庁からの通達で、近隣の建物の特別査察が行われることになった。災害に備えて、火災予防条例などに違反している建物や場所はないか、チェックするのだ。大吾も、五味(鹿賀丈史)に命じられて、赤星とコンビを組み、さっそく管轄区域を回り始めた。
するとふたりは、工事中のマンホールに人が落ち、助けられないでいる現場に出くわす。すぐさま中に入って助け出そうする大吾。しかし赤星は、装備がない上に危険も伴うことから、レスキューが来るまで手を出すな、と大吾を制した。ほどなく、通報を受けた神田たちが到着し、要救助者を無事救出する。「やっぱり無謀なだけか」。そんな神田の言葉に反発した大吾は、その不満を赤星に向けた。隊長の平(石黒賢)に、赤星の判断は間違っていない、と諭されても、まだ納得がいかないようすだ。
その夜、大吾の家に、まひる(内山理名)、純(ミムラ)、甘粕が訪れ、夕食を共にした。すると、妹のミキ(小出早織)が静香(小西真奈美)を連れて帰ってくる。
その席でレスキューの話を聞いた静香は、まひるたちが帰った後、大吾にそのことを切り出した。大吾の性格をよく知っている静香は、彼がまた危険な目に遭うのではないかと心配していた。
あくる日、大吾と赤星は、ブラックリストに載っている山伏工業を訪れていた。その工場は、め組の再三の指導にもかかわらず、廃材や古いドラム缶を放置していた。案の定、社長の山伏(平泉成)は、赤星の警告にも耳を貸さず、ふたりを追い返し…。
大吾(山田孝之)は、山伏工業の救出劇で負ったケガも癒え、久しぶりに任務に戻った。すると、出張所には平(石黒賢)の息子・勇気(須賀健太)がいた。小学校の自由研究で、働く消防士を取り上げるのだという。親バカの平は、そんな勇気のことがかわいくて仕方がない、といった感じだ。
その時、め組に出場指令が入った。勇気を乱暴に押しのけてポンプ車に飛び乗る平。幸い現場はボヤ程度で済み、大事には至らなかった。
後処理の最中、大吾は平に不満をぶつけた。いくら出場とはいえ、平の行為は酷い、と思ったからだ。しかし平は、家族には普段からよく言い聞かせてあるから、と意に介さない。め組の面々が帰所すると、純(ミムラ)が大吾に駆け寄った。大吾の祖母・ハツ(花原照子)が救急車で市立病院に運び込まれたのだという。大吾は、所長の五味(鹿賀丈史)の許可を得ると、慌てて病院へと向かった。
大吾が病院に到着すると、ハツはベッドの上でのんきにまんじゅうを食べていた。ハツは散歩中に転んでねんざしただけだったのだ。そんな大吾に興味を持ち、話しかけてきたのはハツと同じ病室の入院患者たちだ。大吾は、患者たちに乗せられて、現場での経験談を熱く語り、喝采を浴びていた。
あくる日、大吾の元に平がやってきた。勤務がある自分の代わりに、誕生日を迎える勇気の相手をしてほしい、と大吾に頼む平。するとそこに、平の妻・美紗子(西牟田恵)から電話が入った。勇気が、川に釣りに行ったまま戻らない、というのだ。
そこに、出場指令が入った。工場でのオイル漏れ事故だった。平は、「勇気のことは任せた」と美紗子に告げると、電話を切って直ちに出場した。
現場に向かう車の中で、大吾は平に、家に戻るべきではないか、と進言する。しかし平はまったく耳を貸さないばかりか、家族も守れないような人間に他人を守ることが出来るのか、という大吾の言葉に怒り、襟首を掴んで彼を睨みつけた。
オイル漏れ事故の危険排除を終えて出張所に戻った平は、すぐさま家に向かった。ちょうど交代の時間だった大吾やまひる(内山理名)もその後に続いた。
平たちが河原に着くと、警察や消防団がまだ捜索を続けていた。指揮をとっていたのは五味だった。五味の指示で、捜索隊とは別の場所を探しに行った大吾は、土管の中に隠れていた勇気を発見する。勇気は、寂しさのあまり、父親を困らせようとして家に帰らなかったのだ。その思いを知った大吾は、勇気のことを叱りつけた平にかみついた。
そんな騒ぎの中、め組に出場指令が下った。現場は市立太田病院—ハツが入院している病院だった。
め組に救助出場の指令が下った。ビルの屋上で、女性が飛び降りようとしているという。現場に急行した大吾(山田孝之)たちは、その女性を見て驚いた。それは、以前大吾がネコの救助で出会った、飼い主のアケミ(深沢敦)だった。アケミは、ネコが行方不明になったのを悲観してこんな行動をとったらしい。するとその時、風が吹いてアケミのカツラがずれた。それを押さえようとしてバランスを崩すアケミ。甘粕(塚本高史)はとっさにアケミの下半身に抱きついた。大吾もすかさずアケミの上半身を支え、無事に彼女? の救出に成功した。が、カゼ気味で体調を崩していた大吾は、救助を終えて安心したのか、そのまま倒れ込んでしまう。
あくる日、め組にタブロイド紙の記者・丘野(山路和弘)が訪ねてきた。読者からの投書で、自殺未遂騒ぎで活躍した大吾に興味を持ち、取材に来たのだ。実はあの時、下から成り行きを見守っていた野次馬たちからは、大吾がアケミを救ったように見えていたのだった。大吾に間違われて丘野に話しかけられた甘粕は、軽い気持ちで、大吾のいままでの活躍は単に運がよかっただけ、などと丘野に話していた。
次の日、出勤してきた大吾の前に丘野が現れた。丘野は、甘粕から聞いた話を元に、人命救助のヒーローの実態を暴こうとしていたのだ。大吾は、丘野の挑発的な言葉に腹を立てた。すると丘野は、大吾のカッとなりやすい性格を指摘し、これからじっくり取材させてもらう、と宣言する。
そんな折、めだかヶ丘商店街で異臭騒ぎが起きた。め組の面々が現場に急行すると、女子高生が苦しんでいた。バイクに乗った男に、催涙スプレーのようなものを吹きかけられたのだという。
出張所に戻った大吾は、五味(鹿賀丈史)から過去に起きた異臭事件の資料を手渡される。平(石黒賢)たちからも、こうした事件は今後も続く可能性があること、異臭事件は非常に危険な場合があることなどを諭される大吾。その際、平は、異臭騒ぎの現場に丘野がいたこともあって、特に行動には注意しろ、と大吾に釘を刺した。
それから数日後、今度はゲームセンター内で異臭騒ぎが起きた。平は、ガスの成分分析が終わるまで店内の検索を禁止し、外で苦しんでいる客たちのケアを指示した。その時大吾は、助けられた若い男性の肩に、女性用のバッグがかかっていることに気づく。一緒にいた女性がまだ店内にいるようだった。大吾は、甘粕の制止を振り切って店内に飛び込むが…。
め組にテレビ取材のクルーがやってきた。そのせいか、隊長の平(石黒賢)以下、め組の面々はいつもより興奮したようすだ。が、取材クルーの目的は、まひる(内山理名)だった。彼らは、女性消防官の密着番組を作ろうとしていたのだ。
取材ディレクター(小原雅人)は、まひるがホースで放水をするカットを撮りたいとリクエストした。が、まひるは機関員だからそれは出来ない、と平が言うと、露骨に不満顔を見せるディレクター。まひるは、そんなやり取りに不快感を顕わにし、所長の五味(鹿賀丈史)に取材を終わらせて欲しいと直訴する。
その時、め組に出場司令が下った。ひとり暮らしをしている老人・与一(山谷初男)が、風呂の空焚きをしてしまったのだ。幸い、火は近所の住民の協力ですでに鎮火されていた。その時、まひるを追ってきたクルーが、「絵にならないな」とつぶやいた。それを聞いた大吾(山田孝之)は、出張所での勝手な取材ぶりに苛ついていたこともあってクルーに詰め寄ろうとするが、それより先にまひるの怒りが爆発した。まひるは、「消防を何だと思ってるんですか!」とクルーを怒鳴りつけると、動揺している与一に優しく声をかけ、丁寧に防火のためのアドバイスをする。
その夜、シャワーを浴びて事務所に戻ろうとしたまひるは、偶然隊員たちの話を聞いてしまう。まひるの優秀さを認めながらも、ケガや火傷の心配や、体力の無さを指摘する平や赤星(葛山信吾)。まひるを擁護していた大吾や甘粕(塚本高史)も、それには反論することが出来なかった。
まひるは、そのショックを振り払おうとするかのように、無茶な自主トレをする。そこにやってきた平は、彼女を制し、「お前のやるべきことは機関員として与えられた任務を全うすることだ」と告げる。
あくる日、め組に出場司令が下った。与一からの通報だった。大吾たちが現場に駆けつけると、すでに火は消えていた。天ぷらを揚げようとして火が上がったが、消火器で消したのだという。まひるは、与一にケガがなく、被害が少なかったことを喜んだ。が、博士(温水洋一)は、料理をした後がないことなどから、不審を抱いていた。
その後、再び与一の家でボヤ騒ぎがあった。ちょうど交代した後で出場しなかったまひるは、その話を聞かされて驚いた。与一は、近所の人たちに、また火事になったらまひるが来てくれるかな、などと話していたというのだ。
この一件にショックを受けたまひるは、いつもロッカーにしまっていた辞表を五味に提出する。五味は、何も言わずにそれを受け取り…。
異動・昇進の時期を前に、め組の面々もそれぞれの目標に向かって精進を続けていた。救急救命士を目指す純(ミムラ)、昇進試験に備える赤星(葛山信吾)、毒劇物取扱者の試験に挑む博士(温水洋一)らは、勉強に余念がない。
そんな中、甘粕(塚本高史)は、1ヵ月後のレスキュー試験に挑戦する、と言い出す。レスキュー隊員の増員に伴い、受験資格の枠が広がったのだという。受験資格の変更は、レスキュー隊隊長・神田(的場浩司)のたっての希望で実現したものだった。
甘粕に誘われて、レスキューを見学に行った大吾(山田孝之)は、彼らのハードな訓練に圧倒される。そんな大吾に声をかけたのは神田だった。神田に命じられ、隊員たちの見ている前でロープブリッジ渡過に挑戦させられる大吾と甘粕。しかし大吾は、神田の大声に驚いて落下し、宙づりになってしまう。
神田は、落ち込む大吾をさらに挑発した。やっぱりめでたいめ組か—そんな神田の言葉に反発した大吾は、レスキュー試験を受ける、と神田に宣言。あくる日から早速トレーニングを開始する。
同じころ、五味(鹿賀丈史)は、ベテラン消防士の植木(モロ師岡)に、消防学校の教官職への異動を打診していた。が、生涯火消しひと筋、をモットーにしてきた植木は、なかなか現場を離れる決心がつかない。そんな事情を知らない大吾は、学科の勉強を見て欲しい、と植木に相談した。大吾や甘粕の熱意に負けた植木は、自らの経験談を交えながら、バックドラフト(火がくすぶっているところに新鮮な空気が入ったことで爆発的に燃焼が広がる現象)や、フラッシュオーバー(火炎室内の可燃物が加熱されて発生したガスが蓄積し一気に爆発する現象)など、必要な知識を改めてふたりに教えていった。
そんなある日、大吾の家に静香(小西真奈美)がやってきた。静香は、大吾の妹・ミキ(小出早織)からレスキュー試験の話を聞いて心配していたのだ。静香は、大吾が神田への対抗意識で受験することを非難する。が、静香が恋人といるところを目撃して以来、彼女の言葉を素直に聞けない大吾は、「先生には関係ない」と言ってしまう。
あくる日、大吾は、植木が消防学校の教官になるかもしれない、と純に教えられ、大きなショックを受ける。平(石黒賢)の制止も聞かず、植木を説得しようとする大吾。すると植木は、人にはそれぞれ行くべき道があるのだから、お前はレスキューで技術を磨け、と大吾を諭す。
植木の言葉で、改めてレスキュー試験へのモチベーションを高めた大吾は、以前にも増してトレーニングや勉強に精を出すようになる。体力テスト突破の最低ラインもクリア間近だった。
そんな矢先、め組に出場指令が下った。資源再処理研究センターの地下集積場で火災が発生し、応援要請が入ったのだ。大吾たちはただちに現場に駆けつけるが…。
めだかヶ丘出張所で、資源再処理研究センターの火災で殉職した植木(モロ師岡)の消防葬が行われた。葬儀には、所長の五味(鹿賀丈史)以下、め組の隊員たちはもちろん、植木の元同僚たちも駆けつけ、最後の別れを惜しんだ。同じころ、大吾(山田孝之)は、病院のベッドの上にいた。大吾も爆発事故に巻き込まれて、負傷していたのだ。ケガは順調に回復していたが、事故のことや植木の最後の笑顔を思い出す度に、激しい嘔吐に見舞われ、もがき苦しむ大吾。まひる(内山理名)、純(ミムラ)、甘粕(塚本高史)の3人は、そんな大吾のことを心配して見舞いに訪れた。しかし大吾は、誰とも会いたくないという。そんな大吾の態度に業を煮やした甘粕は、大吾のいる病室に飛びこみ、辛いのはみんな同じだ、と怒りをぶつけた。さらに甘粕は、応援してくれた植木のためにもレスキュー試験を受ける、と大吾に宣言する。が、まるで抜け殻のような状態の大吾には、そんな彼の思いは届いていないようだった。
その夜、病院の屋上に佇む大吾のもとに、静香(小西真奈美)がやってきた。静香は、努めて明るく大吾を励まそうとした。すると、「オレが残れば良かった…」とぽつりと言う大吾。こみ上げてくる思いを抑えきれず、嗚咽する大吾の姿に、静香も言葉が見つからなかった。
数日後、退院した大吾は、植木の眠っている墓を訪れた。大吾は、五味(鹿賀丈史)からもらったドッグタグをポケットから取り出すと、静かに墓に置いた。そこにやってきた純は、大吾が消防士を辞めようと思っていることに気づく。自分のふがいなさに苛立つように弱音を吐く大吾。すると純は、そんな大吾の頬をひっぱたき、「信じてるから…絶対に戻ってくるって」と言うと、ドッグタグを拾ってその場を立ち去る…。
純からその話を聞かされた平(石黒賢)たちは、さすがにショックを隠せないでいた。しかし甘粕だけは、辞めたいやつは辞めればいい、とそっけない。
その夜、大吾の家に博士(温水洋一)がやってきた。町を見下ろす丘で、植木との思い出を語る博士。さらに博士は、あの事故の時、植木を残してはしご車のレバーを引いた判断は間違っていなかった、と大吾に告げた。
大吾が家に戻ると、家の中には平が上がりこんでいた。平は、大吾の母・都子(大島蓉子)や、祖母のハツ(花原照子)に土産を渡し、大吾を市営グラウンドに連れ出した。そこには、レスキュー試験に向けて、必死にトレーニングを続ける甘粕の姿があった。平は、め組のみんなも、どうすれば悲しみを乗り越えられるのか、消防士としてどうすればいいのか、その答えが見つからない中で闘っていることを大吾に伝えたかったのだ。大吾は、そんな平の言葉を聞きながら、甘粕の姿を見つめ続け…。
レスキュー採用試験に挑戦した大吾(山田孝之)と甘粕(塚本高史)は、体力テスト最後の種目・1500メートル走に臨んだ。基準タイムは5分10秒。大吾は、あえぎ、苦しみながらひたむきに走り続けた。トレーニング中に足を痛めてしまい、途中転倒するというアクシデントに見舞われた甘粕も、必死に立ち上がってレースを続ける。大吾のタイムは5分10秒02だった。遅れた甘粕も、最下位ながら完走していた。
試験を終えた大吾と甘粕を、心配して見に来ていたまひる(内山理名)や純(ミムラ)たち、め組の面々が取り囲んだ。するとそこに神田(的場浩司)がやってきた。残念だったな、と神田は大吾たちに声をかけた。しかし大吾は、もう一度鍛え直して再挑戦すると神田に力強く宣言する。
大吾たちが試験会場を出ようとすると、そこに静香(小西真奈美)の姿があった。大吾は、心配をかけてしまったことを静香に詫びた。しかし静香は、そんな大吾を温かく励ます。
あくる日、大吾はめ組に復帰した。所長の五味(鹿賀丈史)に謝罪する大吾。五味は、そんな大吾に何も言わず、彼を迎え入れた。するとそこに、救助出場の指令が下る。駅で、男性がホームと電車の間に挟まれたのだという。
現場に到着した大吾たちは、ただちに救助作業を開始しようとした。が、め組の機材では困難な状況だった。レスキュー隊も別の事故の処理中だった。大吾は、無責任に騒ぎ立てる乗客たちにも焦ることもなく、ある提案をした。それは、乗客たちに協力してもらい、車両の片側に乗客を集めて、その重みで車両を少しだけ傾けてその間に救出するというというものだった。隊長の平(石黒賢)は、即座に決断を下し、大吾の提案を実行に移した。そして、無事に男性の救出に成功する。
任務を終えて帰所した大吾たちの元に、神田がやってきた。仕事のついでにレスキュー試験の結果を知らせにきたのだった。
朝比奈大吾 – 山田孝之
園田まひる – 内山理名
近藤純 – ミムラ
甘粕士郎 – 塚本高史
赤星みつる – 葛山信吾
植木彦助 – モロ師岡
万丈博士 – 温水洋一
高山俊介 – 江畑浩規
平茂 – 石黒賢
五味一 – 鹿賀丈史
神田 – 的場浩司
落合静香 – 小西真奈美
猫田 – 嶋田久作
朝比奈ミキ – 小出早織
朝比奈都子 – 大島蓉子
朝比奈ハツ – 花原照子
アケミ – 深沢敦
取材ディレクター – 小原雅人
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感想
ものすごい迫力で、どうやって撮影していたのだろうか気になった。
今まで自分が見てきた作品の中で一番泣けるドラマなのではないかと自分自身の中でそう思っている。
あまり同世代の中では知名度がないけれど、このような名作をぜひたくさんの人に見てほしい。
まとめ
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