1987、ある闘いの真実(韓国映画)公式無料動画配信や見逃しをフル視聴する方法！感想まとめ

この作品に描かれていることがたった31年前の話だなんて・・・。
韓国の軍事独裁政権を暴く群像劇で、学生や記者や検事や医師や牧師や看守などなどたくさんの人が権力に立ち向かって、人の数だけドラマが積み重なる重厚な社会派の傑作品だと思う。
韓国の人々の熱量に圧倒させられた。

この作品を見ながら世界中でまだ同じことが繰り返されているのだと思うと、やるせない気持ちになった。
今でも世界中のどこかで国民の民主化デモに対し武力鎮圧している国があって、民主主義が完璧だとは思えないけれど、武力で治める政治は絶対におかしいと思う。
民衆一人ひとりの小さな行動が大きなうねりに繋がるんだろうなと思う。
今の日本は空気みたいに政治を諦める国民の姿勢が良くないなと改めて考えさせられた。
デモを起こせばいいというわけではないけれど、今の日本人も国のことを少しでも考える人が増えたらいいなと思うようになった。

この映画は豪華な俳優陣で製作されていて、韓国の近代史ものは本当に面白かった。
面白いというのは不謹慎な言い方だろうか？
例えば日本で言うと昭和史にあるような、何かが大きく変わっていくときの闇が描かれていたのでとても興味深かった。
これまでと時代が変化するというのは今までの常識が非常識になったりして、その時の罪を問われたりするというのは個人としては納得いかないこともあるだろうなと思う。
正義を貫いて地位を失ってしまったり職を失ったり、命すら失ってしまうことだってあるかもしれない。
命はともかくとして職を失ってまで自分の誇りを保てるのだろうか・・・。
自分はこの映画のようにはいかないだろうな。

この映画は韓国民主化運動が描かれていた作品。
1988年にソウルオリンピックが開催されていたので、もっと前から成熟していたとてっきり思い込んでいたけれど、民主化はまだ34年前の出来事だったということに驚きを隠せなかった。
自らの定めた正義以外はすべて開くである独裁政権の恐ろしさ、さらに良識のある市民の声の力を感じさせられた本当に素晴らしい作品だった。
まさにこれが韓国の歴史が動いた瞬間を描いた作品だ！