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「君が想い出になる前に」とは?

2004年7月6日から9月14日まで毎週火曜日に放送されていたドラマ「君が想い出になる前に」。
観月ありさ主演で放送された。
この作品では等身大のナチュラルな大人の女性を演じている観月ありさ、また新しい女優としての顔を見せてくれています。
純粋に人を愛して行くにはどうしたらいいのか、どうあるべきなのかを問いかけ温かくて、でも切ないラブストーリーになっています。

このドラマは、ヒロインが、過去の全ての記憶を失った男と出会い恋に落ちていく中で、人が純粋に人を愛していくにはどうしたらよいか、どうあるべきかを問いかけていく温かくも切ない本格的ラブ・ストーリーです。
主演の観月ありさは、「ナースのお仕事」に代表されるように、元気いっぱいで明るい女の子役で不動の人気を築きましたが、今回は等身大のナチュラルな大人の女性を演じ、新しい顔をみせていきます。

CM撮影現場で、きびきびと働くスタイリストの佐伯奈緒(観月ありさ)。やりがいのある仕事をてきぱきとこなし職場の仲間からの信頼も厚い奈緒は、充実した毎日を送っていた。奈緒は、仕事終わりに職場に迎えに来てくれた広告代理店で働く恋人の結城和也(玉山鉄二)と2人で自宅でのんびりと食事をしていた。奈緒の住む自宅は、姉、美穂(森口瑤子)夫婦の持ち物。3年前から海外に転勤になった姉の家族が帰ってくるまでの間、留守番も兼ねてただで住まわせてもらっていたのだ。その夫婦がいよいよ帰ってくる。
 奈緒にとって姉の美穂は、一番の理解者だった。一流大学を出て大手の商社に勤務、9年前に職場の上司と結婚し、かわいい息子もいる。「順風満帆っていうのはお姉ちゃんみたいな人生のことを言うんだろうなあ」。ただ、義兄の光彦(椎名桔平)のことはあまり知らなかった。結婚式で会ったきりなのだ。
 「もうすぐ出なくちゃいけないんだろ」和也がマンションのパンフレットを取り出した。「えーっ。広すぎるよ…和也まさかこれって…。」和也を見る奈緒。「2人の家のつもりなんだけど」これを期に結婚しようというのだ。その日は奈緒にとって最高の日になった。
翌朝、風邪をひいた様子の和也に奈緒が温かいコップを差し出した。「蜂蜜ミルク。風邪気味のときお姉ちゃんがよく作ってくれたの。」そのとき、突然電話が鳴った。
 「…お姉ちゃんが…嘘…。」突然の訃報だった。
 空港に向かった奈緒と和也に対応してくれたのは、義兄が働く伍代物産の阿久津順子(木村多江)。3人はドライブ中に立ち寄ったドライブインで物取り目的の強盗に襲われたらしい。姉は銃で撃たれて即死だったという。夫の光彦は意識不明の重体、ちょうどそのとき現場から離れていた息子の祐輔(広田亮平)は難を逃れて無事だった。
 頭に包帯を巻いた光彦が空港から息子の手を引いて出てきた。もう一方の手には遺骨を抱えて。しかしどことなくうつろな瞳…。「襲われたときのショックで、何も覚えていないんです。」順子は無表情に説明した。
 奈緒は2人をマンションに連れて行った。姉と義兄が過ごしてきた思い出のマンション。息子のことすら思い出せない光彦だが、ここに帰ってくれば、何か思い出すかもしれない。「あなたが住んでいた家です。覚えてませんか。」しかし光彦は何も思い出せない。奈緒はそんな光彦に対して、辛く当たってしまう。「記憶がないからってそれが何だっていうのよ。あなた生きてるじゃない…。」「すいません」うつむく光彦。「わかってる。あなたのせいじゃない。」奈緒はその場を立ち去ってしまう。
 奈緒の父、佐伯正治郎(小野武彦)が上京してきた。「俺は最初からお前なんかとの結婚には反対だったんだ! 転勤の話だって、こっちに何の相談もなく美穂たちを連れて行きやがって! お前と一緒にならなければ美穂がこんな目にあうことは…。」正治郎は、孫である祐輔を自分の家、山梨に引き取ると言い出した。
 奈緒の仕事のピンチヒッターとして、富田ちひろ(加藤あい)に仕事が回ってきた。
 しかし素直には喜べないちひろ。彼女は和也に淡い思いを抱いていた。
美穂の葬儀の日。大勢の弔問客と花で囲まれた立派な祭壇。会社が仕切る葬儀なのだが、規模の大きさに光彦の会社での立場がうかがい知れた。そして喪主として光彦が挨拶をする。たどたどしい棒読みであったが、「私の愛する妻」で言葉を詰まらせてしまう。「鬼の目にも涙ってヤツだな」弔問客はそう思ったが、光彦は、「愛する妻」という文字に詰まっていたのだ。
 「私はこの人を愛していたんでしょうか…?」弔問客が去ったあと誰もいなくなった葬儀場の祭壇の前で、光彦は奈緒に語りかけた。「私はただ息をしているだけだ。自分が何者ですらわからない自分に生きている価値などあるのでしょうか?…」苦渋に満ちた表情の光彦。
 葬儀も終わり正治郎が祐輔を連れて山梨へ帰るという。そのとき祐輔がおなかが痛いと言い出した。奈緒が祐輔のためにとマグカップにホットミルクを注ぎ蜂蜜をいれかき混ぜていると、その様子を見ていた光彦がつぶやいた。「…蜂蜜ミルク。」
 はっとする奈緒…。

「お兄さんの人生、ここからもう一度始めてほしいんです」。奈緒(観月ありさ)は一緒に暮らしながら記憶を失ってしまった義兄光彦(椎名桔平)とその息子祐輔(広田亮平)の身の回りの世話をすることに決めた。「がんばれよ」。結婚を誓いあった和也(玉山鉄二)も奈緒の決断を快く認めてくれた。その和也の献身的なサポートのおかげで、祐輔もようやくしゃべってくれるようになった。もっとも奈緒と亡くなった姉・美穂(森口瑶子)の父親・正治郎(小野武彦)だけは依然として光彦を許そうとはしなかった。
 奇妙な共同生活が始まった。奈緒は朝ごはんの用意をすると、昼食代を光彦に手渡してマンションを後にした。「迷惑をかけないようにしますから」。所属事務所の社長、後輩のちひろ(加藤あい)、優子(中山 恵)にも事情を伝えてスタイリストの仕事に支障はきたさないと約束した。目まぐるしい1日の仕事が終わると、奈緒は夕食の買い物をして帰宅した。「お帰り。すぐ食べられるから」。なんと和也が手料理をつくって待っていてくれた。奈緒は親子そろいで買ったパジャマを光彦と祐輔にプレゼントした。「ありがとうございます」。なごやかな時間がゆっくりと流れていった。
 ところが和也が帰ってしまうと、奈緒は昼食用に注文した宅配ピザが手つかずのままゴミ箱に捨てられているのに気づいた。「驚いて落としてしまったんです」。同じマンションの住人にいきなり話しかけられて恐怖を感じたという。翌日、光彦を診察した臨床心理士は奈緒に注意をうながした。記憶喪失者は自分を知っている人間から大きな重圧をうけるという。「最悪の場合、自殺する人もいますから」。
 奈緒が仕事中は順子(木村多江)が光彦に付き添ってくれた。もちろん、かつての部下もいまの光彦にとっては見知らぬ他人だ。「私はどんな人間だったんですか」「とても有能で仕事ができました」。その言葉は嘘ではなかったが、光彦はそれだけの社員ではなかった。記憶を失うまでの光彦はその非情さにおいて同僚や部下から恐れられていた。だから順子からの報告を受けた専務の柏木(平泉成)は「あの男はわが社にとって重要な人間だ」と断じた。たしかに光彦がシンガポールで進めていた仕事の事後処理は、きわめて慎重さを要求されるものだった。
 美穂の遺品を詰めたダンボール箱がマンションに届いた。「ずっと持っていてくれたんだね、お姉ちゃん」。奈緒が贈った想い出の品々にまじって家族3人で写された写真が出てきた。噴水の前に立つ光彦、美穂、そして祐輔。どこかの動物園で撮影したものらしい。
 和也はいきつけのバーで後輩の弘樹(藤沢大悟)、ちひろ、優子たちと飲んでいた。「こうなったら結婚はしばらくお預けだな」。マスターの小野寺(松崎しげる)に奈緒との婚約をバラされて和也は照れた。歓声が上がる中、ちひろだけが黙りこんでしまったことには誰も気づかなかった。
 その朝、奈緒は近くの小学校で祐輔の転入手続きをしてから仕事場のスタジオに向かった。「どういうことなの!」。手配したはずの衣装がまだ届いていない。「冗談じゃないわ!」。モデルの女優が苛立ち、スタッフの間に緊張が走った。「すぐに取りに行ってきます」。奈緒がスタジオを飛び出そうとしたまさにそのとき、携帯電話が鳴った。切羽つまった光彦の声が聞こえた。「祐輔くんがいなくなりました」─。

記憶喪失になってからはじめて出社した光彦(椎名桔平)は突然、児玉(モロ師岡)と名乗る男から殴られた。順子(木村多江)の説明によると、児玉の会社と契約上のトラブルがあったものの、すでに裁判で伍代物産が勝訴している。「だから気にされることはありません」。しかし児玉の怒声を光彦は忘れることはできなかった。
 奈緒(観月ありさ)は人気アーティスト、堤エリカ(上原多香子)から新曲のジャケットの衣装を依頼された。スケジュールは立て込んでいるが、奈緒は引き受けた。めまぐるしく1日の仕事をこなしてマンションに帰宅すると、光彦と祐輔(広田亮平)のために夕食を作った。しかし光彦は児玉の一件が引っかかっているらしく食欲が無かった。
 心身ともに疲れきった奈緒の心を慰めてくれるのは和也(玉山鉄二)の存在だった。出張先から「あんまり無理すんなよ」との電話が。そして翌日の夜、いつものバーで久しぶりに顔を合わせることができた。「お兄さんの調子はどう?」「少し落ち着いてきたみたい」何気なく手帳を見ていた奈緒はハッとした。今日は祐輔の誕生日だった。「ごめん、帰っていいかな」「え、いいよ」。あわただしく店を出て行く奈緒を和也、弘樹(藤崎大悟)、優子(中山恵)そして、ちひろ(加藤あい)は、あっけにとられたように見送った。
 今朝、祐輔が沈んだ表情だったわけはこれだった。「今からお誕生会しよ」。奈緒が慣れない手つきでケーキを作り始めると、光彦も手伝ってくれた。「奈緒おばちゃん、ありがとう」。初めて名前を呼んでくれたことに奈緒は胸が熱くなった。3人だけの深夜のパーティー。祐輔が寝室に下がると光彦は復職したいと奈緒に打ち明けた。「一人前の人間になりたいんです。祐輔の父親として。」もちろん奈緒は賛成した。
 数日後、奈緒の選んだ明るい色のスーツを着て、光彦は出社した。職場となる資料室で仕事の説明を受けていると、専務室に呼ばれた。「君はシンガポールで地下鉄工事を進めていたんだ。」柏木専務(平泉成)によると、光彦が日本側の責任者だったという。「ゆっくりやってくれ」だが光彦が部屋を出て行くと、柏木は部下の杉山(山口馬木也)に耳打ちした。「忘れたままのほうが幸せなこともある。目を放さないよう頼む」。
 光彦は資料室で見つけた社内レポートを持ち帰ると奈緒に見せた。どうやらあの児玉の会社にまつわる内容らしい。奈緒は小野寺(松崎しげる)に判断をあおいだ。バーのマスターになる前は商社マンだったのだ。伍代物産が持ちかけたタイのリゾート開発に児玉の会社はのった。しかし伍代物産は突然、開発を中止したため、児玉の会社は莫大な負債を抱えて倒産した。商社に正式な契約は無かったから、裁判で児玉は敗れた。「お兄さんが悪いわけじゃない」。奈緒は励ましたが、光彦の表情は晴れなかった。責任者は光彦だったのだ。
 光彦が児玉に会って「謝罪したい」と言い出した。「私もいきます」。アパートの荒れた室内で光彦と奈緒は児玉に向かい合った。「もう手遅れなんだよ」。会社は倒産、家族も児玉を見捨てた。「帰ってくれ!」仕方なく2人が玄関に向かいかけると、児玉が胸を押さえて倒れた。「児玉さん!」
 帰り道、光彦は奈緒に問いかけた。「私は自分の仕事が好きだったんでしょうか?」光彦は奈緒のスタイリストという仕事がうらやましかった。奈緒が選んでくれたスーツのおかげで出社する勇気がでたからだ。「素敵な仕事ですね」
 奈緒はスタイリストという仕事が好きだったし、自信もあった。だからエリカの仕事で本人が首をかしげたのを意外に感じた。これまで奈緒の選んだ衣装は一目で気に入ってくれたのに。
 原因がわかった。エリカから手渡された新曲のMDを事務所に置きっぱなしにしていたのだ。慌てて聞いた奈緒の表情が変わった。これまでとはイメージが違う。撮影は明日だ。「今からショップ回りをするわ」奈緒は事務所を飛び出した。和也からかかってきた電話も片言で切ってしまった。閉店間際のショップをはしごし、挙げ句徹夜して自分で衣装を作った。
 奈緒が荷物を抱えて事務所に戻るとちひろだけがいた。「ただいま」「お疲れ様でした」2人の間に気まずい空気が生まれた。というのは奈緒は最近光彦と祐輔にかかりっきりで和也のことはなおざりになっていた。そのことをちひろは非難めいた口調で指摘したからだ。「和也だってウチの事情はわかってくれているし」奈緒はそう信じていたが、まさかちひろが和也に思いを寄せていることまでは気付いていなかった。
 「手伝います」。ギクシャクした空気を振り払うようにちひろが奈緒の荷物を受け取ろうとした瞬間だった。「奈緒さん!」めまいに襲われた奈緒は崩れるように倒れた。

奈緒(観月ありさ)と光彦(椎名桔平)の姿にショックを受けた和也(玉山鉄二)がマンションまで戻ってくると、ちひろ(加藤あい)が待っていた。「ずっと好きだったんです」。しかし和也が困惑した表情を覗かせるとちひろは涙をこらえた。「もう邪魔しません」ちひろは小走りに夜の闇に消えた。
 しかし2人は思わぬ形で顔をあわせることになった。和也が企画したCMで、ディレクターの藤嶋(相沢一之)がスタイリストにちひろを指名したのだ。当然和也とは仕事場で一緒の時間を過ごすこととなる。「頑張ってね」奈緒は複雑な思いを抑えてちひろを励ました。「ありがとうございます。」早速ちひろが打ち合わせに出かけると優子(中山恵)が聞いてきた。「心配じゃないですか」「仕事は仕事でしょ。」もちろん奈緒は平静を装った。だから2人の仕事場を訪れたときもなぜか声をかけそびれてしまった。
 奈緒が事務所に戻ると、光彦が祐輔(広田亮平)と待っていた。「今日は私がご馳走します。」「おいしい店があるんです。」奈緒は近くの行きつけの店を選んだ。窓際のテーブルで楽しそうに食事をする3人。その姿をたまたま車で通りかかった和也に見られていたことは、奈緒は知るはずも無かった。
 「また行こうね」よほど楽しかったのだろう、はしゃぎすぎた祐輔は帰宅するなりソファで寝入った。奈緒と光彦がベランダに出ると、夜空には明るい月が浮かんでいた。「こうしていると落ち着くんです。」月を眺める光彦の横顔に向かって、奈緒は少女時代山梨で過ごした少女時代の思い出を語った。「姉と一緒に星を見ていて、よく父に怒られました。」光彦はもらすように行った、「私はどんな子供時代を送ったのでしょう。思い出したいです。」
 光彦の心療テストの結果が出た。「かなり落ち着いてきたみたいですね。」臨床心理士とのやりとりの中で光彦は教会の鐘の音について打ち明けた。「懐かしいような気がしました」記憶を失う前にどこかで耳にしたらしい。
 もうひとつ光彦の過去につながる手がかりが見つかった。光彦名義の通帳と古い写真。利用明細によると年1回の割合でタナベヨシコという人物に送金している。写真は古びたマリア像だ。「お兄さん身寄りが無いってことだったけど、遠い親戚かも」けれど奈緒に聞かれても光彦は何も答えられなかった。
 藤嶋は人気ディレクターだったが、その我がままぶりは業界でも有名だった。予想通り撮影初日からもめた。セットの変更をいきなり要求してきたのだ。「注文どおりのはずですが」。和也は怒りをこらえて反論すると、藤嶋は「俺が気にくわないって言ったらダメなんだよ」。挙句にはスタジオから帰ってしまった。
 和也はいつものバーに奈緒を呼び出した。「何かヤなことでもあった?」奈緒は敏感に気付いたが和也は打ち明けられなかった。いつになく深刻なムードのマスターの小野寺(松崎しげる)と紀子(若月彩子)も声をかけづらい。和也は話題を変えた。「明日両親が出てくるからあってくれないかな」。奈緒は、明日、休日をとっていた。そこへにぎやかに弘樹(藤沢大悟)、優子、そしてちひろがやってきた。不倫がたまたま話題に出た。「本当に好きなら仕方ないんじゃない」。ちひろの一言は奈緒にも意外だったが、その場は深く考えることもなかった。
 順子(木村多江)の調べによって、送金先は孤児院の院長と判明。「これから行ってみましょう」。奈緒が祐輔も連れて3人で出かけようとすると、和也がやってきた。「ゴメン、今日はだめになったの」和也はため息を漏らすと帰っていった。
 尋ねた先で鐘の音が響いた。その孤児院には教会があった。そして写真の古びたマリア像も。「お待ちしておりました。」そこにシスター姿の田辺芳子(草村礼子)立っていた…。
 一方、撮影スタジオでは藤嶋の横暴ぶりはますますひどくなっていた「いい加減にしてください」和也は怒りを押し殺したつもりだったが、藤嶋は「そういう態度なら俺おりるよ」と開き直った。和也は上司からも「藤嶋さんに謝れ」と諭されたが…。

ついにちひろ(加藤あい)は和也(玉山鉄二)の部屋で一夜を共にしたが、翌朝は苦い思いで迎えた。「これで何がどうなるとか、思ってませんから」。昨夜連絡がつかずに心配していた奈緒(観月ありさ)がまもなく来る。「いい思い出にします」。ちひろと入れ替わるように奈緒が現れた。「昨日はごめんなさい」。光彦(椎名桔平)の育った孤児院に行ったために、和也の両親に会えなかったことを奈緒はわびた。改めて実家に挨拶にいくことを約束した。
 「それにCMのことも。何も知らないでごめん」。和也がディレクターの藤嶋(相島一之)と衝突して自ら企画したCMを降板させられたことも、後輩スタイリストの優子(中山恵)から教えられて知ったのだ。「もういいって」。それで奈緒の気持ちは晴れたはずだったが、床に意外なものを見つけた。自分のものではないイヤリング。「誰か来たの?」「別に」。奈緒の胸に小さな不安が芽生えた。
 和也は奈緒と実家に帰った。「本当にいい方でよかったわ」。両親も奈緒を気に入ってくれた。一方、さらに自分の過去を知りたいと願う光彦は孤児院の院長に、生みの母親について調べてくれるよう頼んだ。息子の祐輔(広田亮平)はすっかり光彦になついていたが、奈緒と和也が結婚すると聞かされると寂しそうな顔をのぞかせた。
 和也は上司から藤嶋に会うように言われた。「現場に戻ってくれないか」。ごう慢な藤嶋が頭を下げるには理由があった。頼んだのはちひろだった。藤嶋が軽い気持ちで一晩つきあうならと応じると、ホテルまでついてきた。「冗談も通じないんだから。大事にしたほうがいいぞ、あの子」。自分のためにそこまでしてくれたなんて。和也はちひろの思いの深さに心打たれた。
 上京してきた奈緒の父親、正治郎(小野武彦)がマンションを訪ねてきた。「これ、植えてやってくれ」。実家のぶどう園の苗木。亡くなった姉の美穂はベランダにぶどう棚を作りたいと願っていた。正治郎は実家に美穂の墓を用意してくれるという。「ありがとうございます」。光彦の穏やかな表情を正治郎は意外な思いで見つめた。「ちょっと雰囲気が変わったな」。正治郎の目には別人のように見えた。奈緒は孤児院のいきさつを伝えた。「お前のほうはどうなんだ」。奈緒は照れながらも和也の両親に気に入ってもらえたことを打ち明けた。
 しかしあのイヤリングがちひろのものであることを知ると、奈緒の不安はさらにふくれあがった。ちひろは、和也への思いを断ち切ろうと仕事に専念した。その姿をじっと見つめる和也の視線には気づいていなかった。
 出社した光彦は資料室から聞こえてきた話し声に思わず足を止めた。「いい加減、あの人のことは忘れたらどうだ」。いら立っているのは杉山(山口馬木也)。「あれだけつくしたのに最後の最後に奥さんに乗り換えられて、まだ未練があるのか」「やめてください!」。悲鳴にも似た声は順子(木村多江)だった。「どういうことでしょうか」。杉山が立ち去ると、光彦は順子に問いただした。かつて2人は恋人同士だったのだ。「私はもう忘れました。あなたも忘れてください」。しかし光彦はうなずくことはできなかった。
 ちひろはなじみのバーのマスター小野寺(松崎しげる)にさりげなく聞いた。「相手がいる人を好きになったことあります?」「そういうこと関係ないと思うよ」。けれどちひろは切ないため息をもらした。「やっぱりあきらめるしかないですよね」。
 来週にもお墓ができると正治郎が知らせてきた。「ちょっとイヤなんです。お姉ちゃんが死んだことを認めてしまう気がして」。奈緒が沈んだ声で打ち明けると光彦は優しくたずねた。「悩み事があれば私に話してください」。しかし和也のことは言えない。「ありがとう。でも大丈夫です」。奈緒は自分を励ますように答えた。
 奈緒は和也に会いたくて撮影スタジオをのぞいてみた。和也に駆け寄ろうとして奈緒は思わず立ち止まった。辛そうな表情のちひろが一緒にいたのだ。「やっぱり、いい思い出になんかできない」。泣きだしたちひろを和也は抱きしめた。奈緒は凍りついたように2人を呆然と見つめていた─。

奈緒(観月ありさ)は和也(玉山鉄二)をランチに誘いだすと、さりげなくちひろ(加藤あい)のことを話題にした。「昨夜、一緒だったの?」「あ、うん」。はぐらかせるような口調に奈緒の不安はふくれあがった。さらに弘樹(藤沢大悟)から、和也が仕事に復帰できたのはちひろのおかげと教えられては、もう黙っていられなかった。しかし奈緒から問いつめられても、ちひろはひるまなかった。「私、和也さんが好きです。彼の部屋で朝まで過ごしました」。覚悟していたとはいえ、奈緒はがく然とした。「奈緒さんより和也さんのこと大切にします」。奈緒はいたたまれずに事務所を飛び出した。
 炎天下の撮影で立ちくらみを起こした奈緒が、早めに帰宅すると、和也がやって来た。光彦(椎名桔平)は祐輔(広田亮平)を連れて近所の公園に出かけてる。「ちひろちゃんから聞いた」。その一言で和也もこらえていた気持ちを奈緒にぶつけた。「お兄さんたちが帰ってきてから奈緒は変わったよ。俺のことは二の次でさ。お兄さんのこと、どう思ってるの」。思いもかけない言葉に奈緒はショックをうけた。「お兄さんは家族なのに、そんな風に見てたなんて。和也が信じられない。とにかく今日は帰って」。声を荒げた奈緒は息をのんだ。2人のやりとりを光彦に聞かれてしまった。和也は逃げるように帰っていった。
 その夜、和也はちひろと会った。「ごめんなさい。イヤな女ですよね、私」。和也はけっして遊びでちひろと一夜を過ごしたわけではなかった。「どうするんですか」。しかしちひろの問いかけに和也は力なく首をふった。「わからない。ごめん」。それでもちひろは別れ際にきっぱりと言った。「急がなくていいです。私、待ってますから」。
 「お姉ちゃん、どうしたらいい」。奈緒が美穂(森口瑤子)の遺影の前でぼう然としていると、光彦が声をかけてきた。「すみません、私のせいで」「男の人って同時に2人の女性を好きになれるものなんでしょうか」。光彦はかつて順子(木村多江)ともつきあっていたことを打ち明けた。「だから奈緒さんに何か言う資格はないのかもしれません」。その順子が光彦の留守中にやって来た。「そろそろ週5日勤務にしてはどうかと」。奈緒は思い切ってたずねた。「お兄さんとつきあっていたって本当ですか」。一瞬困惑した表情になったが、順子は言葉を選ぶように過去を告白した。
 順子と美穂は同期入社で、2人の新人研修を担当したのが光彦だった。光彦と先につきあい始めたのは美穂だったが、順子は光彦に引かれる気持ちを抑えきれなくなった。しかし美穂の目を恐れながらの密会は長くは続かなかった。「みんな傷つきました。でも一番苦しんだのは美穂さんだったと思います」。けれど美穂は憎むことより、光彦を愛することを選んだ。「お姉さまは本当に素敵な女性でした」。順子は美穂の遺影を見つめた。
 和也はちひろを呼びだした。「ごめん。俺、やっぱり奈緒とは別れられない」。これまで奈緒と過ごしてきた時間を想い出と割り切ることはできなかった。「わかってました。奈緒さんと幸せになってください」。ちひろは流れる涙をぬぐおうともせず、和也の前から立ち去った。和也は同じ思いを奈緒にも伝えた。「奈緒を裏切ったことはちゃんと背負っていく。だから俺のこと、許してほしい。もう一度信じてほしい」。奈緒は和也の謝罪を受け入れた。「私も和也との想い出がいっぱいありすぎて」。2人は出会ったころのようにためらいがちに抱き合った。「安心しました」。奈緒の報告を光彦は喜んでくれた。「お互いの前では自然な姿でいるのが一番なんじゃないでしょうか」。光彦が何気なくもらしたその一言に奈緒は胸をつかれた。これから和也の前で自然でいられるのだろうか。 和也と奈緒はこれまでのようにデートを重ねた。周囲からは幸せそうな恋人に見えたに違いない。奈緒はことさら陽気にふるまったので、時折のぞかせる沈んだ表情に和也は気付いていなかった。
 なじみのダーツバー。「ちひろちゃん、最近来ませんね」。そんな瞬間、2人の間には気まずい空気が流れた。和也の実家の夏祭りに出かけるつもりでいたのが、急ぎの仕事で和也が無理になった。
 「じゃあ一緒にお出かけしようよ」。奈緒は光彦と祐輔とともに海辺の街を訪れた。国道沿いのさびれた土産物屋の前に立った光彦の表情が変わった。「お兄さん?」。記憶がよみがえったらしい。光彦は祐輔の手を引いて、店の中へ入っていった──。

光彦(椎名桔平)の記憶が断片的に戻りつつあることを臨床心理士の二宮(水島かおり)はいい兆候だと言ってくれた。しかし奈緒(観月ありさ)と順子(木村多江)には気になる忠告を与えた。「すべてを思い出すことが必ずしも本人のためにならないこともありますから」。思い出せないのは心の防衛本能の現われでもあるのだ。
 奈緒が事務所で光彦の回復具合を早苗(大塚良重)や優子(中山 恵)に報告していると、和也(玉山鉄二)の母親、康代(東山明美)が現れた。「迷惑じゃなかった?」。康代は奈緒の前に結婚式場のパンフレットを差し出した。すでに仲人も決めているらしい。「和也のこと、よろしくお願いします」。康代はうれしさを隠しきれない様子で奈緒に頭を下げた。その夜、奈緒はいつものバーで和也とおち会った。「ごめんな。お袋のヤツ、なんか焦っちゃって」「ううん」。和也は明日奈緒の実家でおこなわれる姉美穂(森口瑤子)の納骨式にも同行することにした。「お父さんにもご挨拶したいから」。店を出かけようとした2人の前にちひろ(加藤あい)が現れた。3人はぎこちなく見つめ合った。
 翌日、和也の車で奈緒は光彦、祐輔(広田亮平)とともに実家へ帰った。納骨式は滞りなく終わった。「やっと肩の荷が下りたよ」。奈緒の父親、正治郎(小野武彦)は和也のことを気に入ってくれた。「いい青年じゃないか」。そして祐輔とにこやかに遊ぶ光彦に対しても目を細めた。「あいつ、本当に変わったな」。和也は仕事のため先に帰り、奈緒たち3人は一泊することになった。夜は縁側で花火を楽しんだ。「お姉ちゃんがずっと僕たちと一緒だったらいいのに」。少し寂しそうな表情をのぞかせた祐輔は奈緒のひざで寝てしまった。「奈緒さんがいなくなっても、祐輔と2人で頑張っていきます」。光彦は明日から以前の部署に復帰することが決まっていた。「きっと大丈夫ですよ、お兄さんなら」。2人は一瞬互いを見つめ合ったが、どちらもさりげなく視線をそらした。
 翌日光彦は出社するなり、柏木(平泉 成)専務から呼ばれた。「君に折り入って頼みがある」。中国で進めていた地下鉄建設の情報の入ったディスクが紛失した。管理していたのは光彦だが、オフィスにも私物にも見当たらない。「何か思い出したり見つけたりしたら、私に知らせてほしい」。光彦は順子にたずねた。「そのディスクにはすべての資金情報が入ってました」。つまり外部に知られてはならない裏金の流れも収められていた。襲撃事件の直前に光彦のパソコンのデータは消去されていたという。「誰がどんな理由でアクセスしたのか、分かっていません」。
 光彦は順子の指輪に気づいた。「私が贈ったんですね」。誕生日祝いにプレゼントしたことを思い出したのだ。「他には?」。しかし光彦はつらそうに首をふった。
 奈緒が帰宅すると、ちひろが待っていた。「私、今月いっぱいで事務所を辞めます」。思いもかけない告白に奈緒は戸惑った。「私と和也のことが原因?」。ちひろは否定したが間違いない。「スタイリストは辞めます。全部ゼロにして一から出直したいんです」。ちひろの決意の固さに奈緒は言葉を失った。ショックの冷めやらない奈緒は、光彦が何かを探しているのに気づいた。「会社の重要な情報の入ったディスクがどこにもなくて」。段ボール箱の中から写真立てが2つ出てきた。一つには亡くなった美穂と祐輔が2人の女性と写っていた。祐輔によると、現地で雇ったベビーシッターとメイドらしい。もう一つは新婚間もない光彦と美穂。「割れてる」。写真立てのガラスが小さくひび割れている。その瞬間、光彦に脳裏にある光景がよみがえった。泣きながら部屋から出て行こうとする美穂。何があったのか。「お兄さん?」。奈緒に声をかけられて光彦はやっと我に返った。
 「いろいろお世話になりました」。早苗に挨拶したちひろが撮影スタジオに向かうと、和也が待っていた。「なんで辞めるんだ?」「和也さんのせいじゃないですから」。必死に笑顔で取り繕うちひろを前にして、和也は何も言えなかった。
 3週間続いた撮影が最終日を迎えた。ちひろにとって最後の仕事だ。「頑張ります」。和也と目が合うと笑顔を返してきた。「事務所を辞めてもスタイリストは続けろよ。ちひろちゃんなら絶対にいいスタイリストになれるから」。ちひろは涙をこらえた。「今の言葉で救われました。大好きです」。ちひろが笑顔でうなずいた瞬間だった。撮影用クレーンが積み重ねていた平台にぶつかった。「!」。とっさに和也を突き飛ばしたちひろの上に機材が降り注いだ。「しっかりしろ、ちひろちゃん!」。しかし和也の腕の中でちひろは目を閉じたまま身動きしなかった──。

和也(玉山鉄二)はちひろ(加藤あい)の病室で一夜を明かした。「ずっとついててくれたんですか」「ごめんな、俺のために」。検査の結果、数日で退院できるらしい。ちひろはホッとしたように目を閉じた。仕事を終えた奈緒(観月ありさ)は和也にこれから会いたいと連絡を入れた。明日両家の親たちが会うから、そのことも相談したかった。「ごめん。これから会議なんだ」「わかった」。だから奈緒はちひろを見舞うことにした。けれど奈緒は病室に入ろうとして思わず固まった。和也とちひろの親密そうなやりとりが聞こえてきたのだ。「スタイリストを続けてほしい。俺ができることなら何でもする」。そして立ちすくむ奈緒の姿にちひろが気づいた。
 「会議が早く終わったんだ」「気にしてないから」。帰りは和也がクルマで送ってくれたが、車内の空気は重苦しかった。「じゃあ明日迎えに来るから」。奈緒が帰宅すると正治郎(小野武彦)が来ていた。光彦(椎名桔平)、祐輔(広田亮平)と食卓を囲んだ。「美穂の分も幸せになってくれ」。翌日ホテルのレストランで開かれた両家の顔合わせはなごやかな雰囲気で進んだ。正治郎は和也の父親、洋一(坂口進也)と意気投合してくれ、奈緒と和也は安心した。これで結婚に何の障害もない。あとは式場と日時を決めるだけだ。
 その夜2人は親たちと別れると、思い出のレストランを訪ねた。昨年奈緒の誕生日を祝った店だ。「あれから1年なんて嘘みたいね」。和也は昨日ついた嘘をわびた。「わかってた」。奈緒も和也に黙って光彦と祐輔と海に行ったことをわびた。それがきっかけになった。もうこれ以上、奈緒は自分の気持ちを偽り続けることはできなかった。「私たち、このまま進めていいのかな。どっちも無理してる」。ぼう然とする和也にかまわず奈緒の告白は続いた。「和也はちひろちゃんのことが好きなんだよ。私ももう和也を以前のように見られない」「俺はまだ結論なんか出せない。勝手に決めるなよ」。和也はそれだけ言うのがやっとだった。
 帰宅した奈緒が婚約解消を打ち明けると、正治郎は当然のごとく怒った。「理由は何だ。どんな非常識なこと言ってるか、自分でわかってるのか!」「ごめんなさい」。奈緒はひたすら謝ることしかできなかった。そして原因が自分にあることを察した光彦は、翌日和也に会った。「もう一度やり直してもらえませんか」。光彦の懇願に和也は内心の動揺を押し殺して聞き返した。「お兄さん、奈緒のことが好きなんじゃないんですか」。光彦は言下に否定できなかった。「これは俺たち2人の問題です。勝手な詮索はしないでください」。どちらにも苦い思いだけが残った。
 和也は仕事を終えて病院に向かった。ところがちひろの姿は病室から消えていた。ちひろは看護師に手紙を託していた。スタイリストを辞めて田舎に帰るという。和也はちひろのマンションに向かった。「奈緒さんと幸せになってください」。ちひろはドア越しにそう繰り返すばかりだった。
 和也は深夜の公園に奈緒を呼び出した。「奈緒の言うとおりだ。俺たち、もう終わってた。別れよう」。自分から切り出したとはいえ、奈緒はショックにうちのめされた。しかしもう引き返せない。「今のちひろちゃんには和也が必要だよ。3年間すごく楽しかった」「俺も」。2人は黙って見つめあった。「さよなら」。和也は奈緒に背を向けた。奈緒は帰宅すると光彦に伝えた。「お兄さんにまで心配かけてすいません」。そして寝室に下がると泣きくずれた。
 事務所ではちひろの話題でもちきりだった。母親がちひろの荷物を引き取りにきた。同僚への挨拶もなく、ちひろは退職していった。「ひょっとして失恋でもしたのかな」。事情を知らない優子(中山 恵)たちの憶測を奈緒はとがめる気にもなれなかった。「ただいま」。奈緒が元気なく帰宅すると、真っ暗だった室内がいきなり明るくなった。「ハッピーバースデー」。自分の誕生日であることを忘れていた。折り紙の飾りつけと、テーブルには料理とケーキ。光彦と祐輔が心尽くしのバースデーパーティーを用意してくれたのだ。「ありがとう」。
 光彦、祐輔と過ごす時間の中で奈緒は少しずつ元気をとり戻してきた。「私はやっぱり奈緒さんの笑顔が好きです」。光彦のさりげない一言に奈緒はドキリとした。公園でのキャッチボールを終えて帰宅すると、ドアの前に見慣れぬ男が立っていた──。

祐輔(広田亮平)が新しい小学校に通い始めた。校外授業のアスレチックに奈緒(観月ありさ)と光彦(椎名桔平)も参加した。「ねえ。今度うちに来ない?」。クラスメートの母親が気安く誘ってくれた。楽しい1日だった。「思い出って、こうしてできていくものなんですね」。光彦も奈緒に微笑みかえした。
 一方、ちひろ(加藤あい)に連絡がとれずに業を煮やした和也(玉山鉄二)は彼女の実家に押しかけた。「信頼できるスタイリストを探しているんだ」。彼女の才能を惜しむ和也は新しい仕事を紹介するが、ちひろは頑なに「私は辞めたんです」と繰り返すばかり。もちろん奈緒と和也が別れたこともまだ知らなかった。
 「結婚はなくなりました」。奈緒はようやく早苗(大塚良重)と優子(中山 恵)に事情を打ち明けた。気まずい思いで事務所を出ると光彦の姿があった。「一緒に食事しませんか」。祐輔は友達の家に泊まりに行っている。外出はいつも3人一緒だったから、2人きりの外食は初めてだった。「また2人で来ましょう」。うれしくてうなずいた奈緒に突然通り雨が襲いかかった。2人がずぶ濡れになってマンションに戻ると、激しい雷鳴が響いた。奈緒はとっさに光彦にしがみついた。「ごめんなさい」。見つめ合う2人は互いに引かれるものを強く感じたが、奈緒が自制した。「お休みなさい」。
 自室に引き下がった奈緒は胸の高鳴りを抑えた。光彦も亡き美穂(森口瑤子)の遺影の前でやりどころのない思いに耐えた。
 生命保険会社の清瀬(小須田康人)が再び現れた。「保険金をすぐには支払えない状況になっております」。シンガポールの事件で現地警察が再捜査中だという。出社した光彦は順子(木村多江)にたずねた。「2億円!」。なんと美穂には2億円の保険金がかけられていた。しかも現地警察に逮捕された犯人2人組は当初、金目当てに日本人夫婦を襲ったと言っていた自供をくつがえしたという。「強盗はカムフラージュだったと」。「それ、どういう意味なんですか?」。しかし記憶の戻らない光彦は奈緒に何も答えられない。「いったい何があったの?」。奈緒のばく然とした不安は週刊誌記者、久野(小市慢太郎)の出現によって、さらにふくれあがった。「日本人に頼まれたらしい」。逮捕された犯人たちは日本人から美穂の殺害を依頼されたと自供したという。「ホントにお兄さん、記憶喪失なの?」「兄は被害者なんです!」。奈緒は語気荒く否定したが、久野は意味ありげな薄笑いを浮かべた。
 光彦が会社で倒れた。「意識の奥の出来事が突然目の前に浮かんでくる現象です」。臨床心理士の二宮(水島かおり)はフラッシュバックと診断した。光彦は大事をとって入院することになり、奈緒が1人帰宅すると久野から電話がかかってきた。「最近婚約解消されたんですって?お兄さん、いい男だもん」。この男は何が言いたいのか。電話を切った奈緒の手は震えていた。
 翌朝、奈緒がマンションを出ると久野が待ち受けていた。「お兄さんに情が移って恋人を捨てたんじゃないの?」。挑発する口調に先に反応したのは病院から帰ってきた光彦だった。久野に歩み寄ると、いきなり殴りつけた。「やめて、お兄さん!」。久野は口から血を流しながらも薄ら笑いをのぞかせた。「面白い記事になりそうだ」。奈緒は得体のしれない不安をひしひしと感じていた。
 数日後、その不安は現実となった。久野の書いた記事が週刊誌に掲載された。『シンガポール白昼の銃弾』『海外赴任中の策謀・妻に2億の保険金』『渦中エリート社員、義妹と禁断愛?』。派手な見出しと扇情的な記事は、奈緒と光彦に注がれていた同情的な視線を一変させた。「会社としては君の名誉を守るつもりだ」。しかし柏木専務(平泉 成)は言葉とは裏腹に光彦に自宅待機を命じた。
 しかも警視庁の国際捜査課の刑事までマンションに現れた。光彦は任意で取り調べを受けた。刑事は1枚の写真を光彦に見せた。逮捕された2人組に殺人を命じた台湾マフィア。現在逃亡中だという。「この男だけが依頼者の日本人を知っているんです」。けれど光彦は何も思い出せない。刑事たちは質問の矛先を変えてきた。「奥さんの保険を半年前に増額したのはどうしてですか?」。やはり光彦の返事は同じだった。「本当に覚えていないんです」。刑事たちの追及は容赦なかった。現地のハウスキーパーによれば、光彦と美穂は夫婦ゲンカが絶えなかった。「事件の3日前も激しいケンカになったそうだ」。光彦の脳裏に、美穂と祐輔の泣いている光景がよぎった──。

警察の事情聴取から帰宅した光彦(椎名桔平)は置き手紙をのこして姿を消した。奈緒(観月ありさ)は懸命にさがすが見つからない。「大丈夫。お父さんは絶対に帰ってくるから」。奈緒は自分に言い聞かせると、不安げな祐輔(広田亮平)をしっかりと抱きしめた。
 翌朝、和也(玉山鉄二)がきてくれた。「落ちつけよ」。和也は焦る奈緒をいさめた。奈緒が仕事を休んで光彦からの連絡を待っていると、順子(木村多江)から電話がかかってきた。「そちら、大変じゃないですか」。順子も週刊誌記者の久野(小市慢太郎)に追いかけられた。奈緒が光彦の失そうを伝えると、順子は臨床心理士の二宮(水島かおり)にすぐ連絡するよう促した。「早く見つけないと取り返しのつかないことになるかもしれません」。光彦の心理は極限状態に達しているのだ。
 奈緒はマンションにやってきた大谷(北見敏之)、竹田(榊英雄)両刑事にやむなく光彦が姿を消したことを打ち明けると、不満をぶつけた。「お兄さんを追いつめたのは警察じゃないですか!」。大谷は感情をむきだしにくってかかる奈緒をなだめながら、謎めいた一言をもらした。「この事件、週刊誌に書かれているように単純なことじゃないかもしれませんね」。
 ようやく光彦から電話がかかってきた。「今どこにいるんですか?」。しかし光彦は奈緒の問いかけには答えなかった。「祐輔のこと、よろしくお願いします。今までありがとうございました」。それだけ言うと光彦は一方的に切った。奈緒の胸中に不吉な予感がふくれあがった。「お父さんと行った教会かも」。祐輔が光彦の背後で鳴る鐘の音に気づいていた。
 ちひろ(加藤あい)が和也と現れた。和也の説得が通じて、スタイリストを続ける気持ちになったらしい。「何かあったら連絡します」。奈緒はちひろに祐輔を託すと、和也の車で光彦が少年時代をすごした保護施設にむかった。「さっきいらっしゃいましたよ」。シスターの1人が教会に入っていく光彦を目撃していた。「お兄さん!」。しかし教会は無人。奈緒と和也は手分けして捜した。見つけた。光彦は近くの湖に入水しようとしていた。「私がいるとあなたや祐輔に迷惑をかけてしまう」「お兄さんは必要な人よ!何があっても信じます」。奈緒の叫びが死を覚悟していた光彦を思いとどまらせた。しっかり抱きあう2人を和也は安堵の表情で見つめていた。
 「お父さん!」「ごめん、祐輔」。光彦が帰宅すると、祐輔は飛びついて泣きじゃくった。2人が一緒に風呂に入っているあいだ、奈緒がパソコンのメールをチェックしていると、過去3カ月分の受信メールが出てきた。その中に亡くなった姉美穂(森口瑤子)からの未読メールが出てきた…。
 一方、伍代物産の専務室では柏木(平泉成)が大谷、竹田両刑事と向きあっていた。「我々は今回の事件は、保険金以外の可能性もあるとにらんでるんですよ」。シンガポールの現地警察の捜査で、事件の2日前に光彦の家に空き巣が入っていたことが判った。執ように家捜ししたらしく室内は激しく荒らされていた。単なる空き巣とは思えない。刑事たちが帰ると、柏木は腹心の杉山(山口馬木也)に急きょシンガポール行きを命じた。「警察が動きだした。なんとしても連中よりも先にディスクを探しだすんだ」。「お姉ちゃん、やっぱりお兄さんと一緒にいて、幸せだったんですよ」。奈緒の中にあった光彦に対する疑心はすっかり消えていた。その時ドアチャイムが鳴った。順子だった。「きょう警察が会社にきました」。空き巣の一件も伝えると順子は自分の推測を打ち明けた。「もしかしたらディスクをさがしてたんじゃないでしょうか」——。

シンガポールに到着した奈緒(観月ありさ)と光彦(椎名桔平)はホテルにチェックインすると、すぐに美穂(森口瑤子)と暮らしていたマンションに向かった。無人の室内はガランとして手がかりになりそうなものはない。しかし管理人がハウスキーパーだったリン(宋湘平)の所在を知っていた。リンは光彦との再会を喜ぶと同時に釈明した。「旦那さんが奥さんを殺したなんて一言も言ってないよ」。リンは夫婦ゲンカを目撃したことを正直に警察に言っただけで他意はなかった。そして光彦が事件直前の空き巣のことをたずねると、リンはいぶかしげな表情になった。室内は荒らされ放題だったのに結局何も盗まれていなかった。「それに旦那さんも妙だった」。光彦は警察に通報しなかったのだ。
 それは光彦があらかじめ空き巣を予想していたからではないか。「あなたに何か預けてませんか?」。けれどリンは首を横にふった。最後の手がかりはベビーシッターのサフィア(アドリナ・アリ)だったが、リンとの連絡は途絶えていた。「親のない子で、どこかの施設から通っていたはずだけど」。奈緒と光彦がホテルに戻ると、ロビーで順子(木村多江)が待っていた。「どうしてもお伝えしたいことがあって」。柏木専務(平泉成)が腹心の杉山(山口馬木也)をシンガポールに向かわせたという。奈緒と光彦は気づいていなかったが、シンガポール到着後の行動は杉山に監視されていた。「あの2人が美穂さんの事件に関わっているのは間違いありません。私にも手伝わせてください」。順子の申し出を奈緒と光彦は受け入れた。
 3人は手分けしてサフィアの手がかりを求めて異国の地をたずね歩いた。「サフィア」。彼女は小さな教会のある施設にいた。光彦が手渡したあのペンダントを下げていた。「事件の前日に今度会うときまで預かってほしいって」。光彦がふたを開けるとミニディスクが入っていた。事件の真相はすべてこの中に入っている。「やめろ!何するんだ!」。サフィアと別れた奈緒と光彦がホテルへ向かっていると、現地人グループに拉致された。人気のない廃屋に連れ込まれると、待っていた杉山にミニディスクを奪われた。「返せ!」。飛びかかろうとした光彦に向かって、拉致グループの1人が発砲した。「お兄さん!」。地面に倒れこんだ光彦の脳裏に、まざまざと銃撃現場の記憶がよみがえった。光彦は柏木の横領の事実をつかみ、その証拠をミニディスクに収めた。光彦は告発の姿勢をゆずらなかったために、口封じのため柏木が雇った男たちに襲撃されたのだ。「あなたの余計な正義感のせいで、亡くなったんですよ、奥さんは」。 杉山は酷薄な笑いを浮かべた。「俺は出世しますよ、どんな手段を使っても」。拉致グループの男たちが一斉に光彦と奈緒に銃口を向けた。「それじゃ、さよなら」。杉山は2人に背を向けた──。

佐伯奈緒(観月ありさ)
望月光彦(椎名桔平)
富田ちひろ(加藤あい)
結城和也(玉山鉄二)
阿久津順子(木村多江)
杉山悟(山口馬木也)
小野寺慶(松崎しげる)
望月美穂(森口瑤子)
望月祐輔(広田亮平)
村岡優子(中山恵)
清原早苗(大塚良重)
藤嶋豪太(相島一之)
田辺芳子(草村礼子)
柏木孝行(平泉成)
佐伯正次郎(小野武彦)
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感想

このドラマの子役の演技がめちゃくちゃ上手くて感情移入してしまい涙が溢れた。

ドラマが放送されていた当時、自分は小学生で母親の横でよく見ていた。
大人になってもう一度見返してみると4角関係のドロドロで、サスペンス要素もあるような大人向けのドラマだった。

観月ありさのこれまでの出演作品と比べると、シリアスな役柄で珍しいと思った。

まとめ

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