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「エンジン」とは?
2005年4月18日から6月27日まで放送されていたドラマ「エンジン」。
木村拓哉主演ドラマ。
有名なレーシングドライバーがトラブルや年齢的な問題で日本へ帰国すると、実家は児童養護施設を経営していた。
そこには、家庭の事情や心に傷を負った子どもたちがたくさんいて、子供嫌いな主人公と身寄りを失った子供達のふれあいがスタート!
そして、主人公は再びサーキットに戻るのだろうか?
ぜひご覧ください。
日本一速い男が、苦難を乗り越えた先に見たものは、人間愛だった。
男は、熱く夢を語り、クールにマシンを駆るレーシングドライバー。
彼は類まれな感性により、最速の境地に至ることができる「命知らず」。
世界をまたにかけ活躍中の彼を思わぬトラブルが襲い、一時帰国することになってしまったところからドラマは急展開する。
彼を待ち受けていたのは、さまざまな過去を持ち、さまざまな未来を思い描く人々との出会いだった・・・
時に熱く、時に子どものような純粋な心を併せ持つ男が彼らとの間にどんな人間ドラマを巻き起こすのか?
テストドライバーとして彼は、そのマシンの限界を見極める勘によりトップレーサーもたどりつけない、最速の境地に至る「命知らず」。
テストドライバーとして脂の乗り切った日々を過ごしていたはずの男を思わぬ事故が襲い、契約を解除されてしまう。
失意の中、海外を舞台にしていた彼は日本へ帰ることを決意する。
久しぶりに日本の土を踏んだ彼は新たなレースドライバーの職を得るまでのつなぎとして、実家へと帰ることにする。
そこで彼を待ちうけていたのは、頑固な父、口うるさい姉に加え、2人が営む児童養護施設の12人の子どもたち、理想をおしつけるエリート保育師、夢見がちで意地っ張りの保母・・・だった。
彼の帰郷によって、新たな風が吹き始める。
激しくて、とびっきり熱い嵐がー。
そして、彼を取り囲む人々の心に、彼自身の心に変化が表れ始めるのだった。
某ヨーロッパサーキットのモーターホーム。鏡の前に1人の男が立つ。しなやかに鍛えられた肉体を持つ男の名は、神崎次郎(木村拓哉)。レーシングスーツを着込んだ次郎は、マシンに乗り込みコースに飛び出して行く。コース上に出た次郎は、後ろから接近するマシンに煽られる。そのマシンには、チームのファーストドライバーが乗っていた。つまり、次郎はセカンドドライバー。当然、行われているタイムアタックでは、ファーストドライバーを優先しなくてはいけない。だが、次郎は本番のレースのごとく食い下がり、抜きつ抜かれつの競争状態になってしまう。2台はコーナーで互いのラインを失ってスピン。怒ったファーストドライバーと次郎は、殴り合いになってしまった。そして、やって来た監督から、次郎はチーム解雇を宣告されてしまう。次郎は、新たな職場探しにF1のレース会場へ行くのだが…。
それから1か月後。『風の丘ホーム』に、草間周平(中島裕翔)という男の子が連れて来られた。周平を出迎えたのは、ホームの保育士、水越朋美(小雪)。朋美は、周平と彼を連れてきた森原夫婦を職員室に案内する。職員室ではホームの経営者、神崎猛(原田芳雄)と保育士、鳥居元一郎(堺雅人)が周平の到着を温かくねぎらう。森原夫婦が、ここに来た詳細を話そうとすると、周平は席を外すと言う。朋美は、そんな周平に施設を案内。
森原夫婦は、里親として周平を預かったが、なついてくれないので施設に返す事にしたと猛たちに語る。そんな夫婦に、子供をペット扱いしていると猛は言い始める。傍らで、やり取りを見ていた猛の娘、ちひろ(松下由樹)が落ち着かせようとした。しかし、周平に責任転嫁を始めた夫婦に、ついに猛の怒りが爆発…しそうになった時、朋美が入ってきた。周平が行方不明になってしまったのだ。
周平は、駅まで逃げてきた。だが、ポケットには数百円程度の小銭だけ。どうにかしようと考えた周平は、ある男に目を留める。スーツケースを引いて改札口を出てきたのは次郎だった。周平は次郎に金を貸して欲しいと頼む。だが、入院した母を見舞いに行きたいと言う周平のウソは、次郎には即座に見抜かれてしまう。もちろん、次郎は周平に金を貸す気などさらさらない。それでも食い下がる周平を尻目に、次郎は公衆電話から電話をかける。
朋美は、周平を探しに自転車でホームを出た。見送るのは、ホームの調理師、牛久保瑛子(高島礼子)。また、ちひろも朋美を手伝うため後を追う。
一方、周平はまだ次郎に食いついていた。次郎は、周平に、なぜこんな場所にいるのかと尋ねるが答えない。そんな周平の態度に次郎も対応を決める。
次郎を中心に今、次々と事態が展開し始めるのだった…。
レーサーとしての仕事を探すために帰国した神崎次郎(木村拓哉)。以前世話になったレースチームの一之瀬新作(泉谷しげる)にも相手にされなかった。次郎は、仕方なく実家の養護施設『風の丘ホーム』で子供たちの通学用送迎バスの運転手として働かされることになる。
次郎は早朝から、姉のちひろ(松下由樹)に叩き起こされる。眠い目をこすりながら表に出ると、すでに水越朋美(小雪)と鳥居元一郎(堺雅人)が子供たちを送り出していた。子供たちの服装などを細かくチェックする朋美は鳥居から、あまりうるさく言うなと注意されている。それでも、朋美がチェックを怠らずにいるところに、次郎が来た。そんな次郎の横を、星野美冴(上野樹里)が二宮ユキエ(夏帆)を連れて走り抜ける。「なんちゃってレーサー」と通りすがりに美冴に言われた次郎は、頭に来るのだが…。美冴とユキエはバスに乗らずに歩いて行ってしまう。そんな2人をバスで追いかけた次郎は、美冴に自分が本物のレーサーだとムキになって告げた。
子供たちが行ってしまうと、朋美は職員室で美冴を独り部屋にしたらどうかと猛(原田芳雄)らに提案。ホームの職員には就職をほのめかした美冴だが、朋美は彼女の部屋に大学の入試パンフレットを見つけたのだ。受験のために勉強の出来る環境を望む朋美だが、鳥居は反対。2人部屋が義務付けられているホームでの特別扱いは良くないと言うのだ。猛が美冴に直接話を聞こうと言うと、朋美は自分に任せて欲しいと告げる。
子供たちを駅まで送った次郎は、チーム・イチノセが行うプレス発表会の会場へ。末永たまき(岡本綾)に一之瀬との面会を頼む次郎だが断られてしまう。彼にはスポンサーが確実に付いていると答える。次郎には、自分にもまだ宣伝価値があると考えていた…。
ホームでは、朋美が美冴の机を移動し始めた。美冴は部屋替えの必要なんか無く、ユキエの迷惑も考えて欲しいと訴える。塩谷大輔(石田法嗣)は自分も独り部屋にして欲しいと言い出し、ホームに波風が立ち始めた。そんなところに事情を知らない次郎が帰ってきた。次郎は、朋美が廊下まで移動した美冴の机を「邪魔だ」と元に戻してしまう。
その翌日、次郎は以前自分のスポンサーを務めてくれた企業を訪ねる。
一方、ホームでは美冴のために朋美が大学の資料をまとめている。初めて子供たちへの手応えを感じたと話す朋美に、鳥居はそう簡単ではないと言う。
再びチーム・イチノセのガレージを訪ねた神崎次郎(木村拓哉)は、ファーストドライバー、菅原比呂人(青木伸輔)の挑発を受ける。比呂人は自分とのマッチレースに勝ったら、次郎と契約して欲しいと一之瀬新作(泉谷しげる)に申し出る。ただ、次郎が負けた場合は二度とガレージに来ないことが条件。一之瀬は、レースの結果判断は自分がするという条件を二人に飲ませ、翌日午後1時にマッチレースを実施することを宣言した。
その頃『風の丘ホーム』では、連休を前に子供たちの一時帰宅が始まっていた。久しぶりに親たちと再会する子供たちは、はにかみながら、喜びながら帰宅して行く。星野美冴(上野樹里)たち帰る家のない者は、引き続き猛(原田芳雄)、ちひろ(松下由樹)とホームに残る。水越朋美(小雪)が、樋田春海(戸田恵梨香)を送り出したところに次郎が帰ってきた。と、ホームから大きな物音が。塩谷大輔(石田法嗣)が迎えに来た父親に反発しているのだ。父親につかみかかろうとする大輔を鳥居元一郎(堺雅人)が制していると次郎が顔を出した。大輔は次郎を見ると、調子が狂うと暴れるのをやめ部屋に帰ってしまう。大輔の両親も、あきらめた様子でホームを後にした。猛が、次郎が来ると話がややこしくなるとあきれていると、帰宅用の荷物を持った平山盛男(小杉茂一郎)が泣き出す。迎えに来るはずの盛男の父が来ないのだ。
残った子供たちと、神父の春山万里夫(角野卓造)を交えての夕食が始まる。親への不満からイラつく大輔を、配膳していた牛久保瑛子(高島礼子)が厳しく叱りつけた。そして、瑛子は盛男に好物のいなり寿司を渡すのだった。猛は、次郎に、翌日盛男を自宅まで送って行くよう命令する。だが、翌日は次郎にとって大事なレースが…。そんな時、末永たまき(岡本綾)が次郎を訪ねて来た。
次郎がホームの庭に出ると、たまきは明日のマッチレースをやめて欲しいと言い出す。たまきは、一之瀬が次郎にレースを諦めさせようとしているのではないかと言うのだ。さらに、次郎が負けた場合、他のチームにも行けなくなると助言。それだけ告げると、たまきは帰ってしまった。たまきの前では強がったが、自室に戻ると次郎の心に不安がよぎる。
翌朝、次郎は盛男をバスに乗せ、エンジンをかける。しかし、盛男の記憶があいまいなのか、なかなか自宅が見つからない。次郎には自分の命運をかけたレースが待っている。徐々に焦り出す次郎だが…。
神崎次郎(木村拓哉)と菅原比呂人(青木伸輔)のマッチレースが始まる。初めて見るレースに水越朋美(小雪)は戸惑う。次郎の無謀とさえ感じられるドライビングを評する末永たまき(岡本綾)の言葉に、朋美は恐怖を感じ始めた。
レースの結末とは。そして、次郎に対して一之瀬新作(泉谷しげる)が下した判断の内容とは。
その頃『風の丘ホーム』では、金村俊太(小室優太)が鳥居元一郎(堺雅人)に呼び出されていた。食堂で俊太を待っていたのは、猛(原田芳雄)、春山万里夫(角野卓造)と竹原夫妻。万里夫が、俊太の里親として竹原夫妻を引き合わせたのだ。俊太の生い立ちを聞いていた夫婦は「かわいそうに」と口々に憐れみの言葉を告げる。
次郎が帰って食事が始まると、猛は俊太に里親が出来そうなことを子供たちに報告する。子供たちは、俊太がいなくなるとホームが淋しくなると言い出す。俊太の表情も沈んでいく。鳥居が、俊太が里親の元に行っても楽しく過ごせるよう祈ろうと子どもたちに語りかけるのだった。そんな時、俊太がいなくなるのはやはり淋しいだろうと、園部葵(佐藤未来)が次郎に尋ねた。自分のことで手一杯の次郎は「淋しいと言っても、どうにもならない」とそっけない。そんな次郎に子供たちから非難の声が集中する。また、次郎は鳥居からも子供たちへの言動に注意して欲しいと言われてしまう。
翌朝、竹原夫婦が俊太を迎えに来た。本格的に家に迎え入れる前に、夫婦と俊太の関係を慣らす練習だ。ところが俊太の様子がどうもおかしい。そんなことは、おかまいなしに次郎は爆眠中。だが、ちひろ(松下由樹)に叩き起こされてしまう。果たして俊太の心に何が起きているのか。
メカニックとしてチーム・イチノセで新しい一歩を踏み出した神崎次郎(木村拓哉)。仕事を開始すると聞いた風の丘ホームでは、次郎が、自分がレーサーではないことを告げられずにいるままに、子どもたちは皆、サーキットへ行こうと盛り上ってしまう。メカニックとして初めて出勤する日、次郎はいつもより早く子どもたちを送ろうとする。そんな時、食堂では園部葵(佐藤未来)が、ヘアピンが壊れたとごねていた。何か嫌なことが起こると言う葵を、水越朋美(小雪)やちひろ(松下由樹)が慰めようとするが上手くいかない。しかし、兄の徹(有岡大貴)が現れ、新しいヘアピンを渡した途端、葵の機嫌は一気に直ってしまうのだった。
そこに来た次郎は、バスへと子どもたちを促す。すると鳥居元一郎(堺雅人)から次郎は仕事が決まったのだろうと祝いの言葉をかけられ、鳥居から職業を問われると次郎は、子供たちの視線も感じてメカニックとは言えない。ちひろに、レーサー契約を結んだのかと聞かれ、思わず頷いてしまった。子供たちにもサーキット場へ連れて行くようせがまれてしまう。
チーム・イチノセのオフィスで、次郎は末永たまき(岡本綾)からメカニック用のつなぎを渡される。辞めるなら今のうちだと言うたまきに、次郎はまだ始めてもいないと切り返す。一之瀬新作(泉谷しげる)から、伊吹テツヤ(石垣佑磨)の下で仕事を教わるよう命令された次郎は、早速マシンにあたる。そこに菅原比呂人(青木伸輔)が来た。コーナーでリアが流れるとテツヤに伝えた比呂人は、自分のマシンを素人の次郎には触って欲しくないと嫌味を言う。
放課後、小学校に葵を迎えに行った徹は、帰り道で同級生たちに囲まれる。掃除をサボったと徹を責める同級生の一人の発した言葉から、葵を先に帰した徹は、同級生たちにつかみかかってしまう。
夕方『風の丘ホーム』に、徹に殴られた同級生たちの両親が押しかけてきた。そんな所に、次郎が帰って来た。同級生の母親たちの車で車庫をふさがれた次郎は、猛(原田芳雄)に迫る母親たちに文句をつける。そして、怒りの収まらない母親たちを追い返してしまった。夕食時、朋美たち大人は何となく徹を気づかう。おかまいなしなのは次郎だけ。星野美冴(上野樹里)は、徹に本当のことを話して欲しいと言うのだが、徹は一切何も語ろうとはしなかった。
次郎が部屋に戻ってメカニックの本を読んでいると葵と徹が来た。葵は、次郎が本気で遊んでくれないのですぐに帰ってしまうが、徹は何か言いたそうに佇んでいる。と、次郎はフレームの曲がった徹のメガネからあることに気づく。さらに、次郎が本を読んでいると今度は朋美が来た。朋美は、子どもたちをバスに乗せてどこかに行っていて欲しいと頼む。徹に殴られた同級生の両親たちが、今度は大勢で押しかけてきたのだ。次郎は、仕方なく子どもたちを乗せてホームを出て行く。
妹を守るために真実を言わぬ徹。そして、子どもたちにサーキット場に連れて行くようせがまれることになってしまった次郎。二人それぞれの真実は明るみに出てしまうのだろうか?
神崎次郎(木村拓哉)は、チーム・イチノセのメカニックとして伊吹テツヤ(石垣佑磨)たちとマシンの挙動を見つめる。だが、次郎の口から出るのはドライバー目線でのセッティング案ばかり。そんな次郎の言動を一之瀬新作(泉谷しげる)がたしなめる。
作業後の次郎に、末永たまき(岡本綾)が話しかける。たまきは、ドライバーとしての次郎の方が輝いていると、テストドライバーの仕事を持ってきたのだ。多額の契約金とドライバーとしての仕事…次郎の心は揺れる。
仕事帰り、次郎はビデオ店の前に水越朋美(小雪)を見つける。朋美は、ビデオ店でバイトする男から結婚を迫られたと言い出す。次郎は、朋美の話だと勘違い。実は、結婚を約束したのは樋田春海(戸田恵梨香)だった。
その夜、ホームの夕食時、春海は仲間たちを前に結婚宣言。朋美や鳥居元一郎(堺雅人)、猛(原田芳雄)、ちひろ(松下由樹)は困惑顔。子供たちも素直に喜べない。そんな中、唯一祝いの言葉をかけたのは次郎。次郎は、そんな言動をちひろに注意される。また、ちひろは、次郎もいつまでもレースに固執するなと言う。
子供たちに祝福するムードも流れるが、星野美冴(上野樹里)は違っていた。高校在学中に結婚したら、施設が周囲の好奇心にさらされると言う。また、塩谷大輔(石田法嗣)も春海を心配していた。猛は、ともかく春海の彼氏と母親に施設に来てもらって、キチンと話をしようと保育士たちに告げる。
翌朝、ホームに春海の母、景子(国生さゆり)が来た。景子は、もちろん春海の結婚に大反対。春海は、結婚を約束した相手、高橋トシヤ(斎藤誠)も呼んでいたのだが、なかなか姿を現さない。
トシヤの身を案じ気が気でない春海。春海の結婚宣言に始まり、今、風の丘ホームには今までにない大きな嵐が吹き荒れようとしていたのだった。
神崎次郎(木村拓哉)と水越朋美(小雪)がロサリナ教会にいると、神父の春山万里夫(角野卓造)が「風の丘ホームが大変なことになっている」と飛び込んで来た。次郎と朋美が急いで戻ると、ホームの前にはパトカーが止まり、近隣住民が取り巻いている。
食堂に行くと、鳥居元一郎(堺雅人)が朋美に騒動の理由を説明。鳥居によると、塩谷大輔(石田法嗣)が樋田春海(戸田恵梨香)を振った高橋トシヤ(斎藤誠)を殴ったのだという。トシヤは、ケガを負い、しかも大輔は逃走したと…。
その夜、ちひろ(松下由樹)が、かかってきた電話に出ると、電話の内容は大輔が見つかったというもの。ちひろが、「すぐに迎えに行く」と言うと大輔は、次郎に迎えに来て欲しいと言っているというのだ。ちひろは、面倒くさがる次郎を迎えに行くよう説得。
一方、猛(原田芳雄)は近隣住民の訪問を受けていた。
大輔を迎えに行った帰り、のどが渇いたと次郎にバスを止めるよう頼む大輔だが、金が無いと言うので、次郎は自ら自販機へ。その時、次郎はメカニックとしての出勤時間が過ぎていることに気付いて末永たまき(岡本綾)に電話するが、嘘の言い訳をすることしかできない。
大輔が次郎を呼んだ理由ははっきりしないまま、果たして大輔の胸中はいかなるものなのか。そして、風の丘ホームに詰め掛けた住民たちもまた今までにない様相を呈していた。
風の丘ホームを次々と襲う難問の数々に、次郎もまた背をそむけるわけにはいかなかった。
その夜、閉園が決まったホームでは子供たちが荷造りをしていた。朋美(小雪)や元一郎(堺雅人)に手伝ってもらいながら、それぞれに思い出を箱に詰め込んだ。
そして、その日の夕食が全員揃っての最後のものになった。皆、努めていつものように普段どおりの食事をするのだった。…だが、それが最後の食事となった。
次郎(木村拓哉)は子どもたちをそれぞれの新たな生活がスタートする場所へと送り届けることに。
翌日、次郎はバスに七恵(岡真由)以外の11人の子供と朋美、元一郎を乗せてホームを出る。七恵もまた新たな受け入れ先へと引き取られていく。バスの行き先は一箇所ではなかった。子どもたちは何人かずつ、それぞれの新たな施設に引き取られていくことになっていた。元一郎と朋美は、誠意を込め、子供たちを新たな施設の保育士たちに託していく。次郎は、涙を見せずにしっかりと子どもを見送る朋美を見つめるのだった。
風の丘ホームが解散し子供たちがバラバラになってしまったことに納得がいかない次郎(木村拓哉)はなんとかホームを救おうと、まとまった金を用意するため、猛(原田芳雄)やちひろ(松下由樹)そして朋美(小雪)にも、誰にも告げずにレースに出ることを決意する。次郎が必死にホームを守ろうとする中、朋美もまた、まだ何かできることがあるはず、と決して諦めていなかった。朋美なりにホームのためにできることを探すのだった。
レース参戦を決意するも次郎は未だ一之瀬監督(泉谷しげる)からチーム・イチノセのレーサーとして認めてもらっていない。チームからはレースに出られない次郎は個人で参戦しようと一之瀬監督にマシンを貸してほしいと依頼する。どのような事情があるかを当然知らぬまま、そんな要望を次郎から聞いた一之瀬監督からは意外な反応が帰ってくるのだった。
一之瀬監督の心とは。
そんなある日、風の丘ホームに子どもの声が響く。何の前触れもなく突如、明(広田亮平)が風の丘ホームに姿を現したのだった。猛を始め皆一様に驚きを隠せない。明に一体何が起こったのか。
そして次郎がホームのために選択する道は一体どこへと向かっているのか。
神崎次郎(木村拓哉)は風の丘ホームを守るために、レース参戦を懇願し、ついに一之瀬監督(泉谷しげる)の了解を得ることができた。誰かのために走ることを始めた次郎の変化が一之瀬の心も動かしたのだった。これまでも次郎の復活を監督に願い出るなど力を尽くしてきた末永たまき(岡本綾)や後輩の伊吹テツヤ(石垣佑磨)を始め、チーム・イチノセの面々は次郎の復活を喜ぶのだった。ただ一人、菅原比呂人(青木伸輔)を除いて。
迫るレースに向け本格的トレーニングを開始した次郎。そんな姿を見つめながら、水越朋美(小雪)もまたホームへの理解を求めるため、近隣の家を訪ねて回る毎日を送っていた。そんな姿に、状況を受け止めるだけだった神崎ちひろ(松下由樹)や鳥居元一郎(堺雅人)たちの心境にも変化が現れ始める。
次郎は子供たちとの約束を守るためにも、レースへの夢を求め続けることをやめないのだった。レースへの夢を追い続ける姿を通じて、子どもたちに「あきらめない」ことの大切さを伝えるために。
レースに向けトレーニングを重ね、全力投球の毎日を過ごしていた次郎だったが、そんな矢先にこれまでの菅原比呂人との確執から問題が勃発することになる。
一方、引越し準備を進めていたホームに突如、田口奈央(大平奈津美)と二宮ユキエ(夏帆)が姿を現すのだった。
次郎(木村拓哉)は集中力を高め、『風の丘ホーム』のため、子供たちのために、ただ勝つことだけを考えていた。小指の怪我の痛みはまだ引かないながらも、もはや次郎は勝利の二文字しか考えることをしなかった。
一方、水越朋美(小雪)も『風の丘ホーム』の再建を信じ、日々近隣住民を説得して回っていた。だが、朋美はもう一人ではない。次郎や朋美の姿に心を動かされた鳥居元一郎(堺雅人)も、行動を開始したからだ。
子どもたちは、次郎のレースを心待ちにし、表彰台に立つ姿をそれぞれの場から願い祈っていた。
そして朋美もまた次郎の勝利を強く祈り信じていた。戦いを前に次郎と朋美は二人だけの約束を交わす。
ついにレース本戦の日を迎える。
子どもたちもそれぞれの家から次郎を応援しようとサーキット場を目指すのだった。
また、猛(原田芳雄)、ちひろ(松下由樹)、そして朋美、元一郎もそれぞれの場から次郎の勝利を祈っていた。
レース場には、今は同チームではなく、最強のライバルの一人として立つ比呂人(青木伸輔)の姿もあった。
次郎は皆との約束通り表彰台に立てるのか…? そして子どもたちの未来は…? 次郎と朋美の約束は果たされるのか…!?
神崎 次郎 – 木村拓哉
水越 朋美 – 小雪
神崎 猛 – 原田芳雄
鳥居 元一郎 – 堺雅人
神崎 ちひろ – 松下由樹
牛久保 瑛子 – 高島礼子
春山 万里夫 – 角野卓造
星野 美冴 – 上野樹里
樋田 春海 – 戸田恵梨香
塩谷 大輔 – 石田法嗣
園部 徹 – 有岡大貴
田口 奈央 – 大平奈津美
二宮 ユキエ – 夏帆
草間 周平 – 中島裕翔
平山 盛男 – 小杉茂一郎
刀根 明 – 広田亮平
園部 葵 – 佐藤未来
金村 俊太 – 小室優太
小森 七恵 – 岡真由
一之瀬 新作 – 泉谷しげる
末永 たまき – 岡本綾
菅原 比呂人 – 青木伸輔
伊吹 テツヤ – 石垣佑磨
レースクイーン・リナ / ミキ – 益子梨恵 / 矢吹春奈
スポンサー・後藤 – 西村雅彦
平山 貞夫 – 温水洋一
樋田 景子 – 国生さゆり
景子の恋人・雅也 – 大口兼悟
塩谷 司 – 嶋田久作
塩谷 伸江 – 朝加真由美
田口 佳代 – ふせえり
奈央の父親 – 佐藤旭
刀根 ふじ – 片岡富枝
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感想
これは名作のドラマだと思う。
笑いと温かさが凄く心地よくて、ずっと見ていたくなるような作品だった。
主人公は気が短そうなのに、言っていることは正しいし、理不尽なことを言われても言い返したりしない所が凄く良くて、子供が好きになる理由が分かった。
このドラマが放送されていた当時は自分もまだまだ子供で、結構終わり方には賛否両論あって、自分もそんな時にリアルタイムで見ていたら終わり方に納得いかなかったけど、改めて大人になってもう一度このドラマを見てみると、あの背中を見る子供たちのことを考えたらあの終わり方の方がいいんだなぁと考えが変わった。
とにかくこのドラマはかっこいいところがたくさん!
さらにフォーミュラカーのかっこよさをこの作品で初めて知ったし、クイーンの曲に出会ったのもこの作品だった。
とにかく何もかもがかっこいい。
まとめ
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