mellow(メロウ)無料動画配信・レンタルを無料で視聴する方法！あらすじ・キャスト・感想/田中圭主演【映画】

草食系男子ならぬお花畑系男子な主人公・夏目誠一に、田中圭が上品な微笑みを浮かべながら扮していました。対する岡崎紗絵が演じているヒロインの古川木帆役は潰れかけたラーメン屋を切り盛りするので精一杯で、およそロマンスの予感はありません。小綺麗綺なファッションで店頭に立ち優雅に花を愛でる誠一、厨房で首に巻いたタオルで汗を拭いながら麺の湯切りをする木帆。これまでの恋愛映画やテレビドラマで定着しつつあった男女の立ち位置が、大胆に逆転されていて面白いです。早くに両親と死別した木帆の家の仏壇には、誠一が経営する生花店から届けられたお花が備えられていてホッとします。ちょっぴりおませな誠一の姪っ子・さほ、誠一の店の常連さんで憧れの先輩に花束をプレゼントしようとしている女子中学生の水野陽子、夫がいながら誠一に愛の告白をしてしまう青木麻里子。物語に彩りを添えるかのような、個性豊かなサブキャラクターにも注目してください。いよいよ閉店へと追い込まれていく木帆のラーメン屋に、名残惜しいような気持ちさえ沸いてくることでしょう。果たして木帆が選んだ道のりは、そして誠一との微妙な関係に大きな進展はあるのかも見どころです。

「mellow」を視聴して、私はドラマチックすぎたりロマンチックすぎたりしない、非常にリアルで感情に寄り添った作品だと感じました。
世の中の、恋愛ドラマや恋愛映画の多くはおそらく、1人の主人公、1人のヒロイン、その2人の恋愛を物語の中で起承転結、困難や壁を設けつつ描いていく構成になっています。しかしこの「mellow」は、そのような作品とは構成が異なっています。
もちろん、田中圭さん演じる主人公を中心に、話は展開し、ヒロインの女性も登場しますが、この作品の場合は、そのヒロインがヒロインとしてのスポットライトを当てられている作品ではありません。
この作品では、主人公の田中圭さんを中心として、彼に想いを寄せる複数の女性が登場します。作品の結末としては、その女性のうちの1人と主人公は結ばれますが、それ以外の女性たちの感情、主人公との関係の描かれ方が、非常にリアルで映画ではない、私たちが送る日常生活の中で起こる恋愛のようでした。
映画のヒロインのようにうまくはいかない、ロマンチックでもない、かといってやたらに険悪になったり、数々の困難に立ち向かわなくてはならない。そういったような過剰な恋愛ストーリーがなく、自分のことのように切なくなる、そんな気持ちで視聴することができました。

ゆったりと1日1日が流れていく中で、日々起こる様々なことを淡々と、でも印象的に描いている作品だと思いました。恋愛的な要素が強めでしたが、どこにでもありそうな恋愛模様が描かれている部分もあれば、女子中学生の友情・憧れにも近い恋愛模様だったり、様々な状況がどれも描かれていて、感情移入しやすかったです。ああ、こういうことってあるよね～と共感できる部分が多かったように思います。そこに田中圭さん演じるお花屋さんが主役なのだけど、添えるように存在していて、適度に他の人の拠り所となるようにできているなという印象でした。お花屋さんの非現実感がそのように思わせるのかもしれません。女性の登場人物が多かったのも、女性のほうがお花屋さんという場所を良い意味で特別に思っている節があるからだったのかなと思いました。また、当のお花屋さん本人が自分がそんなに影響を与えていると思っていないからとてもいい。もしかしたら大きな出来事かもしれなかったお話がゆったりとした雰囲気の中描かれていくことで、抵抗感を感じなくさせている作品だと思います。私は普段お酒を飲んだりしながら映画を観ることが多いですが、この作品は紅茶などでほっこりひと息つきながら観る。そんな作品だと感じました。